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一体いつ造られたのか…
そして…何のために?
その目的は誰も知らない…
…
…
人里離れた辺境の地に
朽ち果てるのを待つばかりの、石造りの巨大な建造物が遺されている…
遥か天空を目指すかのように、上へ上へと続く石積みの巨大な塔は、既に所々で崩壊が始まっており、危険な状態にあった
しかし…
人の出入りの少ないこの場所は、大型小型を問わず、モンスター達の格好の住処となっているようだ
もちろんギルドにとって、大事な場所であるが、実際のところ周辺の調査も全て終わっているワケではなく、未だに未知の領域が数多く残されているという話らしい…
そんな天を貫くかのような建物
古塔…
今、古塔の外輪部から大型モンスターであろう威嚇するような呻き声が辺りに発せられていた
時折聞こえる剣戟…
そこでは今まさに、ハンター達による狩猟が行われてた…
…
…
「あっ!」
「そっち狙われてるよ!」
注意を喚起する声を聞き
私は上空から迫る爪を何とか回避して、体勢を立て直す
「ありがと助かった」
「まだよ」
「次が来るわっ!」
…
…
今、私たちが相手にしているモンスター
白銀に輝く鱗を纏う飛竜…
天空の王者の風格漂うその姿…
リオレウス希少種
今、古塔には
希少種の中でも、多才な攻撃を身に付けた強力な個体が住み着いていた
私達はギルドより、特異な個体の狩猟依頼を受け、はるばる古塔まで出向いていた…
…
…
私が銀色の飛竜へと向き直ると、今まで散々撃ち込んできた麻痺弾が再び効果を発揮し、絶妙のタイミングで拘束に成功する
訪れたチャンスを前に、一斉に攻撃を仕掛ける私たち
そして先程まで魂を鼓舞する旋律を奏でていた笛は、今は無骨な鈍器と化し、その強烈な一撃は飛竜の頭蓋を揺らし、そのまま地面へとなぎ倒す
もちろん
このチャンスに私は尻尾を斬り落とさんと斬りかかる!
もがく飛竜の尻尾へ何度も斬りつけ…
ようやく尻尾を切り落とした!
よし、後ひと息だ
そんな風に思った時…
笛を担いだ女性から指示が飛んでくる
「オッケー、閃光お願い!」
指示通り
弱った飛竜の眼前で閃光玉が炸裂した!
…
…
どうやら
今回の狩猟も無事に終わったようだ
コレも気の知れた仲間あってこそか…
私はそんなことを考えていた…