仕事上も個人的にも、海外の人たちとのやりとりが多いのですが、
日本はどうなっているのかと問いかけられることもあるし、
こちらからどうなっているかを発信しなければと思うこともあります。

具体的には、今年来日イベントを中止せざるを得なかったバイロン・ケイティさん、
ラス・ハドソンさん。そして、毎年のように日本を訪問されるアンドルー・ワイルさんも
そうです。

いずれの方々も日本のことをとても気にかけてくれています。

3.11以降の世界を語る言葉を日々の中で何とか紡いでいますが、
この日本にいない人たちに表現するのは、さらに至難の技。

著名な経済人で、海外のビジネス界との交流を積極的にしている人の中には、
原発を変わらず推進していて、「日本は大丈夫」、
「福島の状況はどんどんよくなっている」と発言している人もいますが・・・。

今、日本で起きている何をどう伝えたらいいのでしょうか。

急いで言葉にする必要はないし、
時間の経過の中で立ち上がってくるものを大切に温めていきたいと思います。

震災はいつでも心痛むものですが、今回の大震災は、その規模において、
そして原発事故という人災により、大きな衝撃を与えました。
私の中では今も慟哭のプロセスが続いています。

この現実を受け入れたつもりでも、今でもかすかに、
いつかは目覚める悪夢であってほしいという気持ちがあります。

悲しむ力は、重要です。

悲しむことは、慈しむこと。
何が大切か、改めてよくわかるし、そこから力も生まれてきます。

今、日本は両極の中にいるようにも思えます。
無力感と同時に、秘められた大きな可能性。

脱原発にしてもそうですが、おそらくアメリカにはできないことを
日本であれば、できる可能性があるのです。

自然に対する謙虚さを取り戻し、もっとシンプルながらも
創造的でお互いに助け合って生きていく力が日本の文化には
秘められていると思います。

日常の暮らしの中で自然に育まれる日本の美意識の高さも、
素晴らしい心の財産です。

生活の速さをゆるめ、スローダウンしながら、
生きることの豊かさを味わうこともこれからの可能性として
見えているように思います。