三競オート投資術~公式ブログ 勝つ為の思考法 -5ページ目

21-01 必然と偶然

世の中は全て必然の積み重ねで成り立っている。

全ての事象には原因があり、そうなるべき理由がある。
偶然のように見える現象であっても、そこに到るまでの過程は明確である。
単に人智では計り知れない為に偶然と呼ばれるのである。

サイコロを振る。

何気なく振った時、1の目が出たのは偶然に過ぎない。と言う。
しかし、握った時に持った方向、腕の振り、地面との距離、風向き、等を計算すれば、賽の目を見なくても1の目が出たことは類推できる筈だ。

勿論、現実に可能かというと別の話である。
瞬時にそれらを判断し、出る目を予測することは現実的ではない。

不可能ではないが予測困難な事象は偶然と呼ばれる。
必然と偶然を分ける基準はその一点にある。

そういう意味で、サイコロ賭博の結果に必然性を見出すことは難しい。
偶然性が強い(予測困難な)場合は、外れたからと言って反省して次に活かすことが出来ないのは仕方がない。

しかし、予測に必要なファクターが或る程度見えている場合はどうだろうか。
それを基に結果を推測することも出来るし、結果も必然と捉える事ができる。

人間の力で全てを見通すことは出来ない。
しかし、結果は全て必然であり、それを次に活かすことは可能である。
そして、考え得る要素を詰めて行くことにより、偶然性は弱まり必然性が高まる。

全てのレースを的中させることは出来ないが、不的中には必ず反省点や教訓が潜んでいる。
それらを偶然として流してしまうことは、実に勿体無いことなのである。


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10-14 入門編 序章のまとめ

先月は1ヶ月を費やし、入門編の序章を改訂して再掲させて頂いた。

公営競技に限らず投資全般に共通する内容も多いのだが、三競オートに焦点を当ててその為の基本となる心構えを述べている。
内容としては当たり前のことであっても、意識しなければそれすら実行することも意外と難しいものである。
言葉として認識を新たに持つことはその助けとなり得る。

全ての前提・基本として重要な内容なので、当該内容の記事はブログ開設当初から掲載した。
しかし、当時は今より読者数もかなり少なく殆どの方の目に触れていないことを考え、この度の再掲とさせて頂いた。
言ってしまえば完全な焼き直しだが、表現等を改めて一応バージョンアップしたつもりではある。
当ブログに少なからずご興味を頂いている皆様(本当に感謝しております)には、この一連の記事は是非熟読して頂きたいと思う。

尚、入門編の続きはメールマガジンにて展開させて頂いている。
こちらは最近更新が止まっており申し訳ない限りだが、ご興味の方はバックナンバーをご参照頂きたい。
このブログでは、ご承知の通り、徒然なるままに色々な話題を提供するようにしているので、今後ともご訪問頂ければ有り難い。

入門編の序章については下記に目次をまとめておくので、ご活用頂きたい。

10-01 投票券を購入する理由
10-02 収益率を意識する
10-03 収益率を上げる為に必要な技術
10-04 予想技術と投資技術
10-05 投資としての三競オート
10-06 公営競技と金融市場
10-07 既存の戦術書で勝てない理由
10-08 色々な方法論(1.正統派と異端派)
10-09 色々な方法論(2.錬金術的投資理論)
10-10 勝つ為の思考法
10-11 自分の実力を知る方法
10-12 軸をぶらさない
10-13 必勝法の賞味期限

次回からは、再び「雑感・コラム」を中心に展開させて頂くので、引き続き宜しくお願い致します。


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10-13 必勝法の賞味期限

前回は軸をぶらさないという話をしたが、今回は正反対の話をする。
内容的に矛盾するものではない。

あなたが既に勝てるだけの実力を持って取り組んでいる(方法論を確立していると言い換えても良い)としよう。
その時、ただ漫然とその方法を繰り返していて、いつまでも同じ成果を上げ続けることができるだろうか。

