※2016年5月29日のコラム再アップです

 

個人事業から経営者に移行する時期に来た。

個人で成功する事と、事業で成功する事は違う。

扱うものも違えば、物事も違う。

ながらくそれが何なのか、全くわからないでいたが。

 

事業を経営をすることで

絶対に必要なのは売上げ。

絶対条件、これがないと倒産する。

 

経営するということは

社員なりを雇うことなので、

その人達の給料も払う必要がある。

 

それは利益が出ないと

どうにもならないことなのだ。

 

そういう側面が経営にあるから、

子供の頃から、経営は大変だと聞かされて来た。

今も経営の話しをすると、やめた方がいい、

と言われる事は多々ある。

 

みな、個人経営が楽ですよと。

 

経営者に会っても、結構な人たちが、

個人でも活躍したいから、

経営以外の事もやりたいと言う。

 

なんだか経営ってこんなにも

忌み嫌われているとは意外だった。

 

経営の生命線は売上げにある。

お金が入ってこなければ潰れるしかない。

でも、売上げがあるからと言って、

経営がうまくいくか、という訳でもない。

 

経営者になりたいと一度も思った事は無い。

ま、良い情報が全く入ってこなかった、

というのも理由の一つだが、経営という物が

一体どういうものなのかを知らないのもあった。

 

知らない事は、自分の世界に無いのと同じ。

 

ではなぜ、経営に足を踏み入れるのか。

答えは、きっとなぜ売れているのか?

の答えと同じだろう。

 

「そこにいたから」

 

売れる売れないも、大きく言えば偶然が左右する。

私はたまたま、売れる場所にいた。

売ってくれる人がいる場所にいて、

買ってくれる人がいる場所にいた。

 

経営者の中に、二代目三代目の人がいる。

家業が会社をやっていたので、

自然と自分も経営をやる事になった人は多い。

 

それも、たまたまそういう環境にいたからだ。

自分から会社を興したいと思って

立ち上げた人も、立ち上げる、という環境にいた。

 

会社を経営する、という環境にあった。

もしくはそれを知覚出来る環境にいた。

知らなければ、なりたいとも思えない。

 

やりたいか、やりたくないか、

という次元の話しではないのだな、

とやっと腑に落ちた。

 

私と関わっている人たちも、

なぜ関わる事になったのかは、

「そこにいたから」だ。

いなければ、関わりようがない。

 

そこにいるから関わる。

そこにいたから事業に参加してもらう。

顔を上げたら、そこにいた。

 

こうして書いてみると、

そりゃそうだ、という話しばかりだが、

腑に落ちる前はなんだか良くわからなかった。

 

私や私たちはそれをする場にいる。

なぜだか、そこにいてしまったのだ。

 

人生何度目かの観念だろうか。

ここにいる事を観念するしか無い。

 

違う場にいれば、違う人生だったと思うが、

それはそれで検証することは出来ない。

 

まさしく人生は偶然が作り出すものなんだなと

今は肚で感じている。

 

いつも現実が一番強い。

現実が向かい始めてしまったら、

もう肚をくくるしか無い。

 

動き始めた列車には

もう乗り続けるしかないのだ。