犬派と猫派 | 知財業界で仕事スル

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知財業界の片隅で特許事務所経営を担当する弁理士のブログ。

最近は、仕事に直結することをあまり書かなくなってしまいました。

本人は、関連していると思って書いている場合がほとんどなんですが…

DC→大阪→ソウル→北京→大阪と移動してきて、本日は大阪→東京。週末に東京→ニューデリーと移動して、来週の木曜日にニューデーリー→DCと成田経由で移動して今回の出張は終わる。先週の週末は、6名の子供のうち年長組の3名(長男30歳、長女28歳、次女26歳)と私の両親と共に一泊旅行に行ってきた。ちなみに、私は3度結婚していて、最初の妻との間でできた3名の年長組と、育児中の3名の年少組との間には最大29歳の開きがある。

帰路の車中での会話で「私の得意は“お話作り”で、弁理士稼業もそれだけでやっているみたいなもんだ」というような話をしたら、年長組の次女から、何の脈略もなくお題が出た。それが「犬派と猫派」だった。

で、そのお題で何か“面白い”お話を作ってみせようと考えはじめたのだが、車は、京都市内の“雑踏”のようなところに入り、そちらを観ながらの雑談の方へ行ってしまって、「犬派と猫派」についての“お話”を語る機会を失ったまま、ツアーは解散となった。

しかたないので、ここで「犬派と猫派」のストーリーを書いてみようと思う。





「犬派と猫派」という比較は、普通、ペットとしてどちらが好きか、というようなことで議論される。しかし私は、それに限らず、この比較はいろんなところで応用の利く比較だと思う。

今、私はうちで犬をペットとして飼っていて、猫は飼っていないので、その意味では犬派に属する。ペットとしてどちらが好きか、という問いに対する答としては、猫を昔飼っていたとは言え、今の私は犬派だ。犬を飼うのはとても楽しい。

さて、この「犬派と猫派」、たとえば子育てについても適用できるのではないだろうか?その方向で考えてみると、どうやら私は猫派のようだ。子供は犬を飼うようには育てず、猫を飼うように育てる、というのが私の好みであると思う。

猫を飼うような子育てとは、一言で言えば「放任」型の子育てということだ。

犬は、群れで生活する動物である。そして、群れの中で互いに上下関係を作り、群れの中での調和を保つ。リーダーがいて、そのリーダーのリードの下にメンバーは従い、集団力を創造していく。これはこれですばらしいことだ。また、飼い主のコマンドを犬は理解し、飼い主と犬との間に言葉を通した心の絆が生まれる… 私は、自分の子供にそのようなメンバーシップを期待しないし、そのような子供に育って欲しくない。

猫は、孤高のハンターだ。とは言っても、普段はゴロゴロ咽喉をならしてゴロゴロ寝ているのである。腹が減ったり寒かったりすると飼い主に寄ってくるけれども、基本はマイペース。しかし、ハンターぶりを発揮するときの身のこなしは人間にはとうてい真似ができない。

年少組の3名(4歳、1歳、1歳)はどうなるかわからないけれども、年長組の3名は猫型で育ったと思う。猫型ロボット・ドラえもんではなく、猫型人間。3人とも学校の勉強はさっぱりだったけれども、自分のアタマで考え自立精神を持って生きていく大人になったようだ。

日本の教育システムは犬型人間を製造するようになっているので、たくさんの優秀な犬型日本人がいる。その中で猫型であれば、それだけで希少価値がでる。猫型の彼らは、その特徴が活きる生き方を選択していけばよいのだ。社会は犬型人間を評価するが、そのような世間の評価は世間に任せておけばよい。


こうやって書いてきて、会社(事務所)経営でも私は猫派の“子育て”をやっているのだと気づいた。優秀な猫を育てたいと思って、いろんな工夫をしてきているつもりだ。しかし、多くは犬になりたがる。そして、犬としての評価を得たがる。そのように教えられて子供から大人になるし、大人になった後も犬型人間になるよう社会的圧力が常にかかっているので、それで当然なのだが、その当然を疑ってかかる精神構造を持って欲しいと思う。

現代日本には猫型人間がもっと必要だ。しかし、教育システムや会社組織は犬型人間を製造する形になっている。そこに猫型を目指す旨みがある。猫型であれば、それだけで希少価値がでる。




最後に、年長組子供たちへのアドバイス…

長男、早く結婚しなさい。高校時代から付き合っている彼女がかわいそうである。経済的なことはどうにでもなるものだ。万が一失敗しても、私の域に達するまでまだ2回の余裕がある(笑)。心配するな。

長女、学術的な硬めの知識をもっと身につけなさい。頭の回転の速さだけでは成長に限界がある。世間知も重要だが、それだけをベースにするのではなく硬めの知識も身についてくれば、たぶん貴方は希望通りお金持ちになる。

次女、もう一段、高速ギアに入れて走った方がよい。まだまだ早く走れるだけの余裕が貴方にはある。走っているコースは間違っていない。もっともっとムチャをやるように。

みんな、生まれてきてくれてありがとう。この場を借りて謝意を表しておく。