新宿歌舞伎町にある中国式エステの老舗「オリエント」で、オーナーチェンジがあった。
店を購入したのは、渋谷でアクアマリン/アイシンという人気エステ店を経営している中国人(女性)。
※アクアマリンは閉店。アイシンは営業中。

新しいオリエント(以下、新オリエント)は、これまでのオリエント(以下、旧オリエント)と店の場所は同じで、店名も「オリエント」という名前を引き継いでいるものの、経営者もかわり、施術も異なる。
単に名前が同じというだけのまったく別の店となった。

新宿歌舞伎町で20年以上の歴史を誇ったオリエントは、とうとう終焉した。

そしてこれは、俺のエステ体験の大きな区切りとなる出来事だった。


【俺とオリエントのかかわり】
このブログの新しい読者の方々はご存じないかもしれないが、俺は、このブログを始める前、「とふとふ」という名前で別のブログを書いていた。(2008年2月~2012年12月)
その当時は、俺のブログ(とふとふブログ)も、エステブロガーの中ではそこそこ名前の知られた有名ブログだったものだ。という自慢話はどうでもいいが。

とふとふブログには、いくつか他のブログにない特徴があった。
そのひとつは、エステブログでありながら、「店名」や「嬢の名前」の入ったレポート記事は一切書かない、という変わったブログだったということだ。
名前を出さない嬢の思い出話や嬢とのかかわりや恋愛体験談。エステでの出来事。そして、エステ論などを書いていた。
ちなみに、エステ論や小姐との恋愛体験談は、livedoorの「かからっくブログ」が引き継いでいる。

店名を出さない理由は、どんな記事でも店名を出せば、店に迷惑をかける可能性があるというのが俺の持論だったからだ。
というのが特徴だった「とふとふブログ」で、ただひとつの例外が、「オリエント」だった。

オリエントだけは、店名を書いた記事をどんどんアップしたし、俺は、とふとふブログのことを、オリエント応援ブログ、と称してはばからなかったものだ。
なので、当時は、「とふとふと言えばオリエント」、というイメージが定着したと思う。
(「オリエントと言えばとふとふ」とまではいかなかったかもしれないが。)
俺にとって、「オリエント」は、それくらい特別な店だったし、応援したい店だった。


【オリエントの歴史・・・創業と2回のオーナーチェンジ】
オリエントは、創業してから20年以上という。なんと始まったのは20世紀のことだ。
旧オリエントのホームページには、創業平成7年と書いてあったが、おそらくこれはいい加減な数字のはずだ。
一方の新オリエントは、今年で創業22年だと自称していて、平成7年とは食い違っている。これも信憑性がある数字どうかよくわからない。
という曖昧なところはあるものの、オリエントが20年以上の歴史のある老舗エステというのは間違いない。

そのオリエントの創業者は、日本人男性の利根川社長だ。
利根川氏の奥様は、俺は名前を知らないが、中国人女性で、創業当時の経営は夫婦で行っていた。
※健!工房となんとなく似てますね。
残念ながら、俺は、創業当時の詳しいことはよく知らない。

その後、利根川氏と奥様は離婚し、奥様は渋谷にオリエントと似た店(王宮楽園)を創業している。
なので歌舞伎町のオリエントと渋谷の王宮楽園の客は一部かぶっている。

オリエントは、20代前半の若い小姐がメインの店で、キャバエステと異名をとった。
一時は大人気で、嬢は常に10人以上出勤していた。
夜は嬢の寝る場所もなく、1つのベッドに3人の嬢が重なるように寝ていた、なんていうエピソードもある。

その後、オリエントは2回のオーナーチェンジがあった。
1回目のオーナーチェンジは、平成18年(2006年)のことで、
利根川氏が、当時オリエントの店長をしていた田中氏に店を譲った。

田中氏は、日本に帰化した(元)中国人男性。利根川氏の下でオリエントの店長(いわゆる受付)をしていたが、利根川氏から店を買い受けて新オーナーとなった。

2回目のオーナーチェンジは、平成21年(2009年)4月のことで、田中氏が中国に帰国することになり、当時のオリエントのマッサージ嬢が買い受けた。

ここでひとつ面白いことは、1回目のオーナーチェンジも、2回目のオーナーチェンジも、公にはオープンになっていなかったことだ。
他店の経営者も、客も、2回目のオーナーチェンジ以降まで、オリエントのオーナーは利根川氏だと思っていたようだ。
掲示板にもそう書かれていた。
なので、店長の田中氏が一時オーナーになっていたことを知る人はほとんどいないだろう。

というように、オリエントの歴史の中で、2回のオーナーチェンジがあったけれど、どちらのオーナーチェンジのときも、店に大きな変化はなかった。
スタッフ嬢も同じで、施術内容も変わらず、メニューもシステムも同じ。
店の改装も行われなかった。
オーナーこそ変わったとはいえ、同じ店が継続していったとみなしてよいだろう。

【旧オリエントの衰退と最後】
しかし、オリエントが華々しかったのは、2005年くらいまで。
一時は常時10人以上の嬢が在籍していた繁盛店オリエントも、利根川社長時代末期には数名の在籍となった。
その後、田中氏、そして小姐へと経営権が移っても、オリエントが最盛期の勢いを取り戻すことはなかった。

旧オリエントに最後まで残った嬢は、7番「ナナ」と18番「ケイ」の2名と、他数名の新人だけ。
ケイは、2005年からオリエントに約11年在籍していた。
そして、ナナに至っては、1999年からオリエントに在籍。なんと彼女は、17年間もオリエントにいたことになる。
彼女ら2名が、オリエントの生き字引といえよう。

