一眼レフカメラで披露宴の写真を撮っていたら
ホワイトバランスがうまくあわなかった、
という質問が
アシスタントからありました。

銀一のシルクグレーカードを使って
マニュアルでホワイトバランスをあわせたのに
撮った写真が青くなってしまう。
しかたがないから
AWB(オートホワイトバランス)で撮った
というお話です。
その結果、写真は少し赤っぽい色になってしまったとか。

披露宴会場やホテルは
タングステンライト(=白熱電球)でひらめき電球
照明されていることが多いのです。

こういう場所では、蛍光灯の冷たい事務的な光よりも
あたたかみのある光が好まれるのでしょう。
カメラのAWBもその点を考慮して
少し赤みが残るような補正をします。

このケースの原因は何だったのでしょうか?
それは、人間の目は自分がいる場所の
光の色に慣れてしまう、ということです。

赤みのあるタングステンライト照明の中に長時間いるとひらめき電球
目が自動でホワイトバランスをとって
赤い光に見えなくなっていきます。
披露宴のテーブルや皿も白く見えてきます。

ところがカメラの液晶画面
蛍光灯に近い白っぽいライトで
中から照明されています。

そうすると、赤い色の光に慣れている目には
白い光は青っぽく見えるのです。

つまり、アシスタントがグレーカードを基準に
マニュアルでホワイトバランスをとったとき
写真は正確な色で写っていたのです。
液晶画面にも正しい色で表示されていたはずです。

ところが、周囲の赤い光に慣れていた目には
液晶画面が青っぽく見えてしまった。
そのため、写真の色がおかしいと思ってしまった
というわけです。

このような場合の対処方法としては
蛍光灯照明の部屋へ移る
液晶画面用のフードをつけて見る
などがありますが
プロカメラマンは
ヒストグラムを読みます。

「笑っていいとも」はどうなったのか?

テレフォンショッキングで次回のお友達を紹介するとき
左側にMacのPC画面が出てきますね。パソコン
あのPC画面はいつも青っぽく見えていませんか?

あの収録会場を照明しているのは
おそらくタングステンライトです。ひらめき電球
スタジオのすべてのカメラは
そのタングステンライトひらめき電球
ホワイトバランスをあわせていると思います。
つまり、スタジオのカメラは
赤っぽい光に目が慣れてしまった状態なのです。

ですから、カメラの液晶画面と同じ光
内側から光っているPCの液晶画面
青く写る(見える)というわけなのです。

吉村隆 Photo Office
仕事で使える!個人指導の写真教室
1回だけでも受講できます!
出張指導クラスもあります。