女性と慢性頭痛 | 頭痛 あれこれ

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 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 これまで、このテーマで再三に渡って記事にしてきましたが、もう一度、片頭痛がどのような頭痛であり、片頭痛がミトコンドリアの機能の低下による頭痛である、ということを再確認するために、繰り返しになりますが、整理しておくことにします。


女性になぜ「慢性頭痛」が多いのでしょうか


 慢性頭痛、このなかで片頭痛は、特に女性に多いのが特徴です。このため、まず、なぜ女性に慢性頭痛が多いのかを考えてみることにしましょう。


1.脳内セロトニンの関与
 

 頭痛に限らず、関節リウマチ、線維筋痛症、腰痛、股関節痛、など痛みを伴う疾患はたくさんありますが、いずれも患者数は女性が多いのが特徴です。


 そして、片頭痛は男性より女性に多く見られます。


 これには「脳内セロトニン」が関与しています。
 女性は健常男性より 約52% 「脳内セロトニン」を産生する能力が低く、またセロトニンの前駆物質であるトリプトファンが欠乏すると、女性では「脳内セロトニン」合成が男性の4倍減少する、と言われています。
 女性の場合、家族・夫婦間および職場でのストレスにさらされることが多く、長期間のストレスは、「脳内セロトニン」を枯渇させることにつながってきます。
 こうしたストレスは、「脳内セロトニン低下」を引き起こしやすく、「脳内セロトニン」が、痛みの感覚を抑制する役割を担っていることから、「脳内セロトニン」が低下すれば、痛みを感じやすく、このため痛み・頭痛が出現しやすくなってきます。


2.「体の歪み(ストレートネック)」の関与


 女性はなで肩で、首が細く、女性は男性に比べて筋肉の量が少ないので、筋力も強くありません。しかし、頭部は約6キログラムもあり、男女ともほとんど同じ重量です。そして、女性の場合、掃除・洗濯・炊事と日常的に前屈みを強いられる生活環境にあり、事務系の仕事が多いことから、常に頸部筋肉群に負担がかかり、肩こりを訴えやすく、長期間にわたる肩こりは「脳内セロトニンを低下」させます。
 こうしたことから容易に慢性頭痛を引き起こすことになります。


 これまでの当医院の調査では、ストレートネックの確認率は、男性で52%、女性では68%と圧倒的に多く、緊張型頭痛では84%、片頭痛では95%に、群発頭痛では全例に、ストレートネックが確認されています。
 体の歪み(ストレートネック)は、慢性頭痛発症の起点となるとともに、慢性頭痛の骨格ともなり、慢性頭痛の基本的な病態となるものです。


3.マグネシウムの関与


 女性の場合、とくに「マグネシウムが不足しやすい」状況にあります。
  PMSと呼ばれる月経前症候群がある女性の血中マグネシウム濃度は、月経前症候群がない女性に比べ低いと報告されています。
 これにより月経前症候群の緩和にマグネシウムが役立つと言われています。
また、妊娠中に起こる「こむらがえり」の原因の1つにマグネシウム不足あげられています。


 次のような身の回りの生活環境は、容易にマグネシウム不足を起こしてきます。


   ・アルコールの飲み過ぎ
   ・毎日の牛乳摂取
   ・ストレス
   ・激しい運動や暑すぎる環境
   ・食材のマグネシウム含有量が低い
   ・白米、小麦粉など精製食品の摂取
   ・白砂糖の摂取
   ・加工品や清涼飲料水の摂取
   ・食品添加物や農薬等の摂取
   ・エストロゲン過剰(環境ホルモン含む)
   ・食の欧米化
   ・生理時には減少・・


