笹鳴や真似てそぞろに雑木山    フーザンボー
 
 
 
 
 笹鳴き・・・冬に里に下りてきて鳴く冬の鶯、寒鶯(かんおう)のことです。「ウグイスは冬になると餌を求めて里近くに現れ、藪や庭木を飛び移りながらチャッチャッと地鳴きする。それを笹鳴きという。幼鳥の鳴き声とは限らない」(現代俳句歳時記)とあります。冬の時期は鶯の子がまだ「ホーホケキョ」と上手に鳴くことができないことを「笹鳴き」と言うのだと思っていましたが、どうも少し違うようです。
 
 甲府市にある武田神社は、武田謙信を祀っている神社で、かつては謙信の城でした。神社でお参りを済ませ、時間があったので、神社の裏手をお堀に沿って一周してみたのです。境内には、当時のままの堀や土塁、石垣などが残っているのです。写真の一枚目、二枚目はお堀の土手の様子です。
 信玄やその家臣もこの土手の道を歩いていたはずです。小鳥の鳴き声を聴きながら、甲冑を纏った武士が現れそうな気配もしてきて、しばし戦国の世に思いをはせるのでした。
 
 
 
 
       笹鳴に石柱の影ふくらめり    山田貴世
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
山城のあった湯村山に登る道です。
 
 
 
 
 
 
 
武田信玄のように、不敵な面構えの猫。