「あゝ特攻」 | 知財業界で仕事スル

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知財業界の片隅で特許事務所経営を担当する弁理士のブログ。

最近は、仕事に直結することをあまり書かなくなってしまいました。

本人は、関連していると思って書いている場合がほとんどなんですが…

 予科練記念館の横の売店で買ってきた「あゝ特攻」http://www.tokkotai.or.jp/news/news_060131.htm
というCDを通勤途中に毎日聞いている。何度も何度も繰り返し聞いてしまっている。
 普通の音楽CDと異なり、歴史解説ストーリーがそこに収録されているので、これを一通り聞くと、特攻の歴史と意味とがざっとわかるようになっている。なかなかよくできたCDだと思う。

 当時の特攻は、世界規模でみれば、おそらく馬鹿げた戦略ということになるのだろう。しかし、それは単なる後知恵に過ぎないように思う。
 特攻にいった人たちは20歳前後の若者であり、彼らの生活圏はそれよりずっと狭いものだった。その生活圏の中において20歳前後の若者が、自分が特攻にいかなければならないのだと結論付けるのは自然だった気がする。

 あまりよいたとえではないかもしれないが、将棋やチェスで負けそうな局面になったとき、キングを助けるために起死回生の一手をなんとか見つけようとする。特攻とはそれと同じようなものだったのではないだろうか。劣勢極まりない状態で戦争は現実に存在しており、一般人も含めて毎日多くの人が殺されていっている状況。そこで、兵隊が自分の命と刺し違えて戦う戦略が考え出され肯定されても、それは自然な気がする。

 戦後60年を記念して作られた特攻のCDを、米国の地で自家用車を運転しながら聞く。木々が新緑鮮やかである。なんともいえないアンバランスな状況であるが、このアンバランスが我々が置かれた今と当時との間を隔てているものを象徴しているような気がしている。まさに「時代は変わる」ということか。