環境問題はなぜウソがまかり通るのか 1/4 | 知財業界で仕事スル

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知財業界の片隅で特許事務所経営を担当する弁理士のブログ。

最近は、仕事に直結することをあまり書かなくなってしまいました。

本人は、関連していると思って書いている場合がほとんどなんですが…

日本に出張していた帰りに成田空港の本屋さんで、「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」(武田邦彦著)が目に入って買ってしまった。
この種の本は、キャッチコピー倒れの場合が多く、買ってお金を損し、読んで時間を損した、という気にさせられがちなのであるが、これは違った。なかなか興味深く読ませてもらった。

目次で追ってみると…
第1章「資源7倍、ごみ7倍になるリサイクル」では、ペットボトルのリサイクルが機能していない実態を明らかにする。
第2章「ダイオキシンはいかにして猛毒に仕立てられたか」では、ダイオキシンの毒性が実は低いのに「ダイオキシン騒動」が作られた実態を明らかにする。
第3章「地球温暖化で頻発する故意の誤報」では、地球温暖化で極端な海水上昇があると故意に「誤報」されてきている実態を明らかにする。
第4章「チリ紙交換屋は街からなぜいなくなったのか」では、昔あった合理的な民間の紙リサイクル業態が破壊されそこに税金が浪費されていく実態を明らかにする。
第5章「環境問題を弄ぶ人たち」では、環境トラウマに陥った日本人を憂えるとともに、人類にとって環境よりずっと重要な問題はエネルギー・資源の枯渇問題(特に石油の枯渇)であると解く。

そして、この著書で一貫しているのは、「地球にやさしい」はずの活動の一部が、ほんとうに地球にやさしい活動かどうかとは関係のないところで、環境活動家の自己満足と環境問題対策用の税金に群がる人や企業の利益のために進められてきていることに対する批判と憂慮である。

著者は、リサイクルには意味がないとか、地球は温暖化していないといっているわけではない。リサイクルしていないのにリサイクルしたことにしたり、地球温暖化の影響を自分の都合のよいように作り上げたりして、対策費(税金)を使ったりぶんどったりする人々を著者は批判している。また、地球環境の改善には意味のない活動やむしろ悪化させる活動でも「環境」の名の下に他人まで強制しようとする環境活動家を著者は批判している。そして、そのような欺瞞に満ちた活動を「科学」の名の下にサポートする科学者(エセ科学者)を批判している。
また、そのような問題多い人々によって進められる「地球にやさしい」活動が、しばしば地球環境をより悪くする結果になっている、と著者は説明する。



この本を私が特別に興味を持って読んだのは、学生時代にまさに「ウソがまかり通る」環境問題といえる状況に私自身が遭遇したことがあったからだ。

多くの人が感想やまとめやらをインターネット上にすでに書いているので、この本についてはこのくらいにして、次に私の経験を書いてみようと思う。

ただし、私の経験は四半世紀以上前のことであり、これから書く内容に関して現代科学がどこまで発展しているのかを正確には知らないままに書くことをあらかじめお断りしておく。

(続く)