横山クリニック

JR山手線[大塚駅]より徒歩1分にある横山クリニックです。
当院では、コミュニケーションを大切に、一人一人の環境や体質に合わせた治療を行います。


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ホイットニー・ヒューストンの突然の訃報が伝えられました。まだ48歳という若さだけにショックを受けた方も多いのではないでしょうか。私も一度だけですが1997年の東京ドームでのコンサートに行ったことがあります。伝えられるところによると彼女は3種類以上のベンゾジアゼピン系の安定剤とアルコールを併用していたらしいのですが、ベンゾジアゼピンは依存性の問題はさておき身体的には生命の危険をおびやかすような事態にいたることことは余程大量の使用以外は考えにくいだけにショックでした


 最後に世紀の歌姫の若すぎる死に哀悼の意を捧げます。

 そもそもバルビタール系の睡眠薬が呼吸抑制を引き起こしやすくそれに代わる安全な安定剤や睡眠薬をということで開発されてきたのがベンゾジアゼピンなのです。即効性もあり便利な薬として広く使われるようになりましたが、次第に依存性や離脱症状などの問題点が指摘されるようになりました。日本では他の国と比べてベンゾジアゼピンの使用量が多いとされており安易に使われている傾向は否めないと思います。ベンゾジアゼピンは精神科だけではなく内科、婦人科、耳鼻科など他の科でも広く使用されており精神科医よりも危険性について認識していない場合が多いように思われます。ただベンゾジアゼピンは不安障害の治療においてはなくてはならない薬でありパニック発作の急性の不安症状はベンゾジアゼピンなくして抑えることはできません。今後は医師、患者の両者がベンゾジアゼピンの有用性と危険性を認識し正しい使い方を守るよう注意を喚起する必要があるでしょう。

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「ヤマアラシの群れが、ある寒い冬の日に一緒に寄りそって、お互いの体温で寒さをしのごうとした。だが彼らは、すぐにお互いの針を感じて、そのためにまた、離ればなれになった。さて、からだをあたためる欲求から、ふたたびたがいに接近すると、また針の禍がくりかえされ、その結果、彼らは2つの苦悩の間を、あちらこちらとうろつき、ついにいちばん我慢しやすい適当な距離を見つけ出した」(集団心理学と自我の分析、J・フロイト、小此木啓吾訳)



横山クリニック-やまあらしのジレンマ

人間関係における距離のとり方の難しさをフロイトはショーペンハウエルの寓話にある2匹のヤマアラシの物語を用いて表現しています。人間は孤独を癒すためにお互いに近づこうとする。しかし近づきすぎることにより相手を傷つけてしまう。人はそれぞれ裸ではいられません。身を守るためにはどうしても鎧やハリのようなものが必要なのです。しかし自分自身にもそのハリの長さがわからないし、どの距離で相手を傷つけてしまうのか予想ができない。近づき傷ついて離れてまた近づく、そんなことをくりかえしてようやくお互いに許容出来る距離をみつけていく。安定した人間関係を作ることがどれだけ難しいのかをこの物語は語っています。


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 Hさんは20歳代の女性、子供の時から自分の身体や外界のものが今までとは違ってみえる不思議な体験をしています。手足が急に長くなったようで、足にはいているスリッパがずっと遠くにあるように感じ周囲との距離感が今までとは違ったようになってしまいます。また眼は普通にみえているのはずなのに部屋においてあるものが歪んで見えてきます。隅においてある熊のぬいぐるみがやたらに大きくなって自分に話しかけそうな気がしたり、棚においてあるガラス瓶が空中に浮き上がってみえたり奇妙な感覚にとらわれます。体が地についていないようでふわふわと空中に浮かんでいるように感じることもあります。しばらくしてズキズキする頭痛がおこってきますが一眠りして目が覚めるとさきほど感じていた感覚の異常はいつの間にか消えています
横山クリニック

知覚された外界のものの大きさや自分の体の大きさが通常とは異なって感じられることを主症状とし、様々な主観的なイメージの変容を引き起こすことが知られています。ルイス・キャロルによって書かれた小説の題名にちなんで「不思議の国のアリス症候群」と呼ばれています。アリスは急に体が巨大になったり小人になったりしますね。またおでこがやたらに大きい人物が登場したりします。この症候群では視力に異常はなく普通に見えているはずですが外界の事物の大きさが大きくなったり小さくなったり、あるいは一部だけ変形したように感じられます。また自分の体もそれにあわせて逆に小さくなったり大きくなったりします。耳だけがやたら大きくなったり、下半身だけが小さくなったり奇妙な姿になったりすることもあります。現実感が希薄になり離人症を伴うこともあります。こういう感覚は長時間持続することはなく数分から数時間で消えることが普通です。子供に多いのですが成人になってからも持続する場合があります。原因は一つの疾患ではなく片頭痛、てんかん、ウイルス感染症などがあげられています。なぜこういう現象がおこるのかというメカニズムについては現在も解明されていません。