同じやり方はいつまでも通用しない、という可能性を考えて欲しい。
本当に有効な方法論であれば、全く同じではなくても、他の人も似たようなアプローチで取り組み始めることはないだろうか。
そして、そういう人や資金が増えてくると、その方法論は通じなくなる。

株式市場を思い浮かべてみよう。
チャート理論はこれまで絶えず進化を続けて来た。
その過程において、かつて通用した方法論が陳腐化して使えなくなることも多い。
例えば、ゴールデンクロスを発生直前に知らせるサイトが増えたことにより、発生前に注文が殺到してしまう為、発生後の投資戦術は意味を為さなくなったりする。

勿論、初期段階での基本的な戦術論には関係ない。
そしてそれだけでも十分に勝つ為の戦略を立てることはできる。
人間の心理が根底から変わってしまうことはないので、投資に対する基本姿勢を修正せざるを得ない事態に陥ることまで想定する必要もない。

今回の話は、戦術を進化させて方法論として確立した後の注意点である。
有効性の検証されたパターンが出来上がってしまうと人は気を抜く。
気を抜くと、漫然とした繰り返しになってしまうので注意したい。

いつまでも「心構え」を忘れずに臨む必要があるのである。
そして「心構え」をしっかり持っている人間は永久に強いものである。

(この記事は、「00-10 必勝法の賞味期限」に加筆訂正を加えた改訂版です。)

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10-12 軸をぶらさない

前回は自分の実力を知る方法を簡単に述べた。
これを実行するだけでも意識の持ち方が少し変わる筈である。

自分の実力を知り、勝つ為の思考法ができるようになったら、次に重要なのは軸をぶらさないということである。

実力と傾向に合わせて対策を立てたのであれば、それを貫くということである。
ちょっと結果が出ないとすぐに迷いが生じ、色々な方法を試してみたくなるのが人情というものである。
それは或る程度仕方がないことかもしれない。

しかし、折角立てた対策の骨格を守れなければ意味はない。
正しく分析して立てた方法論であれば、中期的には少なくとも過去の成績よりは改善する筈である。
これを放棄してしまうと元の木阿弥となってしまう。

但し、長い目で見てみることが大事だからと言って固執し過ぎるのもそれはそれで考え物である。
骨格を守りながら微調整や修正していくことは怠らないで欲しい。
実現可能な完全形は存在しないと考えて、常に少しずつ改善していくくらいのつもりでなければならない。
そしてそういう姿勢こそが勝つ為の思考法の一つでもある。

私自身、方法論や手法を常にレビューしながら少しずつ進化させて行っている。
投資技術の根幹は変わらないが、傾向や潮流の変化も確認しながら更なる発展を目指している。

当ブログではその入口の基本的な考え方を紹介しているのみであるが、実力を上げる為の王道であり当然の内容でしかないので、注意深く読んで実践してみて頂きたい。

(この記事は、「00-09 軸をぶらさない」に加筆訂正を加えた改訂版です。)

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10-11 自分の実力を知る方法

まず大事なのは自分の実力と傾向を知ることである。

単にこれまでの収益率(回収率)で実力を測れば良いというものではない。
総合力はそれで分かるかもしれないが、それでは分析にはならない。

どういう癖があるのか、ということも重要である。
本命党か穴党かなど自分でも分かっている基本的なことではなく、実際、どういう買い方をしているかを把握して欲しい。

1.自信のあるレースはどの程度当たるのか。

2.自信はないが妙味を感じて投じた資金はどの程度の成績を上げているか。

3.迷わず選んだ買い目、悩んだ末に押さえた買い目、気になったが買わなかった
  買い目、など、それぞれどういう結果になっているか。

全て一度ノート(等)に書き出してみて欲しい。
できれば予想の過程や買い目と資金量を決めた理由も加えてみるとベターである。
(参考記事:事後検証のポイント

記録を見てみると、如何に無駄な買い目が多かったか、非効率な資金配分をしていたか、ということに気付くのではないでだろうか。

的中した投票券は換金、外れた投票券はその辺に捨て、前のレースのことはすぐ忘れる、というのではいつまでたっても進歩しない。

これを分析することで初めて、投資技術・予想技術を分けて自分の実力を知ることができるのである。
予想技術を知るとはどの程度当たるかだけでなく、自信度やオッズ別のパターン等の詳しい自分の傾向も把握することである。