 このように、私達の生活環境は容易にマグネシウム不足を来しやすい環境にあります。


女性とマグネシウム不足


  ストレスに弱い女性のほとんどが、じつはマグネシウム不足です。
  月経前に血中マグネシウムを骨や筋肉へと移行させるため、生理時には、脳内のマグネシウムレベルが低下してきます。
 過食、甘い物の摂りすぎは、マグネシウム不足を引き起こすことになります。女性は、牛乳や乳製品を好きな方々が多い傾向にあります。
 牛乳や乳製品は、カルシウムとマグネシウムの比率が悪く、マグネシウムがほとんど含まれておりません。牛乳を多飲し、乳製品を多食するという生活を続けていれば、食事全体のカルシウムとマグネシウムの摂取比率が大きく崩れた状態になり、マグネシウム不足になってしまいます。
 お菓子などの甘いものを食べると、甘いものには非常に消化吸収の早い糖質である「砂糖」が多く含まれていますから血糖値が急激に上昇してしまいます。その急上昇に対応するため多くのインスリンが分泌され、マグネシウム不足がもたらされることになります。


 PMS(月経前症候群)の症状緩和にマグネシウムが非常に有効であることは、この18年間の研究報告によって明らかにされています。特に、足のむくみ、体重増加、胸の張りにマグネシウムは有効です。
 PMSの症状だけでなく、月経中でもマグネシウムはきちんと働いてくれます。子宮の筋肉が収縮しやすい生理中の時期は、マグネシウムの助けにより、筋肉の緊張を緩和していきます。そのため、生理痛などに悩む方も、排卵期からマグネシウムを多めに摂取しておけば、生理痛緩和にも役立ちます。 また、マグネシウム自体を摂取しすぎても、体外に排出されやすいため、多めに取っても問題ありません。
 一般にマグネシウムが不足すると筋肉の痙攣を来すことは知られていますが、女性の場合には、月経困難の主たる原因ともなります。また、マグネシウムが不足すると、キャンディ、チョコレートなどの甘いものが欲しくなります。
 PMSの症状に体重の増加、ニキビが見られるのもこのためです。
 人はマグネシウム不足によって脳がストレス状態にあり、甘いものを切望するシグナル出すとき、これに抵抗するための意志をほとんど持っていません。結果として、この強い切望状態に陥った女性の多くは、糖分過多状態になります。
 ですから、考え方によっては、減量のためのダイエットや体重コントロールを無理無く実現させるためには、PMSをコントロールすることが重要であると言えます。


 女性の生理周期を考えた場合、エストロゲン(卵胞ホルモン)というホルモンが生理がはじまってから10日目ころから上昇し、13から14日目の排卵期をピークに下降しますが、血中のマグネシウムがエストロゲンの作用によって骨と筋肉に集中するため、このときに血中および脳内のマグネシウム量は低下します。生理の中期に慢性頭痛がおこる原因の1つにはこのマグネシウムが背景にあり、脳内のマグネシウムが低下することで起こることが少なくありません。
 閉経初期の女性でホルモン補充療法(HRT)を受けた女性の中に、エストロゲン補充開始当初に頭痛がひどくなるケースの多くは脳内のマグネシウム量の低下であることがあります。


 本来月経期間中はエストロゲン濃度が低いはずですが、肉・乳製品・環境ホルモンの摂取でエストロゲンが高濃度になると、マグネシウムの体内濃度は低下し、子宮収縮が強まります。
 このように、肉、牛乳、乳製品 これらにホルモン剤が含まれている可能性がある事をご存知でしたでしょうか?
 例えば、乳牛は早くからそして大量にお乳を出させるために、遺伝子組み換え牛成長ホルモンというのが投与されている事があります。
 ホルモン剤投与でたくさんお乳を出す牛さんは、ママさん達ならわかると思いますが乳腺炎を起こしやすくなります。その乳腺炎防ぐために抗生剤も投与されているのです。
 牛にもホルモン剤は使われており、日本では4種類のホルモン剤投与が認可されています。ホルモン剤に抗生剤を含んだお肉や牛乳 乳製品から取っているかもしれないなど普通は気付きません。
 近年「エストロゲン」が圧倒的に過剰になっている女性が増えているようです。殺菌剤・防腐剤・食品添加物・農薬・ダイオキシン。。。
 食べたり、飲んだり、塗ったり、口からも、鼻からも、皮膚からも吸収された環境ホルモンは「エストロゲン」に似た作用を体内で発揮し、子宮内膜の増殖を進めて、月経時にプロスタグランジンを大量に必要としてしまいます。
 使い捨てナプキンにも環境ホルモンが含まれています。
 何十種類もの環境ホルモンにさらされて生きている私達、初潮の低年齢化、女性特有の病気の増加&低年齢化をみるとこの影響は侮れない程に大きいと感じます。
 なるべく環境ホルモンから身を守る事が大切です。


