きよの漫画考察日記819 俺たちのフィールド第7巻 | きよの漫画考察日記

きよの漫画考察日記

我が家の本棚のマンガを1冊づつ考察中。
ちなみに3,000冊近くあります...

photo:01  

ここからの俺フィーは面白いです。なかなか漫画で描かれることのなかった企業スポーツの裏側にメスが入れられます。

お月様

さて負傷してるにも関わらず出場した騎場の踏ん張りのおかげで博多デルフィネス戦は3-0で快勝。その試合後に落ち込む愛子ちゃん。
愛子「私だってわかっちゃいたんだあ。騎場クンがケガを押してでも出場しなきゃヤマキは勝てないって事ぐらい…でも私、わかってても止めたと思う…ううん。止めない和也がイヤだったんだ…多分。和也、これからどんどんスゴくなるわ。そしてきっとどんどん加速してく。私なんかじゃ何考えてるか分からないくらいね。」
photo:02  

幼馴染みがゆえの悩みってやつでしょーか。めんどくさいもんです。

愛子「その点オバさんはスゴイわ。抱擁力っていうかそーいうのあるから。きっとオジさんの事何でも分かってあげてたんでしょ。」
photo:03  

お母さん「あの人がどれくらいシビアにひたむきにサッカーに打ち込んでいたかなんて、とても理解できやしなかったわ。時にはその強さを遠く感じたり…」
photo:04  


和也のお母さんは理想の母親であると同時に理想の嫁でもあったのです。この世に存在する全ての漫画における母親ランキングでは1位です(2位が一歩のおかん、3位はバカボンのママ)

そして未亡人ランキングでは2位でしょう(1位は言うまでもなし)

さてここでこの子が登場!

photo:05  

八巻玉緒!
ヤマキの親会社、ヤマキ自動車工業の社長令嬢です。俺の人生で社長令嬢なんて会ったことない。まぁ零細企業の社長の娘ならちょこちょこいましたが(笑)

そんな玉緒ちゃん、いきなり転倒。
photo:06  

パンツ丸見えショック!ここまでめくれ上がるほど豪快に転べる女の子はなかなかいません(笑)

それを偶然見ちゃった和也に…
photo:07  

見たらスケベだと言われるのは分かってる、それでも目がいっちゃうことが男にはあります。デカい乳をわっさわっさ揺らしながら歩いてくる女がいたら、そりゃ凝視しちゃいます(笑)それはスケベなのではなく、本能なんです。いたしかたない事なんですよ。

さて玉緒ちゃん、言ってはいけないことを言っちゃいます。ヤマキがどれほど勝ち進んだところで、フロントにはもはやJリーグ入りする意思は無いってことを…
和也「黙れえーっ!」
photo:08  


これを止めた石川さん。
石川「お嬢さん、スイマセン…こんな乱暴を…確かに可能性はないに等しいかもしれない…それでもね…」
photo:09  


Jリーグ昇格を目指す選手達、Jリーグ昇格を不要だと判断したフロント…

好きです、こーゆーの。プロスポーツは表側だけではなく裏側も面白いんだという事を教えてくれます!


そんなこんなでナビスコ杯第3戦はvsアントラーズ!アントラーズといえばもちろんこの人!

photo:01  

もちろんモデルはジーコ!
日本でプレーした外国人選手の中では間違いなくNo.1のビッグネームでしょう。鹿島時代、そして日本代表監督時代と思い出はありますが、やはり未来に目を向けるべきでしょうな。2012年のW杯最終予選、B組の日本はオーストラリア・イラク・オマーン・ヨルダンと闘うことになりましたな。俺としては韓国をブッ倒して欲しいとは思ってましたがオーストラリアにもドイツW杯での借りを返さにゃならんし、そして何よりイラク代表の監督がジーコであるという事に運命を感じずにはおれん。しかも日本vsイラクの試合会場は鹿島スタジアムなんよ!今年のW杯予選も楽しめそーだわ…

さらにアントラーズにはこんな面々も。
photo:02  

アルシンドサントス本田泰人長谷川祥之の事ですな。
まぁこの中で思い出深いのはアルシンド…ではなく本田泰人でしょう。Jリーグ発足当時のアントラーズを牽引したのはもちろんブラジル人パワーやけども、それは本田という礎あってこその事よな…

さて試合ですが、集中力を欠く和也。理由はもちろんあの事実を知ってしまったからです。
photo:11  

スポーツには常にモチベーションが必要です。健康や美容のためって理由もあれば、金のため、名誉のためなんてのもあるでしょう。メンタル面でまず重要なのは闘争心だと思いますが、その闘争心を持続させる活力源、それがモチベーションであって、これもおろそかにすることはできんのよね…

そんな和也の代わりに1人奮闘するのはタクロー!
タクロー「ヤマキ自工も…Jリーグ入りするには、もう一回も負けられんとやろ?」
photo:03  

タクロー「俺は別に…負くっとが好かんだけやバッテンね。」

これで火の点いた和也!
photo:04  

フロントがやっちゃいけない事、それは現場の選手のやる気を削ぐ事に尽きる。強いチームはまずフロントがしっかりしてる、選手からやる気が伝わってくるもんです。

さあ復活した和也が攻めます!
photo:12  

アントラーズDFの秋場、モデルはもちろんこの人ですな!
photo:10  

秋田豊!
アントラーズにおいても、そして日本代表においても不動のセンターバック。本当に苦しい時に何度秋田のヘッドに救われたことか…
でもね、秋田の国際Aマッチ出場数は44試合だけなんです。えっ⁉そんなに少ねえっけか…?