曖昧な記憶に頼ってはいけない。
しかも人間の心理として、的中した時の印象が記憶の中では強くなり、それが冷静な分析を妨げることが多い。

分析の詳しい方法は別の機会に譲るとして、先ずは上記のことをざっとやってみて欲しい。
きっと新たな発見があると思う。

(この記事は、「00-08 自分の実力を知る方法」に加筆訂正を加えた改訂版です。)

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10-10 勝つ為の思考法

ここまでの内容を少しまとめる。

公営競技を投資と捉え収益率を意識して取り組む為には、予想技術だけでなく投資技術が必要だという話をした。

金融市場と同様、有効な投資戦略を立てることが重要だが、残念ながら巷に溢れる必勝法の多くは質が低く使い物にならない。
ちゃんと理論に基づいた方法は色々ある(と言ってもその辺に落ちている訳ではない)ので、まずはその為の考え方の癖をつけなければならない。
それができなければ、どんな必勝法をも活かすことは難しい。

大半の人は三競オートで収益を上げることができていない。
その多くは、収益を上げる為の心構えが足りないからである。

そして、収益の上がらない人の思考方法・行動パターンは大体決まっている。
幾つか列挙する。

 適当にその場の勢いで買う。
 一貫した戦略がない。
 手元の資金量にのみ応じて購入金額を決める。
 どのレースも一様に買う。
 オッズを見ない。
 迷いながら買う。
 根拠もないのに何故か迷わない。
 言い訳を用意している。

上記のどれかに当てはまるなら、そこを見直してみて欲しい。

勝つ為にはそれなりの思考法が必要である。
その投票券を買う理由、そのレースに参加する理由、その根拠を明確にして取り組んで欲しい。

(この記事は、「00-07 勝つ為の思考法」に加筆訂正を加えた改訂版です。)

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10-09 色々な方法論(2.錬金術的投資理論)

前回は正統派の方法論と暗号や出目などの(本来は)異端な手法について紹介した。
引き続き、様々な方法論のご紹介を続ける。

投資術を語る/騙るものも多いが、理論的に成立するまともなものは意外なほど少ない。
当ブログでも再三述べている通り資金配分は重要だが、資金配分でまやかしの理論を仕立て上げた偽物があまりにも蔓延っている。

その代表的なものが追い上げ方式である。
ご存知の方も多いと思うが、投入資金を増やしていくことにより的中した時点でこれまでの負け分を取り返すというものである。
簡単な例では、オッズ2倍の投票券を的中するまで投資額を倍額にしながら買い続けるというものなどがある。
マーチンゲール法という名前は聞いたことがある人も多いだろう。

これは、的中すれば不的中分を全て取り戻せるという仕組みになっている。
一見すると魅力的で絶対に負けないようにも見えるが、不的中が続くと損失は雪だるま式に膨らみ、あっという間に破産に至る恐怖の方法である。
→ 詳しくはこちらで。

そのリスクを小さくする(見せかける)為に高オッズを狙う等、投資資金の増加を抑えたり柔軟性を持たせたりする変形版も多く見られるが、リスクとリターンの関係は実はやはり変わりはない。
これは単なるリスクの先送りに過ぎない。

確率でいうところの期待値という概念を考えればすぐ分かることである。
他の方法論を機軸に補完用に使用することは不可能ではないが、数学的には単独では成立しない。

途中までは成功しているように見えるので騙されやすい。
リスクを抑える為に「勝つことを放棄してババ抜きを行う」のがこの方式の究極の姿である。

これに限らず、錬金術的な内容のものは殆どが数字のマジックに過ぎない。
数学的に成立するか否か、確率や統計の基本を理解していないと判断するのは難しい。
その点に自信の無い人はそのトリックに引っ掛かるので、手を出さないのが賢明である。

煽るような宣伝文句や手軽さに踊らされないことが重要である。

(この記事は、「00-06 色々な方法論 (2)」に加筆訂正を加えた改訂版です。)

