禅林に迷ひみちある梅雨の蝶 フーザンボー
紫陽花が少し色あせてきたこの梅雨の時期、一人で古寺を訪れると、なぜか私一人が置き去りにされて、日差しが梅雨の雲に閉ざされるように、急に心寂しく感じることがありました。孤独の感覚、心の迷いでしょうか。
迷いや煩悩を少しでも晴らしたいと思いお参りするのですが、簡単に晴れるものではないのです。禅宗の高僧は、きっと何十年もかけて悟りに近づくように修行をしたのでしょう。凡人の私にはそんなことはとてもできません。
此の世に生きていく以上、煩悩や迷いを断つことはできない。そう思いながら、白い蝶々に慰められたのでした。
まつ白き梅雨蝶となり草に飛ぶ 星野立子
ナズナでしょうか。美しく咲いていました。
禅
林
に
迷
ひ
み
ち
あ
る
梅
雨
の
蝶