 不規則な睡眠などでメラトニンの分泌が少なくなると、卵巣からのエストロゲン分泌が過剰になってしまいます。
 睡眠が美容にとって重要なのは、むしろ成長ホルモンの分泌が起こるからです。成長ホルモンはお肌の細胞分裂を促し、メラトニンは成長ホルモンの分泌を促します。


4.生理周期の関与


 女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)は、”月経周期”でその分泌量は大きく変わります。


 特にエストロゲン(卵胞ホルモン)が減ると、それに伴って神経伝達物質である脳内セロトニンも急激に減ります。その時に頭の中の血管が拡張することで片頭痛が起こると考えられています。このエストロゲンが減少するのが排卵日や生理の初日前後です。
 つまり排卵日や生理の初日前後にはエストロゲンが減少するためにセロトニンも減少→頭の中の血管が拡張して片頭痛が起こりやすいということです。


 また月経前に血中マグネシウムを骨や筋肉へと移行させるため、生理時には、脳内のマグネシウムレベルが低下してきます。マグネシウム不足はミトコンドリアの機能を悪化させ、片頭痛を増悪させてきます。


 女性は月経の出血により鉄分が少しずつ失われていくことで鉄欠乏性貧血になる人が多く、20代、30代、40代と年齢が高くなるにつれて貧血の人が増える傾向にあります。40代になると女性の約3割が貧血になっています。
 体内で鉄が減少すると、貯蔵鉄であるフェリチンが使われ減っていきます。フェリチンが不足すると血液中の鉄分も徐々に不足し、最後にヘモグロビンが減少し貧血が起こります。
 貯蔵鉄のフェリチン、理想値は100~300 で、男性の99.9%はフェリチン100以上です。 50歳以上の女性の80%はフェリチン100以上です。
 しかし、15~50歳女性の80%はフェリチン30以下の鉄不足で、40%はフェリチン10以下の深刻な鉄不足です。
 鉄欠乏性貧血にまで至らない鉄欠乏状態である方々は成人女性の約40%存在します。鉄不足ですと電子伝達系の機能が低下し、十分なATPが産生できません。


 このように、鉄不足はTCAサイクルや電子伝達系での反応が進みにくいため、エネルギー不足で疲れやすい、強い冷え症などの症状が発現し、また脂肪が燃えにくくなります。
  このように、鉄分の不足は、ミトコンドリアのエネルギー代謝がスムーズに行かなくなるため、片頭痛を引き起こしやすくなってきます。


カフェインの過剰摂取の問題・・コーヒーの飲み過ぎ


 カフェインには鉄分や亜鉛などミネラルの吸収を阻害する性質があります。
 

 カフェインは鉄分の吸収を阻害しますので、貧血気味の女性、貧血の人は、せっかく他で鉄分を補ってもカフェインのせいで鉄分吸収がうまく行われないことがあります。
 その他にも体から亜鉛、カリウム、カルシウムなどのミネラル、ビタミンCやB群を奪うことが知られており、このためエネルギー代謝を始め、多くの代謝に支障がでます。
 またカフェインの過剰摂取(1日300mg以上)はホルモンバランスを崩しますので、こちらも様々な影響を及ぼします。
 コーラ類や紅茶にはインスタント・コーヒーと同じくらいカフェインが含まれていますし、緑茶、ココア、チョコレートなどにも含まれます。市販薬に多量のカフェインが含まれている場合もあります。
 このために知らず知らずのうちに、自分が思っている以上にカフェインを摂ってしまう状況があります。カフェインは有効な部分ももちろんあるのですが、摂りすぎには注意した方がいい成分、ということです。
 そのいい例が、カフェインは頭痛を抑える働きがあるのですが、飲みすぎると逆に頭痛を引き起こす、という作用です。
 鎮痛薬にはかなり大量のカフェインが入っていますので、急激に血管が収縮する代わりに効き目が切れたときには急激に拡張し、その反動でまた痛くなります。痛くなれば薬を飲む、一瞬は良くなっても、また反動で痛くなる、また飲む、と、これも悪循環です。
 うまく摂り入ればいいのですが、過剰になると毒となります。注意したいものです。
 このように知らず知らずのうちに「カフェインの過剰摂取」になっています。


