孤高の英雄500系のぞみ 第一章
第一章
「華々しいデビュー」
スピード性能を追求して設計された「ロングノーズ」と言われる鋭く尖った先頭車両は、男の子なら誰もが憧れる乗り物だったに違いありません。
当時の新幹線としては斬新なデザインが少年であった私の心を躍らせました。
私が始めて500系のぞみに乗った時の事です。
発車時刻が近付き、500系のぞみが駅に颯爽と滑り込んできます。その外観は未来的かつ速そうで、単純にカッコイイ!と思いました。 戦闘機を連想させるかの様な形状をした車体、丸い断面、翼型パンタグラフ。そして、ライトグレーを基調としたボディカラー、LED行先表示器、高級感のある内装。未来的な連結デッキとドア。全てが今までの新幹線における概念を超越していました。
LED行先表示器
室内ももちろん円形に近いので、狭いです。しかそ、その短所さえもスピードを追求するがゆえの長所にも感じてしまいます。
颯爽と入ってくるW7編成
戦闘機を思わせる形状
円形状の内壁
未来的なデザインの客室扉
洗面化粧台
1997年3月。営業時速300km/hでの運転は、当時のフランス新幹線TGV(テージェーヴェー)等と並ぶ世界最速でした。華々しい門出を迎えた500系のぞみは、増備により同年11月には東海道新幹線の乗り入れを開始し、新幹線新時代が到来します。
東京~博多間を4時間49分で結んでいた500系のぞみ。新幹線が初めて5時間の壁を打ち破った驚異的な記録は、今現在N700系でさえも未だ塗り替えられていないのです。
1997年3月22日、JR西日本から英雄が誕生しました。
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