仕事をさせたいのだったら払ってくれないと | 知財業界で仕事スル

知財業界で仕事スル

知財業界の片隅で特許事務所経営を担当する弁理士のブログ。

最近は、仕事に直結することをあまり書かなくなってしまいました。

本人は、関連していると思って書いている場合がほとんどなんですが…

 また一社、仕事をお断りしてしまった。定常的に仕事をくれるちゃんとしたお客さんだったのだが、今回はとうとう折り合いがつかなかった。そこからは来年から仕事が来ないだけでなく、今までのものも全部引き上げられる。

 もちろん、「断ります」と言ったわけではなくて、「かくかくしかじかの条件でなら受けることができます」「それは認められません」というようなことで話し合いは終わった。

 最大の問題は、コンフリクト問題であった。コンフリクトしない範囲でなら受けられると説明したけれども、それでは満足していただけなかった。

 そのコンフリクト問題に関与する他方のクライアントより「うちの方が先」と主張されたけれども、こっちとしては「そういわれても…(言葉がフェードアウト)」。

 ここでならハッキリ言えますょぉ。おタクは安いんです。確かに先なんだが、安い。「うちの料金体系はこうなっている」といわれても、それが安い。「生活がかかっていますんで、支払いの良い方の仕事をさせてもらうんです」とこっちは言いたいところだが、それはあまりに失礼なので言えない。行間を読んでいただけたかどうか。

 「質を重視」なんて言っていながら、いつまでたっても料金体系ではボトムラインを極めることしか考えられていない。日本の会社のこの感覚って、矛盾していると思うけど。



 ちょっと長い引用になるが、「千円札は拾うな」 ( 安田 佳生 著)より…

『実際、うちの会社では「嫌なお客は断る」という方針を取っています。価格をいつも値切ったり、何かあるとすぐに呼びつけるようなうるさい顧客は、社員の仕事に対するモチベーションを下げるだけだからです。
 ただ、そうやって顧客を切れば、確実に得られるはずの売り上げを失い、新たな顧客を見つけて稼がなければならなくなる。これも結構きついことです。でも、どちらの苦労を選ぶかと考えれば、嫌な客を我慢するよりもずっと健康的だと思いませんか。好きな客とだけつき合えば気持ちよく仕事ができますし、売り上げだって伸びていく。「苦労は買ってでもしろ」というのは真理ですが、買ってでもすべき苦労と、そうでない苦労があるのです。』



 これって、客側の視点でいうと「嫌なお客」になるのは損だということ。嫌なお客を断るだけでなく、嫌なお客にならないように気をつけないといけない、と改めて思った。

 「嫌な経営者」にも同じ理屈が適用される。この方面も、気をつけないとね。「嫌なお客」を断るのは「嫌な経営者」にならないための一方策ともいえるな。