5.腸内環境の悪化


 腸内環境を悪化させる最大の原因は便秘です。便秘などで排泄物がたまると食べ物に含まる添加物などの影響で、腸内の腐敗が進みます。これが大腸の粘膜に接し続けるとがんなど様々な病気の原因になるといわれています。


女性は便秘が多い


 ある健康食品メーカーの統計によれば女性の5割近くが便秘で悩まされているようです。女性はどうしても慢性の便秘に陥りやすいといわれています。ある統計によると女性の2人に1人が便秘であるともいわれており、軽い便秘も含めると非常に多くの女性が便秘の症状に悩まされているということが報告されています。
 実は女性の便秘は、食生活や生活習慣だけが原因ではないのです。


 なぜ、女性の方が便秘になりやすいのでしょうか?


ホルモンの影響


 生理前になると毎回便秘になるという方は、少なくないでしょう。
 これは女性ホルモンの一種「黄体ホルモン」の影響です。
 黄体ホルモンは腸の蠕動(ぜんどう)を弱める性質があるため、これが多く分泌される生理前は便秘になる方が増えます。
 また、黄体ホルモンには体に水を溜め込みやすくする働きもあるのです。
 その為、生理前は体が重く感じられて動くのがおっくうという方も多いでしょう。
 運動不足も便秘になる一因です。
 このように排卵後に分泌される女性ホルモンの「プロジェステロン」が原因によるものです。「プロジェステロン」は水分や塩分を溜め込む作用があり、便秘になりやすくなります。また、食欲も旺盛になります。甘いものが食べたくなるので、バランスのよい食事とはいえない内容になってしまうことが多いのです。
 生理直前や生理になると、プロジェステロンの分泌がなくなり、かわりに「プロスタグランディン」というホルモン様物質(ホルモンに似た働きをする物質)が分泌されます。 この物質は腸を収縮させる作用があり、便秘になりやすくなります。


筋力の低下
 

 男性に比べると女性は筋力が弱いです。
 特に腹筋が弱いと腸が重力に押されて下方へ下がり、便秘になりやすくなります。


ダイエット


 女性で「ダイエットをしたことがない」という方は少ないでしょう。
 特に若い女性の中には、短期間で体重を落とそうと厳しい食事制限をする方も多いです。
 日本人の便は大体7~8割が水分です。残りの1~2割くらいが腸内細菌の死骸、食べ物の残りかすが1割強、残りは脂肪やその他のものという構成になっています。
 ダイエットすると、そもそも便のかさが減って便秘になりやすくなります。水分が不足すると、便が硬くなって便が移動しずらくなりますし、あまりに脂肪分を控え過ぎると、便のすべりが悪くなるということも起こり得ます。


便意を我慢しがち


 女性は男性に比べると、外聞を気にしてトイレに行きにくい人が多いようです。特に外出中や人と会っている間はトイレに行けない、という方もいるでしょう。便意は我慢していると、そのうち感じなくなることも多いです。
 しかし便意を我慢し続けていると、そのうちに腸の蠕動までよわまってしまうでしょう。
 そうなれば、便秘になってしまいます。


 その他、構造的な理由としては女性は骨盤が広くなっています。骨盤は腸の近くにありますが骨盤に腸が下がってしまうこともあり、腸の形が不安定になって蠕動運動を起こしにくくなるというのも女性ならではの便秘の原因です


