学ぶことは多いけれどまずWEB制作の目的から抑える | WEBクリエイターの木

学ぶことは多いけれどまずWEB制作の目的から抑える

ピラミッド


WEBの世界にはとにかくたくさんの知識があって、優先順位をつけてやらないとすべては抑えきれません。そこでWEB制作の全体を整理するためにこんな絵を作ってみました。今日の話はとても個人的な意見です。


WEBができるまでを大きく3つにわけると、「アイデアを考える」「アイデアを形にする」「ものづくりをする」の3つに分けられます。中に詰まっている言葉はその段階に該当する言葉で、この過程を上から通ってWEBサイトという成果物ができるという絵です。


「なぜ作るのか」という目的から始まって、形にする段階、ものづくりをする段階にいくにつれて、いろいろな方法・手段が増えていくため、末広がりの三角形にしています。


たとえば一番下の層のプログラムといえばPHP、JAVA、.NET、Ruby、Perlといろいろと種類があります。デザインを作るときにはDreamWeaver、PhotoShop、Illustrator、FLASHなどなどどれも身に着けるには時間がかかります。


技術の種類はとても多く、移り変わりがとても速いです。そして今見につけた技術も数年経てば自動化できてしまい、廃れるのも速いです。たとえばSEOの知識はGoogleの検索アルゴリズムが変わったり、それに代わる便利な検索方法が出てきたら必要なくなります。


技術は目に見えるから追いかけやすいし、本も溢れ返っていて、自分ができるようになったこともわかりやすいです。けれどそれは目的を実現するための手段です。WEBを作るということ自体も手段のひとつです。一部分に溺れていると大事なことを見失うし、全部学んでいたら時間がいくらあっても足りません。


どんなにがんばって技術を駆使し、素晴らしいサイトを作っても、方向性が間違っていたら役に立ちません。一生懸命作ったサイトが、方向性が間違っているために使われないのはとても空しいことです。


方向性を考えるのは手を動かすよりも面倒な作業です。そのために学ぶ内容もいろいろな分野に共通していてとてもシンプル。なぜ必要なのか。なにが求められているのか。なんの役に立つのか。目的を考えること。


目的がはっきりするとそのために学ばなければいけない手段も絞られるし、モチベーションも高く学べます。

自分の作業がどんな効果があるのか目的がわからず、ただ使われるだけの状態はとても不幸で、仕事のやりがいがわからなくなります。


浅くてもいいからまず全体がどうなのか、そして特に上の層を押さえるのが重要だと思います。

一部分だけ専門的になっても、目的を知っていないと効果的にできないし、どうしても「その技術を使って」ということから考え出してしまう。


以前トヨタ式のセミナーを受けたときに聞いたのですが、一般の会社は人が増えてくると完全に仕事を分業制にして、それぞれ自分の専門だけをやるようにするが、トヨタは小さいことでも最初から最後まで全体の作業をひとりが関わるようにし、人を育てるんだそうです。分業して一部分だけ専門家になると、他の人の働きを批評ばかりしてしまうそうです。


自分でひとつサイトを作って運営してみると、この一連の考えと作業をやることになって全体が見えます。


もし先に学ぶとしたらまずは全体の大枠を学んでから。上の層はその人の性格や生き方が左右する面が強いです。下の層の技術は年齢を重ねて後からでも学べます。もしまだ学生だったり、時間があるならば、今のうちに上の層、考え方の方を学んでおくのがいいと思います。