名著と言われる本を読んでみた。多分、何度も読み返しながら、知識やノウハウをものにしていく本なんだろう。

会計士は元来利益計算は得意なのだが、改めて利益がどのように狙って計上されているのかを考えてみるのは大変有用である。
ザ・プロフィット 利益はどのようにして生まれるのか/エイドリアン・J・スライウォツキー
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この本では数多くの、ビジネスで利益を稼ぐモデルを紹介している。師匠と弟子の形式で、架空の大企業のマネジメントへの適用を体感できる。この本で感じたことを備忘までに書き留めておきたい。

・利益を稼ぐには何かしらのモデルに立脚している
・数十通りのモデル・パターンを理解して、実際の企画段階で適用する
・複雑なモデル名がつけられているか、結局のところは、何を目的にして、その結果として利益を最大化するのかということである。
 その目的を適当に区分けして列挙すると、

【拡大系】市場シェア、競争ルール、累積生産量(経験)、顧客密度(ドミナント)、新商品販売の普及度
【ブロック系】ローエンドモデル製品シェア、他社製品への乗り換えコスト、販売後の関連サービス売上、売り手としての力(買い手の力を弱める)
【深耕系】顧客への最善の理解、超大型製品@主要市場の製品化、専門商品@ニッチ市場の製品化、大口顧客とのコネクション
【その他】景気循環耐性、企業家精神、ブランドロイヤリティ

・昔までは市場シェアこそが唯一の利益の方程式といわれていたが、今は多様化している。ただし、市場シェアの重要性は変わらず高いということを、市場シェア軽視主義者は認識すべきなのだろう(ケース次第)。


関連する本としては、イノベーションのジレンマ、コアコンピタンスといった古典が挙げられるだろう。これらの本よりは実践的であり、実務に活用できそうな感じもする。