「“35歳”を救え 」から自らを救え! (改定版) | 知財業界で仕事スル

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知財業界の片隅で特許事務所経営を担当する弁理士のブログ。

最近は、仕事に直結することをあまり書かなくなってしまいました。

本人は、関連していると思って書いている場合がほとんどなんですが…

(妻が、何を言いたいのかよくわからないというので、書き直しました)
 
 
 
35歳”を救え
NHK「あすの日本」プロジェクト (), 三菱総合研究所 ()
 
 
 
日本出張の折に、これを読んだ。
 
Amazonの内容紹介に「大反響を呼んだ」とある。しかし、私には、どうしようもなく情けない内容としか思えなかった。
35歳世代が安心して暮らせる社会はどうやって作ることができるのか」って、それは35歳世代が考えることで、年寄りの出る幕はないと私は思う。
 
「将来を担う若い世代に、今重点的に雇用対策を行うと、正社員の数が増え、給料も上がり経済が上向く」という、“シュミ”レーションの結果が導き出せる、って、ホントですか?
たとえば、提言としてあげられているのが
1.重点分野への就労対策
2.革新的な職業訓練の実施
など。これが“政策の新機軸”なんだろうか?
 
私には、書かれてある提案が、「三代目のアホボン」増殖プランとしか思えない。ま、よく言えば親が“支援”するわけだ。そして、35歳にもなった子がその“支援”を受ける。「三代目のアホボン」の出現は、アホボン本人というよりむしろ、初代・二代目の態度に原因があると思う。
 
初代・二代目の態度が、この本のタイトルにあるように“救う”ではダメ。子離れしないと。三代目のために子離れしてやらないと。
 
 
 
 
 
 
それに続いてこれを読んだ。
 
 
7割は課長にさえなれません
繁幸 ()
 
 
一言で言えば、終身雇用型の雇用形態をやめろ、という内容。これなら、納得できる。これなら、「将来を担う若い世代」に活力が出ると思う。
 
「“35歳”を救え」にある“新機軸”の政策案は、いわば、豊かな国の住民(勝ち組)が貧しい国の子供(負け組)に、対岸の火事を見舞うように援助金を出しているようなものだ。豊かな側は豊かなままに、善人面できる素晴らしいプランではある(笑)。
 
しかし、日本国は経済発展してないのだから、経済のパイの直径は大きくならない。貧しい子供が雇用されるためには、親世代の誰かが解雇されなければならない。この現実を直視しない対策は偽善である。
 
7割は課長にさえなれません 」の主張は、その核心の痛みから目を背けていない点がエライ。
 
 
 
ともあれ、35歳世代は、自らの創意工夫によって自らを救うことを考えないといけないと思う。「“35歳”を救え 」にあるような“新機軸”の対策に期待しても、善人面したいお年寄りを自己満足させるだけで、自分たちは確実に期待を裏切られると思った方がよい。
 
 
 
 
 
さらに続いて、これを読んだ。
 
 
インドで「暮らす、働く、結婚する」
杉本 昭男 ()
 
 
 
すばらしい!
私は、ここに35歳世代が救われる道が示されていると思った。
 
この本は、日本の全若者(35歳世代以下の日本人全員)に読んで欲しい本だ。
 
 
ひきこもりが日本の社会問題になって久しいが、この著者の人生を基準にすれば、いわゆるひきこもりと定義される人々だけではなく、日本のほぼ全ての若者が“日本国内ひきこもり”の病に罹っているように私には見える。
 
 
目を外に向ければ、大きな可能性が広がっている。それはインドの若者に対してだけではない。日本の若者に対してもだ。これは、いつの世でも、国を問わず世界の“若者”の特権だと思う。
 
日本の若者にも本来この“特権”が与えられているのに、それを有効利用しようとする者が少ない。
 
 
 
 
 
今回の出張中、北京では、MIXIを通じて知り合った日本人男性(20代後半。北京在住)に会って話を聞かせてもらった。
「インドで…」の著者もそうだが、この若者も、思考が、志向が、嗜好が柔軟だ。自分の人生に関して創意工夫というものができる。他人がひいたレールに拘泥しない。
 
 
インドと中国。現在、世界で最もホットな国で、それぞれに生きている二人。
彼らの語る将来は、カラッと明るいのであった。
 
 
 
 
なお、日本国を出なければ、カラッと明るい未来が見えない、ということを言いたいのではない。「三代目のアホボン」を作りにかかる善人面した年寄りのひいたレールから逸脱せよ、と言いたいのだ。逸脱するのに日本国を出るのが最も容易な手段のように思うが、日本国内に留まりながらでもそれは可能だと思う。
 
 
いくらでも道はあると思う。35歳世代の親世代には見えない未知な道がいくらでもある。親世代のひくレールはその道に繋がっていないのだ。
時代は常に動いている。その変化のスピードは速まるばかりで、親の世代で儲かったやり方はもうすっかり古びている。親と同じことをして、親と同じ収入や生活が得られない、というのはあたりまえのことだ。
35歳世代には、「“35歳”を救え 」のような救いを求めるのではなく、自らが自らの人生に創意工夫をする気持ちを持って欲しいと思う。