人を傷つけるやさしさは
ほんとうに他者のためのやさしさではなく
自分のためのやさしさ。
自分がやさしい人間でありたい。
やさしい人間に思われたい。
そして何より
やさしさを出すことで、自分になんらかの攻撃が向けられるのをあらかじめ回避するため。
同情によるやさしさも
時には、純粋なもののように見える場合があっても
単に自分の感情におぼれているのに過ぎない。
そうしたやさしさは
どれもが自分のための自分勝手なやさしさ。
お互いに、けん制しあってそれを演じあっているときはいい。
でも、人が本当に傷ついているときには
そうしたやさしさは何の益もないどころか毒になる。