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10-08 色々な方法論(1.正統派と異端派)

世の中には戦術書の類が数多く存在する。
勿論その全てを検証した訳でもなければそれらを貶めるつもりもないが、玉石混淆であり、酷い内容のものが多いのも事実である。
有効性につき検証されていない(或いは不十分な)もの、検証方法が間違っているもの、意図的に歪められているもの、後付の結果論に過ぎないもの、等が多く見受けられる。
そして錬金術的な内容のものは数学的に成立しない理論が殆どである。

代表的な戦術論には次のようなものが挙げられる。

先ずは、正統派とでも呼ぶべき、予想を当てる技術を論じたものである。
実力やレース展開の分析等の方法を筋道立てて解説しており、物によっては学ぶには良い面もある。
これは本来はそう簡単に身につくものではなく、しっかりと勉強していく必要がある、つまりは筋道の通った参考書でなければならない。
三競オートは全て、簡略化して誰でも実践できるほど底の浅い競技ではない。
余りに簡単なものは参考程度のつまみ食い用か全くのまやかしであると考えて良いだろう。

それと対極にあるのが、裏の道を探るものである。
サイン暗号系、つまり、結果は仕組まれているという前提に立った理論もその一つである。
かつて一世を風靡したし、今でも根強いファンは多い。
要は八百長なのでその情報を手に入れれば勝てるということであり、そのヒントを読み出す方法論である。
一見すると胡散臭い裏情報であるが、成立すればこれほど割の良い方法はないようにも見える。
その信憑性について、正確なところは何とも言えない。
ただ、真実の裏情報であれば肝心な部分は公開されないし、それを読み解く鍵が出回れば鍵は取り替えられる。
思わせぶりで意図的な情報に素人は踊らされやすいものであり、ここに手を出すのは簡単ではなく、市販の指南書の有効性は低くなる。
そして、やはりこれも自分で鍵を読み解き検証し続ける必要があることに変わりはない。

出目論というのもある。
これには二通りの意味合いがある(言葉の定義の問題でもある)のでご注意願いたい。

一つは一種の運気の流れを読むものであり、そういった考え方は一概には否定できない部分もある。
所謂、科学で解明できない領域である。
検討には値するかもしれないが、理論の裏付けという意味では乏しい(難しいと言っても良い)ので、ここでは取り上げない。

もう一つはレースの流れや展開、有利不利で裏付けられるケースである。
厳密に分析したものは一概に出目と分類するのは違うかもしれないし、数学的検証も可能ではある。
しかし、明確にその点を意図しないまま「結果論で或る程度成立してしまっている」程度の理論もある。
これについては、戦術論としてはかなり稚拙なものが多いこと、幾ら頑張っても正統派の戦術論の亜流にしかなり得ないこと、等を考えるとメインに据えるには無理がある。

(この項つづく)

(この記事は、「00-05 色々な方法論 (1)」に加筆訂正を加えた改訂版です。)

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10-07 既存の戦術書で勝てない理由

投資としての三競オートはそれほど厳しい世界ではない。
金融市場と比べても、競争の状況や競争相手(他の参加者=つまりはお金を取り合う相手)のレベルや姿勢は決して高くない。
従って、戦術を立ててまともに取り組めば良いだけなのだが、問題は指南書の質も低いという点にあった。

巷に溢れる必勝法を幾つも試したという人は多いと思う。
うまく行かないのは何故だろうか。
方法論自体が粗悪だったのかも知れない。
或いは、本当に有効な方法論だがその必勝法の全貌が明かされていないだけなのかも知れない。

しかし手法自体の有効性以前に、あなたがそれを使いこなせなかったというケースも多いのではないだろうか。
高い代金と引き換えに手に入れたその方法を、あなたは完璧にその通り実践できただろうか。
少し試して結果が出なければ諦めたり、腰を据えて取り組まなかったりしたのではないだろうか。
「ちゃんとやれば、これ儲かると思うよ」などと言う人もいる。
では何故やらないのか。