6.ミトコンドリアの関与
 

 片頭痛の場合、生まれつき「ミトコンドリア働きの悪さ」という遺伝素因が存在し、これにはミトコンドリアDNAが関与し、このミトコンドリアDNAによって先祖代々母方から受け継がれていきます。 
 母と娘の間で片頭痛が遺伝しやすいのは、ミトコンドリアDNAが関与しています。遺伝にDNAが関係することは誰もが知っていることですが、細胞内のDNAとは別に、ミトコンドリアは独自のDNAを持っており、この”ミトコンドリアDNA”が片頭痛の遺伝に関係しています。
 ヒトの精子には16個程度のミトコンドリアが存在します。一方の卵子は10万個といわれています。そして、精子に含まれるミトコンドリアは受精後にすべて死滅してしまいます。父性よりも母性のほうが強いということです。
 ということは、ミトコンドリアのDNAに関していえば、卵子に含まれるものだけが子どもへと受け継がれます。つまり100%の母性遺伝です。もし母親のミトコンドリアの代謝活性(元気さ)が低ければその影響を当然受けやすくなります。
 さらに、男性に比べて女性のほうが脳内セロトニンの合成量がもともと少ないわけですから、片頭痛の症状が発生しやすいのです。母から娘へと片頭痛が遺伝してしまうのには、こういう理由があったのです。
 このように、私達の体を構成する細胞のDNAは両親の遺伝子を受け継ぐのですが、その細胞内に存在するミトコンドリアのDNAは母親の遺伝子だけが引き継がれていくことになります(100%の母性遺伝)。


 そのため、母親のミトコンドリアの数が少なく活性が低くければ、その子にはその性質が引き継がれ易くなります。また、男性に比べ女性の脳内セロトニン合成能力はもともと少ないことなどの理由から、母娘や姉妹の女性に片頭痛持ちであることが多くなります。男性のミトコンドリア活性がその子に引き継がれていくことはありません。
 ミトコンドリアの活性が低くなると、細胞が活動するために必要なエネルギー発生量も少なくなります。その結果、器官や組織を構成する個々の細胞のエネルギーの不足が直接的に器官の機能低下を引き起こすことになります。
 

  以上のようにミトコンドリアDNAが先祖代々母方から継承されてくることになります。
 こうしたことから、片頭痛は女性に多く出現してきます。
 このミトコンドリアDNAに環境因子が加わって片頭痛を発症させます。


7.食事生活・・女性特有の嗜好


1.脂肪分の摂りすぎ


 あまり自覚がない女性も多いですが、女性は脂肪分が多いものが好きなのです。たとえばケーキです。これにはたくさんの脂肪分が含まれているので、1個食べただけでも相当な脂肪分を体に入れることになります。このほか日常的に食べるものでも脂肪分が多いのが菓子パンやサンドウィッチなどのパン類です。
 菓子パンにもサンドウィッチにも油が多い食品が使われているので脂肪分がとても多いので、しかも、こういいった食事に含まれている脂肪は質が悪いです。
 良質な脂肪としては、魚に含まれる油やアーモンドに含まれる脂分が有名です。
 これらの良質な脂肪は体にも必要なものなので適量を食べるのが望ましいですが、市販のケーキやサンドウィッチ・菓子パン等に含まれる脂肪分はたいていが天然の脂肪分ではなく合成された質の悪い脂肪分なので、体に必要な脂肪分とはとても言えない成分になります。
 ですから、市販のパン類全般を常食し、間食はケーキのようなクリーム系の脂肪分が多い食事が多い現代女性の食事中の脂肪分は過剰になっています。


 といっても脂肪分も多く食べても、体の中できちんと消費されるか、食物繊維が絡め取って便と一緒に体外へ出れば問題ありません。でも、パン類中心の食事はサラダを食べていたとしても食物繊維が圧倒的に少ないので体外に出す量も少なく、実際は過剰になってす。中性脂肪としてたまってしまっているのが現状です。


 「ホメオスターシスの三角形」の一角に”内分泌系”があり、全身のさまざまな生理機能を調節するものには、「ホルモン」がありますが、特定の内分泌腺でつくられ、全身を支配しているのに対して、生理活性物質、局所ホルモン(エイコサノイド)がこれとは別にあります。こうした調節物質を、ここではまとめて「プロスタグランジン」と呼ぶことにしますが、プロスタグランジンは個々の細胞でつくられ、細胞レベルでの調節を行っています。(そのため局所ホルモンと呼ばれています)しかし、その働きはきわめて重要で、身体全体の機能に関係していると言ってもよいほどです。


