10年以上前に初めて訪れ、その後ブランクはあったものの何度行っても新しい発見と感動を与えてくれる。いつも日本の四季の移り変わりを表現した料理の数々に鼻息をもらしながらいただく。
柚子入りのスパークリングカクテル(ノンアルコール)で乾杯して喉を潤したところに、最初の一口。熱々のパイに生ハム、あいだにはチーズが。毎回のことながら一口目から悶絶。
手前は炙ったホタテと食感を残したカリフラワー、奥はビーツと蟹。口に入れた瞬間、静寂が訪れた。一口の中に全ての食感が混じり合っている。
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たった今瞬間燻製されたばかりのキングサーモン
燻製具合が絶妙。
ムール貝のスープ、サフラン入りで身体が温まった。
貝の美味しさが凝縮されている

 

 

蝦夷鹿のロースト、きのこ添え
噛みしめるほどぐっとくるお肉の旨味

 

ただものもではない葡萄のシャーベット
ぶどうのシャーベットの下にはぶどうのムースが隠れていた。
 
おいしいコーヒーとプチフールで余韻に浸る。一口モンブランは甘くなくて、どこそこの秋限定栗の和菓子より数倍美味しい。
 
シェフのお人柄センス食材への愛情が体現されたお料理に今回も感嘆の吐息。ここに来ると毎回、中途半端な外食はやめて毎日家でお味噌汁を飲んで外食はボヌールさんだけに来ようと思う。
 
予約は必須
今回の写真は10月に行ったときのもの

レストラン ル ボヌール 渋谷区富ヶ谷 
最寄駅は代々木公園、代々木八幡
 
今月、北京で知り合った外国人の友人が立て続けに東京に遊びに来て東京を一緒に観光した。
 
まずは北京から来たポーランドの友人。
彼女はアフリカの国のほとんどにそれぞれ一か月単位で滞在するというような旅をする人で、初めての日本の旅は宮崎から始めることにしたそう。

なぜなら宮崎は特に何があるというわけではないところだから、という旅の上級者らしい選び方。

宮崎、山口、広島、大阪、京都、長野の木曽村そして最後の三日間、リュックひとつで東京へやってきた。

ホテルはSFの世界みたいだから、と大手町のカプセルホテルに宿泊していたそう。

まずは原宿で待ち合わせ、明治神宮を散策した。
彼女と一緒に見ると、日本の色々なものが新鮮に見えた。
日本ってあらゆるところに水があるよね、
そして北京から来たから余計にそう感じるのか、日本人って笑いかけてくれて嬉しい、と言っていたのが印象的。
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10日間くらい日本を旅し日本食にうんざりしているかと思い、ランチはイタリアンや美味しいサンドイッチなど提案してみたけれど、絶対日本食がいい、ということで北参道の天ぷら屋 「松林へ。https://tabelog.com/tokyo/A1306/A130601/13044681/


店内は大御所芸能人のサインと手書きのメニューなどで埋め尽くされている。

ポーランドの有名なピアニストの写真もあった。

天ぷら定食A、B、Cのうち真ん中のB1300円を注文。一人でお店を切り盛りしている店主が、「メニューには海老2、魚類1、野菜3と書いてありますが、うちは野菜いっぱい出ますのでおなか一杯になったら止めてくださいね、いっぱい揚げますのでね」と言われ期待が高まる。

きちんと作られた小鉢のお野菜を食べながら待つと、ピーマンは種まで食べてください、などコメントつきでどんどん出てくる。キャベツや白菜まで。友人は天ぷらを日本で食べるのは初めてで、大層気に入ったようで特にシソに感激していた。
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お店が小さくてごちゃっとしていている感じが外国人には日本を感じられてよいのかもしれない。
豪華な感じが好きな中国人には向かないが欧米人には受けがよさそう。
 
その後やって来たのは、北京で同じマンションだった台湾人の友人。日本には何度も来たことがあり、観光名所はだいたい行ったことがあるという。

お天気のいい日だったので、日本のデパ地下の美しいサラダを買ってピクニックしたい、とのことで、サラダや天むすなどなど少しずつ買ってから代々木公園へ行きピクニックした。
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日本のデパ地下はたしかに素晴らしい。りっぱな観光名所。
 
ピクニックの後お茶しようということになり、
前の日に会った時にカフェではなく昭和の雰囲気漂う喫茶店に行ったらその居心地のよさをとても気に入り、是非今日も「复古的珈琲店」に行きたいというので調べると、原宿竹下通りのど真ん中にレピドールという喫茶店があるのを見つけ行っみた。https://tabelog.com/tokyo/A1306/A130601/13051448/