確かに、大抵の必勝法は使い勝手を考慮して分かり易く書かれてなどいない。
何故ならば、そんなに簡単に実践されては困るからである(両面の意味で)。
大まかなエッセンスや実行例を伝えるのみであり、具体的な取り組み方を微に入り細に渡って指南してしまうことは少ない。
思わせぶりな記述のみで核心には触れていないことも多い。

だから実行しにくいという側面があるのはわかる。
そして、殆どの手法はその通り実行できたとしても結果を残せるとは限らないようなものである。
ましてや、それすらまともに実行できなければ、うまくいく筈などない。

正しい理論を本当に理解して実践することができれば、結果は自ずとついて来るものである。
これは真贋を見極める目を養うことにも通じる。
その為には、理に適った思考とそれに基づく投資の継続が必要なのである。


(この記事は、「00-04 既存の戦術書で勝てない理由」に加筆訂正を加えた改訂版です。)

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10-06 公営競技と金融市場

前回に引き続き、投資ということを意識する為に、金融商品との本質的な比較をしてみたい。

不確実なものに金銭を投じるという点では、金融市場も公営競技も何ら違いはない。
イメージとしては、投資>投機>賭博・博打・ギャンブル、という感じになるのだろうが、その間には明確な差異はない。
不確実性の差によって呼び方を何となく変えているに過ぎない。

それでは、例えば、債券は投資で競艇は賭博であると定義づけて良いだろうか。
答えは当然ノーである。
闇雲に資金を投ずるのであれば、対象が金融商品であれ何であれ、それは単なる賭博に過ぎない。

では金融市場と公営競技の最大の違いは何だろうか。
簡単に言ってしまうと、参加者ならびに評論家の質の違いであると言える。

金融市場においては、ここでは多くは語らないが、経済学者や経済理論、チャート研究等、長い年月をかけた(それなりに)立派な研究成果が世に溢れている。
参加者もそれなりの真っ当な理屈で取り組んでいることが多い。
勿論、全てがそうだとは言わない。比較的そうである、という話だ。
最近は(昔からそうだが)インチキな偽物も多い(しかも売れ筋に多い)ので注意されたい。

公営競技の世界はどうだろう。
失礼ながら研究として確立されているとは言い難いし、さほど堂々と語られている訳でもない。
裾野はそこそこ広いが、遊び半分で参加している人も多く、また、そういう遊びの予想が堂々とメディアで繰り広げられていたりする。
それはそれで構わないが、その違い故に三競オートにおける投資理論は発展を見ず、胡散臭い方法論や予想が跋扈する現状を生んでいる。
平たく言えばそれだけ低く見られているというのが現実である。

特に大きな違いはやはり戦術理論の未成熟という点である。
経済情勢やファンダメンタルズによる株価予想等と同様に、レース展開や個々の選手/競走馬の研究はそれなりに為されている。
しかしながら、チャート分析や分散投資の理論と比べると、オッズや買い方の研究というのは殆ど重視されていない。
単なる博打と捉えるか経済活動と捉えるかは単なる心理的な違いではなく、理論の成熟度の違いにも現れているのである。

ルールや規制の違いについては特筆すべきことではない。
それぞれの市場の規制に基づき、その範囲内でどうやって収益を上げるかを考えれば良いだけのことである。
いずれも「胴元に寺銭を払い(広義の)参加者間で金を分配し合う」側面には変わりはない。
これは重要なポイントである。

金融市場に対する公営競技のデメリットは主に寺銭が高いことだけである。
それに比べ、メリットは数多くある。
詳しくは折りに触れて解説していくが、一番大きいのは参加者の定義が狭く(投票券を買う人だけ)、ルールが明快なことである。
必ず的中する投票券があり、恐慌などの不測の事態がない。
更には、参加者(競合相手)の質が全般的に低いことも有利な材料となる。

この点などから、戦略を立てて収益を確実に上げていくには金融市場よりも与しやすいとも言える。

これを機に、投資という側面から三競オートを捉えて頂きたい。

(この記事は、「00-03 投資としての三競オート」の一部に加筆訂正を加えた改訂版です。)

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