労働組合について考えた

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 先日民法方面から労働契約を考えたわけですが、そこで出てきたのは、契約自由の原則は事業主と労働者との力の差により修正されている、ということでした。

 本来労働力を受け取り報酬を支払う側(使用者)と労働力を提供し報酬を受け取る側(労働者)は対等であるはずですが、資本や組織で圧倒的に差があり、労動者側が不利になるというのです。

 その力の差を埋めるためには、労働者側も組織化すればいい。これが労働組合です。

 労働者単独で使用者と相対すれば、労働力を買い叩かれるかもしれない。しかし、組織の力で「我々は○円以下では仕事しないぞ!」と取り決めすればいいのです。また、「労働時間は○時間を超えないようにせよ!」といえばいい。

 ここでの労働組合は、あくまでも労働を提供する人の組合であって、ある会社の従業員組織のことではありません。

 使用者と労働者は労働契約の当事者同士であり、立場的に対等である(はずな)わけですから、一方がもう一方に影響を与えてはいけません。
 このため、事業主側が労働組合に便宜供与してはいけないことになっています(不当労働行為;労働組合法第7条)。

 そして、組合と使用者間で取り決めをすることができます。これが労働協約です。労働協約に反する内容の労働契約は無効になりますから、さきの「○円以下では仕事しないぞ!」が担保できるわけです。

 労働組合は、使用者組織の外側にある、というのが日本における組合の法的考え方であると言えましょう。

 しかしながら、日本ではそのほとんどが企業別組合で、組合が従業員の組織となっており、組合の事務所が使用者組織の中にあったりしています。

 理念と現実が違うのです。

 大阪市役所の労働組合(正確に言うと、公営企業の場合は労働組合を結成できるが、地方自治体の場合は「職員団体」)の事務所を市役所から追い出すといって話題になりましたが、法の精神から言うと、組合(この場合厳密には組合ではないですが)の事務所は外にあるべきなのです。

 そのあたりが実にわかりにくく、労働組合の組織率低下の一因となっているのではないかと考えています。


 ・・・・以上のことは、濱口桂一郎氏の本の受け売りでありました。





 この本は法学部の学生向きに書かれたものですが、以上のようなことが実にわかりやすく書かれています。

 関心のある方は読むことをおすすめします。

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