そして桜庭のシュート!
photo:13  

この加谷ってのは賀谷英司の事です。あの相馬直樹が出て来る前のアントラーズ左SBですな。

やっぱね、こー見ててもアントラーズは強い。ちゅーか次々と有望な選手が育ってるっていう印象がある。アントラーズから日本代表に名を連ねたのは秋田豊、本田泰人、名良橋晃、相馬直樹、小笠原満男、鈴木隆行、曽ヶ端準、高桑大二朗、中田浩二、柳沢敦、本山雅志、岩政大樹、内田篤人、伊野波雅彦、本田拓也の15人。これはマリノスやジュビロよりもたぶん多いでしょ。日本代表を支えてきたのは実は鹿島アントラーズなのかもしんない。

そして結果は2-1でヤマキの勝利!
photo:14  


世界レベル、最近よく聞くようになったキーワードですが、何が世界レベルなのかは難しいとこですな。野球で言うならば野茂やイチローが世界レベルなのは間違いなかろう。北島康介や浅田真央が世界レベルなのも間違いない。それは基準が単一やからね。メジャーで活躍できれば野球選手としては世界レベルやし、オリンピックでメダルが取れればアスリートとしては世界レベルでしょう。だからこそサッカーでの世界レベルというのは判断基準が難しい。
まぁ一般論としてはビッグクラブの一員として名を連ねれば世界レベルだといえるだろうが、このビッグクラブというものの線引きがまた難しい。レアルマドリード・ACミラン・マンU・ユヴェントス・バルセロナ・インテル・リヴァプール・バイエルンミュンヘン、この8チームは異論の無いところではあるだろうが、チェルシー・アーセナルはどーすんだという話にもなるし、ドルトムントやマルセイユも無視できない。アヤックスだっているし、ポルトやバレンシア、マンチェスターシティーも捨てがたい。そーするとサッカーの世界レベルというものはどーしても曖昧なものになってしまうよな…


そんなわけでサッカーにハマッちゃった玉緒ちゃん。ヤマキのJ昇格を社長であるお父さんに訴えますが…

photo:01  

まぁこれはお父さんの言い分が正しいです。社長の娘だからって会社の経営に口を挟む資格なんてこれっぽっちもありません。

これで落ち込んでた玉緒ちゃん、学校ではヤマキのお嬢だからと試合のチケット手配を頼まれて、ついにキレちゃいます。
photo:04  

大企業の御曹司とか有名人の息子とか、そーゆー奴が同級生におったら俺なら友達になっとるだろうか?多分無理だろうな。食ってきた物が違う人間と腹わって話すこたぁできん。日本も共産主義国家になればいーのに(笑)

家族と衝突し、友達もなくし、玉緒ちゃんパンク。
photo:03  


まぁいいとこの子供に生まれた奴にはそれなりの悩みがあるのかもしれませんが、俺にゃ分かりません。俺の家、金無かったもんなぁ…(笑)


そんな玉緒ちゃん、ヤマキの選手に触れて笑顔を取り戻します。

photo:11  

三角巾の可愛らしさについては俺は前々から主張しております(笑)弁当屋で働いてる女の子、好きです、俺。

がしかーし無断外泊に怒ったお父さん登場。そして何も知らない選手達についに伝えちゃいます!
photo:01  

あ~あ、ついに言っちゃいました…最後の心の拠り所をへし折られて、ヤマキの選手達は何処へ向かうんでしょーか…

さぁこれに怒ったのは間さん!
photo:02  

photo:03  

「こうなりゃ納得がいくまでヤマキでやらせてもらうからな!」
photo:04  

反骨精神ってやつです。不条理が目の前にあるからって避けて通るよーな奴は男やないねん!

さらに…
桜庭「お…俺も…俺も途中でやめたりしないス…もお~引っこみつかねっスよ…」
土黒「俺もだ。俺もやめないぜ。俺はよ…もう自分から諦めないって決めたんだ…だからもうやめない!」
誰も諦めるよーな奴はヤマキにはおらんねん!