最後までオリエントを盛りたてようと頑張った2人の嬢だが、おそらくキャバエステのスタイルと、洗体も抜きもないというのんびりした施術が時代に合わなかったのだろう。
とうとう力尽き、3回目のオーナーチェンジとなった。

【今回のオーナーチェンジ】
今回のオーナーチェンジにあたり、すでに今年の4月から、オリエントの店舗売却の広告が、中国人エステ関係のネット掲示板に流されていた。
歌舞伎町で20年以上の老舗が売りに出されるというのはさすがにインパクトが大きく、エステ経営をしている小姐(いわゆるママ)たちの間ではそれなりの話題になったようだ。
そして、5月末の時点で、新オーナーへの売却が決まっていた。

気になるお値段だが、ネット広告の打ち出し価格は550万。
実際の販売価格は俺は知らない。
値引き交渉があったかもしれないが、550万のうちの約400万は保証金なので、値引いてもせいぜい500万というところではないかと推測する。

500万にしろ、550万にしろ、高額ではあるが、保証金を除いた実質価格は100万~150万。
その程度の金額で老舗「オリエント」の名前が手に入るのだから、けして高い買い物ではないと思う。
もちろん、老舗「オリエント」の名前を活かすも殺すも新オーナーの力量次第なので、誰が買ってもお買い得商品というわけにはいかないが、購入を決断した新オーナーは、なかなかの目利きと言えよう。


【俺にとってのオリエント】
ここで、俺がオリエントに肩入れした理由を申し上げたい。

オリエントは、俺に、エステの遊び方を教えてくれた店だ。
言い換えれば、中国人のすばらしさを教えてくれた店と言ってもいい。

オリエントに出会う前、すでに俺は、エステファンとして長年の経験があった。
エステ好きだった。
しかし、エステ好きでありながら、どこか、中国人や韓国人を見下しているところがあった。
風俗嬢と馬鹿にしていて、簡単にエッチができるものと思っていた。
健全店でオイタするのも当然のことと思っていた。
所詮中国人なんて、その程度の存在・・・俺は、中国人をそういう目でしか見ていなかったのだ。

しかし、オリエントで、俺は、多くの「純粋で、優しく、嘘をつかない、それでいて意思が堅く、身持ちも堅い」すばらしい小姐と出会った。
そのことが、俺から、中国人女性への偏見と侮蔑を取り除いてくれた。
そして、そのときから、俺は中国人女性との恋愛にのめり込むことになる。
(その詳細は、livedoor 「かからっくブログ」を見ていただきたい)

俺にとってのエステの師匠にあたるのが、オリエント、とも言える。
そのくらい重要でかけがえのない店だった。

そして、もうひとつ。
つけたしのようだが、エステ数多しといえども、オリエントと同じような店は、2つとなかった。
俺の筆力では他の店とどう違うのかは描ききれないが。

洗体もなく、カーテンで区切られたベッド式の部屋。時代遅れの店といえばそれまでだが。
若い嬢が、しっかりとしたマッサージを提供してくれて、しかも、会話やおもてなしで癒してくれる店。
ゆったりとした時間の流れる店。
ぼったくりとも、延長の催促とも無縁の店。
客が好きなだけ、好きな時間過ごせるのが旧オリエントだった。
まるで昭和の時代にスリップしたような店だった。

なお、一部の業界関係者の間で、俺(かからっく=とふとふ)がオリエントのオーナーだという噂が流れたこともあったようだ。
しかしそれは、まったく事実無根であることをここにひとこと申しあげておく。
俺は、あくまでも1人の客としてオリエントを応援していたにすぎない。
経営とは一切関係ない。


【新オリエントについて】
新オリエントは、7月13日にオープンしたようだ。
購入から1カ月かけて内装を工事したのだろう。
HPを見るに、内装は完全にやりなおしており、旧オリエントの面影はまったくない。
ここまで変わるものか、とびっくりした。

オープンした新オリエントは、宣伝に余念がない。
エステナビなどでリンク以外にも目立つ有料広告を打って、新客の獲得に努めている。
しかもそれだけでなく、無料掲示板「爆サイ」などにも開店前後からスレッドをたてて、宣伝を繰り返している。
「専務」と呼ばれている男性はかなり有能な方のようで、この手の宣伝には慣れているのだろう。
掲示板では、うまく炎上を抑えてステマを悟られないような巧みな宣伝を行っているようだ。


【最後に新オリエントにエールを】
新オリエントは、旧オリエントとはまったく別の店だ。
俺が新オリエントに足を運ぶこともおそらくないだろう。(断言はしないけれど)

とはいえ、
鳴り物入りの大型店「花水木」の失敗、名店「ビビアンナイト」の閉店後、歌舞伎町には、これといった店が現れなかった。
しかも、あの健!工房も歌舞伎町からは撤退し、歌舞伎町からは中国人エステの火が消えかけたかと思われた。

しかしここにきて、西武新宿北口付近が、急にエステのホットスポットになったようだ。
3年前に開店したラブリーハート歌舞伎町店、そして今回の新オリエント。
是非とも、これら2店にはがんばってもらいたいものだ。
※ラブリーハート歌舞伎町店は、2016年10月にオーナーチェンジでオンリーワン歌舞伎町店に変更。(追記)

間に挟まれた「癒」は、どうやって生き残ろうかと思案中かもしれない。
「入口はこちら」とでも看板を出してみたらどうだろうか。
(オチが超古典的ギャグで、すみません)

(了)

P.S.
というわけで、楽観人様、どんちゃん様、連れオリエントをするという約束を果たすことができず、申し訳ありません。