竹下通りの喧騒とは別世界の大人の空間。

友人は60過ぎなのでこういう喫茶店が落ち着くよう。私もそうだ。

 

注文したカプチーノはこのお店のオリジナルで、
生クリームとシナモンが入っているのだが、これをとても気に入り、シナモンスティックも持ち帰り、次回東京に来たときもこれを飲みに来る、と言っていた。
 
この喫茶店の話し好きな店主夫妻は台湾にも中国にも何度も旅行したことがあり、お話していて楽しかった。竹下通りは全く縁のない場所だが、また海外から友人が東京に来たら行きたい。
五反田駅から五分ほど歩いたところにある魚料理とワインが自慢のイタリアン、デルペッシェ。パスタランチは前菜、パスタ、パン、ドリンクで1000円(税込み)~で、パスタによって値段が違うのだが、三種類選べるパスタのうちの全てが美味しそうで選ぶのに困る。
まずは野菜の前菜。揚げたお芋、レンコン、マリネしたピーマン、軽く蒸された(または茹でられた)人参、そのままのきゅうり、大豆のトマト煮など手が加わった野菜が見た目も可愛く集合している。
パスタランチにつくサラダといえばたいていサニーレタス、プチトマト、缶詰とうもろこしに市販のドレッシングがかかっているというような、野菜を食べた感じはしないものがほとんどでこういう中身のつまったものは珍しい。

 

パスタはベビーホタテとたっぷり野菜のアンチョビソース。パスタは生パスタなので、出てくるのも早い。外食でこれだけ野菜を食べられるのは嬉しい。食後の紅茶も丁寧に淹れられた感じで大満足。これで千円とはすばらしい。
店内は満席でとても忙しそうだったが、店員さんたちに殺伐とした感じがなく、なんとなく感じがよかったのも好感度大。サラダにつくパンは忘れられていたが、それも気にならないほどに。そもそもパスタランチにつくパンはなくてもいい年頃になってきた。ここはまた行きたいお店のひとつ。
 
 
 

 

 

宇和島の鯛めしを食べられる「鯛樹」へ。
11時40分に行くとほぼ満席で数席空いていたカウンターにぎりぎり座れた。
 
メニューは宇和島定食のみ(1500円税込)
切りたての鯛のお刺身をおだしに生卵が入ったものにつけていただく。
鯛はいい歯ごたえ、お出汁も味が濃くなく絶妙。隣の人が一口目はお醤油で食べているのを見て真似をした。
 
炊き合わせは目の前で大きなお鍋で炊かれていた。素揚げのナスは直前に揚げ、崩れやすいお豆腐は別に温めてあって出す前に手際よく盛られている。丁寧に出汁をとられた五臓六腑に染み渡る美味しさ。つみれもちょうどいい具合に炊かれた大根もいい味で全てが主役のよう。
 
真ん中の小皿にはさっと炙ったさつま揚げにしょうがを添えたもの、しらす、たたきごぼう。
お味噌汁も美味しいし、大満足なお昼ごはん。
メニューが一種類なだけに完成度がものすごく高い。
店主らしき板前さんは忙しく料理しながらもお客さんの出入りの様子にも目を配っていた。
心ある人が作るものはやはり美味しい。
いいお店に出合えて嬉しい。
 
鯛樹

 

 

よしもとばななさんのブログやエッセイでよく登場する台湾料理「茶春」。

田園調布駅から歩いて5分くらいのところ。

おいしいお店は看板とそのたたずまいに出ている。

性格のよさがにじみ出た字体で書かれた

「台湾の甘もちあります(あずき入り)」の貼り紙がまたいい。

ランチはメインのおかず+おこわかビーフンが選べる。
酔っ払い鶏やピータン、レバーの醤油煮などもあった。
私は餃子とビーフン。友人は餃子とおこわ。
セットで1000円
両方主食ですね、と言われそうだが両方好きなので。
餃子もスープも丁寧に作られた優しい味
優しい味だがぼけた味ではなくキリリとしている。
おこわはこれで一人前。
しみわたる美味しさ
このあとビーフンが来たが写真は忘れた。
こちらもすごい量で美味美味
 
ああ美味しかったです、とおばちゃんに伝えると、
「夜もやってるからまた来てね。
最近6時には閉めちゃうんだけど、
昼夜通しでやっているからね」
また行きます。
 
ばななさんによると
ここのおじさんが淹れるコーヒーも絶品らしい。