「片頭痛はなぜ治らない」??? 改めて | 頭痛 あれこれ

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

  昨年末、某出版社の創立20周年記念として、”出版費用¥0 キャンペーン”に「これでよいのか 片頭痛医療」の原稿を応募しておりました。
 しかし、日本頭痛学会への批判を問題にされ、特定対象への批判、憶測による言及は避けるべきであり、現状のような書き方だと名誉棄損と受け取られかねない、との理由で却下されました。このように”公序良俗に反する”ものと判断されたようでした。
 現在の頭痛診療は、日本のみならず全世界は、片頭痛を中心としたものです。そして、トリプタン製剤が、片頭痛の特効薬とされています。このように片頭痛の特効薬とされているにも関わらず、片頭痛発作時に毎回、トリプタン製剤を服用していても、発作は幾度も・幾度も繰り返して起きてくることは、私が申すまでもないことです。

 さらに、一部の方々は、慢性片頭痛という難治性の極めて対処困難な状態に至っている方もおられ、果たして、トリプタン製剤が「片頭痛の特効薬」なのかどうか、疑問視される方々も多いのではないでしようか。
 私は、頭痛専門医ではありませんが、和歌山県下の紀南地区という頭痛専門医不在の医療環境のなかで、一般開業医として、頭痛医療の最底辺に身を置いて、永年、頭痛医療に携わって参りました。
 このような臨床経験に基づいて、前回、「これでよいのか 片頭痛医療 一開業医からの提言」として応募させて戴きましたが、この真意を受け止めて戴けませんでした。
 そこで、改めて、「片頭痛はなぜ治らない」と改題して、本年はじめ、応募させて戴きました。

 今回の目的は、ダイレクトになぜ、「片頭痛がなぜ治らないのか」ということです。
 これを理解するためには、頭痛医療だけでなく、日本の医療そのものがアメリカ流の西洋医学に基づいて行われていることを認識することです。ここまで掘り下げて語らなくては、到底理解できないことになります。
 そして、日本にトリプタン製剤が導入されて以来、頭痛医療は格段の進歩を遂げたと専門家は、自画自賛されますが、頭痛診療の最底辺に身を置く一般開業医として、これが果たして「頭痛医療の進歩」なのかどうか甚だ疑問を持っております。私は、何ら進歩しておらず、これまで片頭痛治療の世界にはエルゴタミン製剤があり、ここにトリプタン製剤が加わったに過ぎず、頭痛研究の場面では、なにも進展していないと思っております。
 さらに、日本に片頭痛治療の世界にトリプタン製剤が導入されて16年間経過しました。 トリプタン製剤が導入されるまでには、日本全国の医療機関で”治験”が行われ、導入後には”市販後調査”が行われてきたはずです。こうした”市販後調査”が行われているにも関わらず、片頭痛医療の現場で何が起きているのかが、こうした”市販後調査”では明確に反映されることはありません。そうなれば、こうした”市販後調査”そのものが、結局何なのか、といった疑問を持たざるを得なくなります。
 このようなことは別として、トリプタン製剤が導入されて16年間経過した段階で、いろいろな問題点が浮上してきているはずです。ところが、こうした問題点・疑問点を解決させるために、専門家は諸々の”珍説”を提示されます。例えば、片頭痛は慢性頭痛(一次性頭痛)という「脳のなかに異常のない頭痛」と定義されながら、「頭痛そのものが脳の病気」とか、「片頭痛発生器」なるものの存在を想定することによって、”中枢性疾患”とまで、基本的な定義すら覆しています。
 少なくとも、これまで専門家の論理から、これまでの過去16年間のトリプタン製剤による治療成績をすべて”総括”することによって、専門家の「論理の真偽」を再検討する時期にあるはずです。にも関わらず、専門家は”自己批判”(反省)をすることはありません。
 こうしたことから、専門家が”自己批判”(反省)されない以上は、一般開業医の眼から、専門家の論点の”可笑しさ・まずさ”を指摘する必要があります。これ程までに、専門家とは偉い”雲上人”なのでしょうか? ”自己批判”もなく、今後の進展はあり得ない話であり、いつまでも堂々巡りをするばかりで、益々”支離滅裂”になっていくばかりでしかありません。
 このため、日本の医療そのものが、アメリカ流の西洋医学に基本的に基づいて行われていることから、それでは「アメリカ流の西洋医学」とはどのようなものなのかを知ることが極めて重要になってきます。これを理解するためには、昨年このブログでもご紹介しましたロバート・メンデルソン著の「こうして医者は嘘をつく」がまさに打って付けのものと思われます。これを基にして、現在の頭痛医療と照らし合わせれば、よく理解できることになります。ロバート・メンデルソン著の「こうして医者は嘘をつく」を忠実に表現させるために、この書籍を引用しながら説明することにしました。
 このようにすることによって、「片頭痛がなぜ治らない」のかが、よく理解されることになります。
 これを基にして、「片頭痛を治す」ためには、どのように考えるべきかが理解できることになります。このように、頭痛研究の方向性が決定されるべきです。
 

