・超有名、超大物、超危険人物、と飲んだ話。
とあるNYのイベントで出演しているあとあるアーティスト、たまたま知り合いが友人で、電話した。
イベント中なのに電話で酔ってるご様子、まぁB系だし普通ではある、
イベント中なのに、今こい!と裏のセキュリティに囲まれたロケバス内に呼ばれ、私まで監禁状態。
ロケバス入る前に強めのボディチェックを2度もされ、自分の倍程体重のある人々に囲まれて絡まれる我々。ゲストパスをもらった。
物凄い美人モデルみたいな女もいる。肝心の友人の友人はメインボーカルなのでまだ来ない。
よくわからない透明な液体を渡される。あきらかにテキーラだ。思い切り飲んだフリをしたが、実は少ししか飲まなかった。
テキーラビン飲みはヤバイ。あきらかにやばそうな雰囲気だ。みんな酔ってる。
この人らどんなテンションだ?と適当に話をあわしているうちに友人の友人がショーの合間に戻ってきた。
明らかに超有名な○○さんだった。
いきなり上を脱ぎ出した。
脱いだからではなく、これは凄い経験をしている、と興奮した。
でも場違い感半端なかった。
少し一緒に飲み、「もう終わるから後でSOHO近くのホテル来い」みたいな話になった。
内心、もう帰りたかったけど、選択肢はなかった。
ホテルにつき、マネージャーみたいなカクテルガール風の美人が出てきて案内された。ロケバスにいた人だ。
広ーいスイートルームだ。夜中にもかかわらず、大量のピザと酒があった。
数名おり、ピザがゴミのように投げられたり地面に落ちていたりする。
酒ゴミもすごい。
明らかに住む世界が違った。自分の好きなノリじゃない。
我々は酒がまぁまぁ強い方だったので、「飲む奴は友達だ」みたいなよくわからない仲間意識が芽生え、時を過ごした。
会話はあまり覚えていないが、人種の話、日本の話、寿司の話、とにかく同じ話を数時間かけて何度もした。
ただの酔っ払いだ。
あの時は何だったんだろう。
いや、なんだったのだろう。
今思い返しても、本当に何だったんだろうとしか思えない。
確実なのはホテルの掃除する人が大変だったことくらいだろう。
人は有名だろうがなんだろうが酒が入ったら無礼講。対等の酔っ払いだ。
加藤義隆