大日本帝国の終焉:予告編(7) | 郵便学者・内藤陽介のブログ

 大日本帝国の終焉:予告編(7)

 いよいよ、明日から東京・大手町のていぱーく(逓信総合博物館)でサマーペックス が開催されます。


 今回のサマーペックスは、広島の被爆60年ということで、原爆関連の企画展示が充実しているのですが、僕がゲストで出品している作品「大日本帝国の終焉」も広島の原爆関連のブツを2点、展示していますので、今日・明日はそれを一つずつご紹介しましょう。


 今日は、広島の原爆といえば定番の↓の葉書です。


 原爆罹災戻


 この葉書は、被爆直後の8月11日、金沢から爆心地に近い猫屋町宛に差し出されたものですが、そもそも広島市街地がほぼ壊滅してしまったため、宛先に配達することができず、差出人に返送されたものです。かすれていて読みにくいのですが、“罹災戻”の赤い印が惨禍を生々しく伝えています。


 この罹災戻の印の押された郵便物は、単に切手や郵便物のコレクターの世界だけではなく、日本の近現代史の重要な資料ともいうべきものですから、以前から、コレクターの間では非常に人気があるのですが、現存数は10数点といったレベルではないかと思います。


 明日からの サマーペックス では、ここに挙げたものを含め、広島の“罹災戻”の印が押された葉書や郵便物が少なくとも5~6点は出品されています。1通でもめずらしい“罹災戻”を、一度にまとめてご覧いただける機会は、そうそうないと思いますので、是非、お運びいただけると幸いです。


 ところで、昨日の日記にも書きましたが、今朝6:20ごろから約5分間、TOKYO FMの6Senceの電話インタビューに登場しました。話の内容は、メディアとしての切手、資料としての切手ということについて、5分くらいで簡単に説明するというものでしたが、メディアとしての切手についての一般論の話がちょっと長くなってしまい、戦後60年ということからするとバランスが悪かったかもしれません。


 ラジオの電話取材は今年に入ってから2回目ですが、生ということもあって、テレビの収録よりもずっと緊張します。出来るだけゆっくりと話すように心がけたつもりですが、早口ゆえ、聞き取りづらい、あるいはわかりにくいところもあったのでは、と反省しています。なによりも、郵便学者という商売は、基本的に、実物の切手や郵便物を見せてナンボというところがありますので、映像・画像の使えないラジオという媒体に登場するときは、テレビ出演の時と比べてはるかに周到な用意をしておかなければ、と痛感した次第です。


 なにはともあれ、聞いてくださった方がいらっしゃったら、是非、今日の放送についてのご意見・ご感想をお聞かせいただけると幸いです。