『ビッグデータで変わる社会の姿』小林 啓倫

http://www.youtube.com/watch?v=huHc2s_mUeg


ビッグデータの入門的な内容。
100分は長かったけど…。
内容はわかりやすかったかな。
以下はメモです。
内容はタイトル通り、
・ビッグデータにより世の中がどう変わっているか
ということですね。

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Matthew Fontaine Mauri(1806-1871)
「データの保管・管理・分析は新たな価値を生む」

マスターカード:1日のトランザクションが35億件。
例えば平日に旅行する⇒ビジネスマンの可能性

ビッグデータ活用化の背景

①データの大量化
2015年には8000Extabite(1000Extabiteが地球上の砂浜の砂の数)

②データの多様化
データは機械が自動的に蓄積する時代に。
データをオープンにする文化も生まれつつある

③データ処理の高度化
「hadoop」サーバーに分散して処理を行わせる
クラウド…サーバーを一時的にレンタルし、情報処理を行う

 ⇒誰でも処理できる時代に

ビッグデータの「3つのV」
Volume 量
Velocity 速度
Variety 多様性
⇒ここからValueを生み出す

ツイッター社「10億人のユーザーがいれば、ツイッターは地球の鼓動になる」

ビッグデータの活用事例
・ツイッターのデータを用いて来週流行る風邪やはやる映画、株価を予測する。
・Facebook上の行動から、女性の妊娠を把握する。与信枠を設定する。
・24時間後の位置を予測する。犯罪の発生を予測する。テロ・暴動の発生を予測する

「Informationは21世紀における石油だ」

もうひとつの可能性:データの逆流
拡張現実:ビッグデータで現実に情報を加える。現実そのものを上書きしてしまう
かつて「カーナビ」が現実を変えた…細い道の交通量の変化

「より良い世界をデザインするのではなく、より良いフィードバックが得られる仕組みを創らねばならない」 オーウェン・バーダー
何かと話題の尽きないギリシャへの公的部門関与は避けられない。
もちろん、短期的には政治的合意は困難であろうことから、
先伸ばしの合意が繰り返されるだろう。しかし、それでは
根本的な解決にはならないのである。その理由として、2点の
問題点を挙げる。

①あたかも小学生が海の日に考える「夏休みの宿題計画」のように、
 市場見通しが楽観的すぎる。

 これは毎回そうなのだが、GDP見通しが甘すぎる。プライマリー
 バランス見込みが甘すぎる。そのため、必ず財政赤字見通しは
 下方修正される。結局これの繰り返しだ。

①2国間融資等の金利引き下げも効果はあるものの、限界がある。
 ドラクエ5以降の、はぐれメタルに対する聖水のようだ。
 
 ちょっと例えがわかりにくいと怒られそうだがw、要はそれだけ
 ではメッキにしか過ぎない、ということ。例えばPSI実行直前の
 ギリシャの債務残高見通しはピークでGDP比180%程度。
 PSI後に160%まで低下したんだけど、今は190%になっているん
 だよね。シミュレーションしてみるとわかるのだけど、GDPが
 ミスったりするくらいですぐに上ぶれてしまう。今回の短期的
 措置で何らかの手段が採られたとしても、債務持続性の疑義が
 生じるのは時間の問題、ということ。
 では、OSIの対象となる(債務を減免してあげる)EU側からは
 何が求められるのか。

実損を被ることになるEUは、主権をも奪いかねない、厳しいコン
ディショナリティを付与する。

これは言うまでもないことだよね。何度も追い貸ししてあげて、
でも「やっぱ無理っすわー、返せないっすわー」って言って、
結局借金棒引きまでしてあげるんだから。
そして、ギリシャはそれに従わざるを得ない。だって、従わなか
ったら、EUより全然厳しい「IMF」の傘下に(ユーロ脱退後)入る
わけだから…。


唯一ハードルとなるであろう法的な整理ができれば、あとは時間の
問題。
法的な面でもしかしたらハードルがあるかもしれない。でも、それも
超法規的な方々だから、時間をかければ乗り越えられるのかもしれない。


OSI実施したあとは、ギリシャはもはや「ユーロ圏」の一地方に成り
下がるわけですね。そうすると、最も問題であるギリシャの政治実行力
という懸念が晴れる。EUとしても、より団結力が深まる。膿を出しきれ
ば、今より視界はクリアなのかもね。






「この砲台を203高地に移せ!」
児玉源太郎は乃木希典に命じた。かの有名な、203高地での
戦いである。

乃木希典は旅順攻略に極めて苦戦を強いられていた。
なぜなら、参謀伊地知幸介の「極めて硬直的な」
戦略を採用し続けたからだ。結果として、莫大な数に
登る犠牲者を出してしまっていた。

見るに見かねた児玉は旅順に向かい、乃木から指揮権
を奪い、そして見事旅順攻略の糸口を見つける…
『坂の上の雲』の名シーンと言って反対する者はいない
であろう、203高地戦の場面である。

内部ばかり見ており、結果、硬直的な対応しかできない
乃木軍、一方で、しっかりとやるべきことを行い、
戦勝を重ね奮闘している他軍…どこかで最近も見たような
風景である。

そう、まさに乃木軍とは現在のギリシャを重ねずにはいられ
ないのである。

ギリシャも現在、対外デフォルトまで起こしながらも、
依然として内部対応が遅々として進まない。
また、その内部対応も、敗北の鉄則である戦力の逐次投入を
行った乃木軍とシンクロしてしまう。

2014年には債務残高GDPは190%超えてしまいます…なんて、
まさに情けないの一言だとユーロ圏は思っているんだろうね。
6年もリセッションにありながら、一体何やっているんだ、と。

この水準にまで上昇してしまうと、解消するには極めて
時間がかかるとしか言い様がない。特効薬のハイパーインフレも
使えないのだから、もうどうしようもない。結局、また
デフォルトするのは目に見えているんじゃないだろうか。

今回の構造改革法案・緊縮財政法案が通ったとしても、パッチ
ワークに過ぎないと思う。結局は時間の先延ばし、ということだけ。
再度デフォルトしても、債務残高が果たしてどれだけ減るか…
なかなか悩ましいのではないか。本当に楽観的な見通しを
置いても、なかなか債務残高は減らないのである。そして、その
楽観的な見通しは将来実現しない…つまり、先送り以外の何者でも
ない。

さて、小説上では乃木希典には児玉という力強い見方が助けに
来てくれた。児玉は乃木軍の「多少の犠牲」と引き換えに、勝利
を手にした。もちろん、乃木軍はその場面では児玉に反対している。

今回の児玉役は、さしずめメルケルやショイブレか。乃木希典率いる
「ギリシャ国民」の反対を押しのけてでも、指図をすることができる
のか。

現実は小説より奇なり…さてさて、どうなりますか。