第34章「西の国・妖大戦」
さてまず登場した遠野の長。この長と対等な立場で会談に臨むのが西の妖怪を束ねる西の長!
つーわけで西の妖怪だけで白面の者のところに攻め入ると主張する神野。西には対白面用のとっておきの秘密兵器があるからなんです。
妖怪が決して越えることのできない「結界」を張ることができる貴重な妖怪。どーゆー仕組みなのかは分かりませんが、妖怪によって造られた人造妖怪です。いや、人造という表現はおかしいか、妖造妖怪です(笑)
さてその頃潮はのんきに食事中。がしかしここで大問題が発生! 潮は左利きなの⁉︎
つーわけで捕らえられた東の長を救出するためにこの妖怪が潮のもとへ!
いわゆるカラス天狗です。東の長みたいな修験者タイプの天狗がオーソドックスな天狗ですが、天狗っつっても亜種がいるんですよ。格の低い天狗は木の葉天狗と呼んだりするしね。
さて潮の力を借りることに納得してない威吹でしたが…
潮「うるせえってんだよ!妖だの、人間だの、聞きあきたぜ!」
そんなこんなで西の妖怪の本拠地へ殴り込み。そのメンバーは…
さらにこの兄妹。
さらに…
そしてもちろん…東のオールスター勢揃い。だけど、とらはもともと京都におったわけやからね、東よりもむしろ西寄りなんじゃねーのという感じはすっけどね…
さてまずは瀬戸内上空でこの妖怪が登場!
つーわけで四分守と戦うのはもちろん一鬼。完全に劣勢な一鬼でしたが、最後の最後に反則技を繰り出します!
一鬼「四分守さんよ、あんたは強いなァ…でもひとつ忘れてたな…」
さらに潮たちに襲いかかるのは西国鎌鼬!まずは長女の…
さらに長男が…
そして次男の…
さて西国鎌鼬に挑むのはもちろん東国鎌鼬なんですが…
潮「でもよ、おまえら二人で勝てるのかよ…鎌鼬は常に三身で行動するんだろ…でも次男の…十郎は…」
とら「うるせえなァ!」
潮「とら…」
とら「こいつらが負けるわけねえんだよ。」
さてとらにブッ飛ばされた杳。 「イカす」という言葉を現代において使うとイケてないという、まさにパラドックス(笑)
つーわけで鎌鼬は鎌鼬に任せて、潮とイズナと威吹がついにたどり着いたのが…高千穂空屋敷!
高千穂とは宮崎県の北端に位置する山間地帯です。俺が高千穂を訪れることは生涯無いでしょう(笑)
さて空屋敷に侵入した潮に対し…そんなこんなで潮vs神野。獣の槍を使用する時に潮の髪が伸びる理由が分かりますか?おそらくそれは作画上の理由よな。髪の毛の動きだけで潮の心理描写や場面の緊迫度を表現することができています。藤田和日郎、さすがです。
さてさて潮とは別ルートで長を助けに向かう威吹。つーわけで白面の者に戦いを挑むか否か、その決断は東西鎌鼬による決闘で決められることに!
神野「そちらの代表が逃げようとしても無駄な訳だ。」
さて挑発してくる西国鎌鼬。
杳「なァ、オマエらさァ…次男がおっ死んでるんだってなァ!まったく!オレと違ってメーワクな次男だよな!」2000年以上生きてるとらから見れば雷信やかがりは子供ですから、やはり対応が冷静です。実際のところとらは東の長や雲外鏡よりも年上なんじゃねーのかなぁ…
かがり「あなたを見た時…十郎兄さんを思い出したわ。人間に棲み家を追われるまでとても優しかった十郎兄さん…兄さんは…妖が人間の姿に変わらなきゃ生きていけないのが悲しくて嫌で…どうしようもなくなって人間を殺してしまった…一度だって楽しみのために殺したりしなかった!」
杳「けけけ、何言ってんのさ!殺すのは気持ちいいだろ!自分がいい気持ちで何が悪いのさ⁉」
そんな事言われたって姿か似てるのはどーしよーもねぇよなぁ(笑)
つーわけで杳を細切れにしたかがり。
だけどそーこーしてる間に雷信が死んじゃってました(笑)もちろん怒るかがり!