そしてトドメはこの男!
騎場
「社長さん。俺たちはヤマキって企業の中のチッポケな企画にすぎんやろうが、その末端にもこんだけの想いがあるんや。あんたの営業の電卓じゃ割りきれんかもしれんがな!」
photo:05  

実際さ、スポンサー企業の奴らは自分とこのチームの試合や練習なんて見てるのかね?チケットの収入がいくらだとか、広告価値がどーだとか、試合結果はどーだったとか、そーゆう数字しか見てなさそう。選手のことなんて見てなさそう。

さぁ皆の思いを知った和也。レッズとの試合直前に…
和也「オヤジ…俺は…ヤマキでJリーグに行きたかった…オヤジのいたヤマキで…そのために入団の時やる気のなかったミンナにケンカまで売ったりしてよ…ヤマキで…Jリーグ…でもオヤジ…ちいと違ってきたよ…」
photo:06  


う~ん、ちょっとウルッときてしまいましたしょぼん


そんな選手達の決意、キャプテンの石川さんが背負います!

photo:07  

身売り発言出ました!
まぁよく聞く身売り騒動とはパターンが違いますが。よくある身売り騒動は親会社がチームを売りに出すパターンですが、今回は選手側から経営母体を変えて欲しい的な提案ですから。

これはもちろん大問題になります。対応に苦労するヤマキの社長の下へ玉緒ちゃんが。
photo:08  

ここなんよね、ポイントは。そう、企業側にとっても簡単な話ではないんよな。企業スポーツには金がかかる。例えば俺が阪神電鉄の社員だったとすれば、クールボーに払った何億円もの金を社員のために使えよと怒るのは間違いないやろうし。企業スポーツの運営資金が本業の経営を圧迫するようなことがあってはならんわけやし。
かといってスポンサーからの撤退は少なからず企業のイメージダウンにも繋がる。野球でいえば近鉄や阪急、南海やダイエーなんてのは球団売却に際してかなり世間から叩かれておったもんね。この辺りの経営判断は難しいところなんやろね…


さて爆弾発言をした石川さんには謹慎処分が。
石川「あのままおとなしく引退してればどっかよそからコーチの口くらいあったのかもしれんな。あんな爆弾発言やっちまうような人物じゃ…まずもうムリだろうな。しかしな、お前らがそれに胸を痛める事はない。」
和也「なワケいかないっスよ!痛かないワケない!痛えよ!胸が痛え!なのに俺は…何もできねえで…いっつもガムシャラやってりゃそれで満足して…ダメだ!ガムシャラガンバッてるだけじゃだめなんだ!」
石川さん「高杉、きけよ。「ガンバリ」を否定することはない。そいつはおまえがヤマキに持ち込んでくれたもんだ。「ガンバリ」がなけりゃヤマキはここまでのし上がってきていないよ。俺はおまえに感謝しているんだ!」
「なあ高杉。俺は今、別の事で頭がいっぱいなんだ。」
和也「え?」
石川さん「今本社では事実を発表した事で…決定していたJ昇格辞退をもう一度見直し始めてはいないか…ってな。今のうちだ…今のうちに俺たちはナビスコ杯を勝ち抜いて可能性を大きくするんだ!ってな。」
photo:12  

うーん、活路は開かれるんでしょーか(笑)


さて苦しいのはヤマキの社長。
社長「おれはな、経営に根拠を持ってやってきた。会社を経営してればその選択肢など数限りなくやってくる。その中のこれだと思い続ける経営方針を持ってな。広告…設備…クラブチーム…それも必要だ。しかし時にはそれをさいて製品開発に取り組んだからこそ需要に応え社員の生活も豊かにできた。全てが俺の采配一つだ…譲れるものか!俺の社長としてのポリシーと…プライドだ。そうやって俺はヤマキをのばしてきたんだ。」
そこに現れたのは玉緒ちゃん。お父さんに試合のチケットを渡します。
玉緒「ねえ…お父さん、本当に悩んでいるのなら…それを確かめに…行かない?」
社長「フン…それで私の気を変えようというのか⁉」
玉緒「うん…本音を言えば…そうして欲しいけど…でもお父さんの出す結果を待つわ。」
社長「なぜだ?なぜ本音があるのに私の結果を待つんだ?」
玉緒「こないだの事…初めてよ…お父さんのツラソウに歪んだ顔なんて…初めて見た…その時胸が痛んだわ。それも本音だもの…」
「私ね、今まで自分がヤマキの令嬢だって言われるプレッシャーから逃げてたの。「お嬢」って言われる事の疎外感だけで、友達の本音が見えなくなってた…でも、もう逃げないわ。ヤマキであることから…」
photo:01

玉緒「だからお父さんがどんな結果を出しても受け入れようと思って…」
うーん、正直言ってよく分からん(笑)
だって自分の名前から逃げ出したいなんて思った事ねーんだもん!逃げ出すも何もプレッシャーなんてこれっぽっちもかからねえんだもんなぁ…
こー考えてみると何の特徴もない中産階級の家で育った俺は逆に恵まれておったのかもしれんな…