幕末/明治維新の時代とは別のタイムスロットでみてみる。
私は1956年生まれで、今年56歳になる。太平洋戦争が終わったのが1945年。実は、私が生まれたときには終戦から11年しか経っていなかったのだ!
56年などといわず、私が米国に住み始めてからの17年を当てはめたとして、1956年が17年目だとしたら、その最初の年(1939年)に第二次世界大戦が始まるのだ。その少し前には二・二六事件や盧溝橋事件が起こり、ダーっと戦争になって、大量の人が死に大敗戦へとつながっていく。
子供の頃、太平洋戦争は遠い昔のように思えていた。そしてその感慨をずっと持って年月を送ってきた。
しかし、今考えてみると、私が生まれたときは終戦からたった11年しか経っていなかったのだ。“たった”の11年だ。
現時点から遡って11年。私にとっては激動なんてものは無くて、ただただ安楽な日々を過ごしてきただけのような気がする。終戦後の11年間には、餓死する人が出るまでに日本は悲惨な状態が出現していた。
次に、56歳、すなわち56年でみてみる。
1956年から56歳分遡ればピッタリと1900年。2000年に21世紀を祝った記憶はまだ新鮮な感じがあるのだが、1900年は20世紀の最初の年だ。
日清戦争と日露戦争との間。
1900年に生まれた人は、私が生まれたときには、私の今と同じ年齢、56歳だった。
“時間”というものは、物理学としても不思議なものだが、生身の人間にとっても不思議なものだ。