眼窩 | きくな湯田眼科-院長のブログ

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眼瞼下垂、結膜母斑、なみだ目、レーシック、流涙症なら                     

横浜市港北区菊名にある『きくな湯田眼科』

眼窩とは眼球および眼球付属器を入れる骨でできたくぼみのことです。7種類の骨により構成されています。



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眼窩の入り口は4角形をしていて、奥にいくほど狭くなっていて、ピラミッドのような形をしています。


入り口の大きさは縦35mm、横40mmで、奥行きは40mm程度の大きさで、正確な四角錐ではないため、容積としてはおよそ30mlになります。従って、大さじ一杯が15mlですので正解は大さじ2杯分となります。



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その構成をもう少し見てみますと、入り口の四角形は4種類の骨で構成されています。Fは前頭骨、Zは頬骨、Mは上顎骨、Lは涙骨です。奥の方の構成は、図のようになっており、Gは蝶形骨大翼、Sは蝶形骨小翼、Cは蝶形骨体、Eは篩骨、最も小さいPは口蓋骨です。


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これらの骨で構成された眼窩で、内壁と下壁は薄く、容易に骨折し、眼筋や眼窩脂肪などの眼窩内容が骨折部分より眼窩外にはみ出し、眼痛や複視を生じます。このような骨折を眼窩ふきぬけ骨折blow-out fractureと言います。


眼窩上壁はこれよりは丈夫にできていますが、側方からの力で骨折することがあり、特に視神経が通る管である視神経管(視束管)上部では比較的容易に折れ、視神経損傷を引き起こします。これを視神経管(視束管)骨折optic canal fractureと呼びます。


従って眼窩で最も丈夫なのは外壁ということになります。


眼球は左右2つありますので、当然眼窩も2つあります。2つの眼窩の間隔は内壁間の距離が大体25mmで、外側に開いた格好をしています(丁度スピーカーを2つ並べたような格好です)。



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こうして成人の瞳孔間距離は2×40/2+25 で、およそ65mmと計算されます。この間隔が異常に大きい場合を、眼隔離症ocular hypertelorism と呼びます。