とら「待てかがり!」
かがり「あいつら!あいつら雷信兄さんを…」
とら「あいつらのやり口がようやくわかったのよ!ヤツらはわしらを怒らせてえのよ!そして隙をつく!ヤツらの思いどおりになるんじゃねえ!」
鎌鼬なんだからクールに戦え、というのはよく分からん理屈だけどね…
つーわけで仍との一騎打ちに挑むかがり。
とら「これ以上…鎌鼬で辛気くせーコトはたくさんだぜ。」
とらがね、自分以外の妖怪の命を気にかけた非常に珍しいシーンです。過去には閉じ込められてたオマモリサマを助けてあげたくらいのもんでしょ。潮とは真逆といってもよいこのとらの性格こそが実はとらの強さの秘密であり魅力でもあるんよね…
つーわけでかがりは髪の毛を使い仍を両断!
なんだけども問題はその時の音です。普通敵を切り裂いた時の音ってのは「ズバッ!」とか「バシュン!」とかでしょ。でもね、鎌鼬が鎌鼬を切り裂いた時にはこーゆー音がするんです。
それにしても妹の恋愛にしゃしゃりでてくる兄貴っておるのかね?俺にゃ理解できん。妹がどんなクズと付き合おうが俺には何の問題も無い!
つーわけで梟との戦いに挑む雷信。とら「おい…雷信、やめといたがいいぜ!おめえじゃ勝てねえよ…しかもその体だ…ここはわしがあいつと…」
雷信の戦いにはいちいち悲壮感がつきまとうんよね…
つーわけで雷信vs梟の戦いは一瞬で決着!
愛煙家には辛い結末ですな…
つーわけで西の鎌鼬全滅。潮達を1人で足止めすることになったのが…
求嵐!
威吹と同じカラス天狗ですが、威吹は猛禽類系、一方の求嵐はそのまんまカラス。どちらのカラス天狗が正しいのかというとね、威吹の方が伝統的には正しいようですよ。カラス天狗=カラスと考えるのは間違いのようです。
そんな求嵐の奸計で裏切り者に仕立て上げられた威吹。
とらも一鬼も単細胞なんでね、こーゆー策略には簡単にハマっちゃいます。
だけども…
潮「あはははは!バーカ!威吹が裏切るかよ!」
かがり「う…うしお様…しかし…」
一鬼「なんでだ⁉人間、証拠でもあるのかよ⁉」
潮「証拠…?くだらねえコトいってんじゃねえ!」
理由がシンプルすぎてグッときます。「信頼」というものは本来こーゆーもんなんやろね。周りからの評判や数字や実績、そんなとこから信頼は生まれねえんよ。信じるか信じないか、それはただ己の心だけの問題か…
つーわけで結界線に飛び込む潮!
求嵐「アホちゃうか⁉あんさんが結界線を止めてイズナが間鎚をのっとっても、もう間にあわんのやで!負けたんや!」
潮「あのなァオレはなァ…ぐちゃぐちゃポキポキにやられて…おまえは負けたんだって言われてもな…負けたなんて思わねえ。」
だけどさすがの潮といえども間槌の結界線は断ち切れません…がしかーし、ここに飛び込んできた男が1人!
男が他の男のために体をはるときってのは、そいつから受けた信頼を返す時なんよな!
