うつ病を体験した著者が自らの体験を踏まえて、うつ病体験者14名にインタビューしてどのようにしてうつ病というトンネルから抜け出せたのかをコミック化しています。インタビューした相手はこの本の編集者、ロックシンガー、作家、映画監督、学者あるいは会社経営者、会社員、教師であったり、実名での登場もあれば匿名の場合もあります。うつ病というのはたしかに長いトンネルであり、その中では他のものはみえないのですが、回復する時は遠くに小さな光が見えて次第に周囲が明るくなります。うつになった誘因をさぐることも重要であるけれど、うつからヌケるきっかけがどこにあるのか、見つけるヒントについてそれぞれ体験を通して語られています。うつと気候、人生の自習時間、違った立場から自分をみつめること、自分をしばっていた思いこみから自由になること、自分自身を肯定すること、ときには幼時体験との結びつきなどが思いおこされることがあります。うつになる原因もさまざまですが、うつからのヌケ方もまた様々です。