  生理活性物質(エイコサノイド)プロスタグランジンは、必須脂肪酸であるオメガ3とオメガ6という脂肪酸からつくられます。


2.乳・乳製品の摂りすぎ


 トリプトファンが脳内へ通る場所(血液脳関門)に問題があって、血液脳関門はほかの必須アミノ酸も通っていく場所でもあるのです。この必須アミノ酸というのは、「フェニルアラニン」とか「口イシン」というものですが、食品によってはトリプトファンよりもこれらの必須アミノ酸のほうが多く含まれるものがあります。これらの必須アミノ酸がトリプトファンの邪魔をするため、トリプトファンが通過しづらくなってしいます。その代表的な食べものが、肉類や乳・乳製品なのです。……。
  必須アミノ酸の中でもバリン、ロイシン、イソロシンは総称してBCAAと呼ばれる持久系のアミノ酸で、まぐろの赤身、肉や卵などの食品に含まれているほか、最高の栄養といわれる母乳にも含まれています。
 このようにBCAAが多い環境ではトリプトファンの脳への取り込みが阻害され、脳内セロトニンがあまり増えないことがありますので注意が必要です。
  牛乳、鶏卵、マグロ、牛肉の摂りすぎは逆に「脳内セロトニン」不足を招くことに繋がりますので、注意が必要です。


 ”小麦、乳・乳製品、肉食に偏った食事”をとり続け、“運動不足”が重なれば「脳内セロトニンの低下」につながります。
  女性では「乳・乳製品」(ケーキ含む!)を好むことから、とり過ぎがあると思います。パンやパスタ、ピザなどの小麦製品、牛乳や乳製品中心の食事ばかりでは、いつまで経っても脳内セロトニンは増えることはありません。
 これらにホルモン剤(エストロゲン様環境ホルモン)が含まれている可能性があります。


3.お菓子などの甘いものの摂りすぎ


 まず、甘いものや小麦を食べると血糖値が急上昇し、それを抑えるためにインシュリンが分泌され、今度は血糖値が大幅に下がります。すると、今度は血糖値を上げるために副腎からアドレナリンが放出されます。人体には低血糖に対し数段階の回避システムが用意されています。
 血糖値が約65-70mg/dLに低下すると、 血糖値を上げるホルモンであるグルカゴン、アドレナリンが大量に放出され始めます。
 血糖値が約60-65mg/dLに低下すると、 三番目の血糖値を上げるホルモン、成長ホルモンが放出されます。
 最後に血糖値が60mg/dLをきるようになると、 最後の血糖値を上げるホルモン、コルチゾールの分泌が亢進します。
 血糖値を上げるために分泌されるホルモンの順番は、①グルカゴン、アドレナリン②成長ホルモン③コルチゾール です。
 血糖値を上げるためのアドレナリンは、他にも心臓のポンプ機能を速めたり、筋肉を活性化させたりします。アドレナリンは闘争反応、逃避反応を刺激します。
 すると、マグネシウムはアドレナリンによって緊張状態になった筋肉や臓器を弛緩させるために消費されます。
 このため、アドレナリン由来のこういった機能亢進にはすべてマグネシウムが必要になり、消費されます。
「ストレス⇒アドレナリン放出⇒マグネシウム消費」という流れがあるわけです。


 このように、お菓子などの甘いものを食べると、甘いものには非常に消化吸収の早い糖質である「砂糖」が多く含まれていますから血糖値が急激に上昇してしまいます。その急上昇に対応するため多くのインスリンが分泌され、マグネシウム不足がもたらされることになります。
 マグネシウム不足は片頭痛を増悪させる元凶になります。