そんな感じで潮を守り抜いた威吹。
求嵐「そいつがそんなに重要なんか?おまえは人間が嫌いやったんやろ?」
威吹「…ああ…あの人間を護る…か…最初は命令だった…だがな…自分もわからぬが…」
そんなこんなで白面の者の眠る沖縄へと向かう元気があるのは潮、とら、イズナの三人だけ。
雷信「とら殿は昔、人間から雷獣と呼ばれていたのですね。」
とら「それがどうした?」雷信という名前はね、実はいい名前ではありません。それは名前に「信」の文字が入っているから。これはね、戒名によく使われる漢字なのであまり縁起が良くないんよ。他にも「亜」や「久」「真」なんていう漢字も全て死に関係する語源を持つ漢字なんで使わない方がいいそうです。とはいえ世の中にはこれらの漢字を名に持つ奴が山ほどおるけどね…
ちなみに俺の名前には「義」の文字が入ってますが、これもまた戒名によく使われるのであまり良くない漢字だそーです。しかも俺の名付け親は両親ではなくどこぞの坊さんなんよね…まさか俺の名前は戒名じゃねーだろうな(笑)
その頃西の妖怪は白面に総攻撃。 この輪っか一つで270体の妖を封じることができます。それが60個ということは…16,200体の妖怪を封じることができる計算になりますな。だけどちっとも封じられる気配の無い白面の者。とりあえず攻撃するしかない西の妖。 こいつら、勇気あるなぁ(笑)
つーわけでやっとこさ潮が到着。
白面「かか…かかか!ようやく会えたなァ!」 白面「我は忘れぬ…その物が我にもたらした感情を…あの感情…」 獣の槍は使い手に使われてるよりも単体の方が強いのかも(笑)
つーわけで獣の槍と白面の者、二度目の対決!
潮「神野…早く逃げろ!と…ら…押さえ…られそうもねえぜ…」
とら「うしお!まさか…おめえ?」
潮「そうさ…」 厄介な槍です、ホント。FF風に言えば突然バーサク状態になっちゃうようなもんですよ(笑)
ちなみに獣の槍vs白面のこの回に与えられたタイトルは「二力相爆」もちろんこんな熟語は日本語に存在しねーんやろけども、意味は通じるから漢字ってものは便利やねぇ…
さて暴走する獣の槍を止めたのは…ジェメイさん。
そんなこんなで西の妖は撤退。ダメ妖怪ばっかです、西は(笑)
だけどもそんな中潮を助けに戻るのは…
神野「求嵐、先にゆけ。自分がゆく。」
求嵐「なんと⁉神野様!無茶です!あそこまでは行けません。おひきとめいたしますぞ!」
さてさてそんな状況の中でも退却する西の妖をしんがりを務める潮。そんな潮に気を取られた白面の隙を突いて須磨子の最終手段、極限結界溜が炸裂!
つーわけで再び押し戻された白面、潮と須磨子を消し飛ばそうとしますがここに立ちはだかったのはとら!
白面「ぬううう、おのれはァア…おのれは覚えがあるぞォ!」
さらに白面は潮に対しても…
つーわけで最後に潮ととらを護ったのは潮の母ちゃん須磨子。 まぁ潮を産んでから10年以上ずーっと海の底ですからね、眉毛も太くなっちゃいますわな(前髪をどーやって揃えているのかは謎)
さて海上では東の妖が西の妖を救出。 これが華乃狐!
間鎚に比べるとフォルムが未来チックな感じはしますな。
つーわけでドタバタした感じだった白面の者との闘いもひとまず集結。
潮「とら…」
とら「うるせえな…」
潮「結局、いつもオレとおまえの二人なワケよ。」
とら「何が⁉」
潮「母ちゃんのコトを知りに北海道まで旅した時も、大昔の中国に行った時も、おまえと二人っきりだったよなァ。」
とら「それで何よ?何が言いてーんだよ!」
潮「別に~。ただよ、白面が出てきて最後の戦いになった時も…」
そーゆー訳で東と西は仲直り。残された問題は人間との共闘。
東の長「どうだな…神野。できるかな?」
神野「ふ…東の長山ン本よ…昔の我なら思いもせぬのじゃろうが…そうだな。」
うしとらのストーリーの大きな分岐点となっていく、スケールの大きな第三十四章でした。