 このように考えれば、現在の日本の頭痛医療は、ただ日本だけに限られたことではありません。全世界の頭痛研究者の共通した考え方です。日本の専門家は、このような世界の頭痛研究者の考え方にただ追随しているだけのことであり、こうしたことを考える限りは、特定の対象(日本頭痛学会)を批判したということにはならないはずです。全世界の頭痛研究者を相手にしていることであり、日本の学会といったチャッチイものを批判している訳ではないことは容易に理解されるはずです。

 このことは、臨床頭痛学だけでなく、医学全般の「医学概論」にも通じることです。
 さらに前回は「憶測による言及」とされましたが、これまでの歴史的な事実を明確にして述べ、憶測で述べたことは一切ありません。
 こうしたことは、臨床頭痛学を行ってきた人間には共通して直視してきた歴史的な事実です。このような確たる史実を基にして述べました。
 このように、これまでの世界の頭痛研究とくにアメリカ流の西洋医学の考え方、および日本の頭痛の専門家の考え方を歴史的な史実に基づいて明らかにしました。


 ところが、前回応募した際には、原稿を受け取ったとのメールを頂けたにもかかわらず、今回は、原稿を受け取ったとの連絡すらありません。
 ということは、原稿を読むことなく、直ちに”没”になったようです。


 やはり、今回も”公序良俗に反する書籍”と考えられたようです。
 このように、製薬メーカーおよび医師の利益にならない”作品”は問答無用で排斥される運命にあるようです。これが、出版社のあり方・本質と考えなくてはならないようです。

 ということは応募した出版社を間違えたようです。このように”事なかれ主義”の出版社がいかに多いのかが明らかにされます。

 医療ジャーナリストの船瀬俊介さんが利用される出版社にすべきであったと反省することしきりです。残念無念でした。 

 このようにして、今回の「片頭痛はなぜ治らない」は水泡に帰してしまいました。
 年末・年始の休暇を返上して、せっかく作成したものであり、このまま”没”にしてしまうのが残念でなりませんので、これにさらに加筆し、挿絵を挿入し、当ブログに公開することに致しました。これに伴って、これまでの「片頭痛治療のてびき」も改編致しました。


          片頭痛はなぜ治らない
          
http://taku1902.jp/sub516.pdf

 
           片頭痛治療のてびき
              
http://taku1902.jp/sub510.pdf

  

 以上をご覧戴き、読者の方々に、ご批判を仰ぐしかないようです。

 

   本書をご覧戴くにあたっては、私がロバート・メンデルソン著の「こうして医者は嘘をつく」を適当に改変していると思われるかもしれませんので、是非とも原著でご覧頂ければと思っております。これは昨年11月に三五館から出版されています。