  欧米型の食事に偏り、肉や脂肪・砂糖などを大量に摂取すると、間違いなく腸内環境は悪化します。


 トランス脂肪酸をとることと、植物油の主成分であるリノール酸のとり過ぎが、片頭痛やさまざまな生活習慣病を発症させる原因となる「酸化ストレス・炎症体質」の最大の誘発因子となっています。ですから、悪い植物油を料理などに極力使用しないこと、こうした植物油を使って作られた加工食品を極力とらないことが大切です。
 マーガリンやショートニングを使用している市販のケーキやクッキー、お菓子類なども極力とらないようにすることが、「酸化ストレス・炎症体質」に至らないためには大事です。


 以上のように、女性の場合は・・


1.「体の歪み(ストレートネック)」の頻度が多い
2.マグネシウム低下・・生理、ストレス(ミトコンドリアに関与)
3.脳内セロトニン低下を引き起こしやすい・・ストレス、生理
4.生理活性物質のアンバランス・・脂肪の摂取の仕方の問題
5.腸内環境を悪化・・肉や脂肪・砂糖などを大量に摂取・便秘
6.ホメオスターシスを乱す要因・・ストレスの関与


 このように、慢性頭痛を引き起こす要因すべてを常に抱えていることから、慢性頭痛が多いということです。そして、緊張型頭痛から片頭痛へと移行していくことになります。


 女性の場合、初潮を迎える頃に片頭痛を発症し、この頃は発作の頻度は少ないのですが、社会人となり、仕事が事務職のことが多く、前屈みの姿勢を強いられることから「体の歪み(ストレートネック)」を増強させてきます。 さらに、結婚を境に、出産・育児を経験することにより睡眠時間が制限され、ミトコンドリアの機能を悪化させることになります。


 35歳を過ぎれば、家族・夫婦間および職場でのストレスに晒されることが多くなり、脳内セロトニンの低下、マグネシウム不足を引き起こしてきます。
 そして、更年期を迎えることになり、エストロゲンが減少するため、さらに増悪してきます。さらにコエンザイムQが低下し、ミトコンドリアの機能が低下してきます。
 このように、年々、片頭痛が増悪してくることは目に見えています。このような経過をとってくることは発症当初から予測できるはずです。


 こうしたことから、日々の生活習慣の改善が必要になってきます。
 このため、こうしたことを念頭に置いて、片頭痛を発症した段階から対処しなくてはなりません。
 ということは、”結婚する以前の段階”までには改善させておく必要があります。
 早くから対処すべきで、遅れれば、遅れるだけ”ややこしくなり、改善させるまでに長期間を必要とすることを覚悟しなくてはなりません。
 専門家は、決して、このような指導をされることはありません。しかし、上記のような紋切り型の経過を辿ってきた事実を全く、意識されることはなく、年々、片頭痛が増悪するに任せ、あたかも片頭痛を熟成でもさせているかの如き印象があります。これが専門家の行ってきたことです。これが、どなたに有益なものかを考えなくてはなりません。


 これまで、女性の片頭痛は生理に関連したものであり、生理は女性たる証であり、これをなくすことができないため、女性の片頭痛そのものは治らないとされていましたが、kaoluneさんは「kaolune のSweet Days 」のなかで、以下のように述べていることを私達は忘れてはなりません。


 kaoluneの申されるには、「私も生理痛があった若かりし頃、片頭痛にも大変悩まされており、まさにその仕組みを知って食や生活習慣を変えてからはどちらもなくなりました。お薬を飲むのは簡単ですが、いろんな角度から自分を振り返り、変えられることから変えてみて、再発しなくなるのが一番だと思っております。」


 ここが最も大切なことであり、片頭痛はミトコンドリアの機能の低下による頭痛です。 これまでも、以下の記事で述べてきたことですが、話の繋がりから再度述べました。


   なぜ、女性に片頭痛が多いのでしょうか? その1
    
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12259180196.html

   なぜ、女性に片頭痛が多いのでしょうか? その2
    
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12259187495.html

   なぜ、女性に片頭痛が多いのでしょうか? その3
     
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12259193318.html

   なぜ、女性に片頭痛が多いのでしょうか? その4
     
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12259205306.html

   なぜ、女性に片頭痛が多いのでしょうか? その5
     
http://ameblo.jp/yoyamono/entry-12259213475.html