今日は、皆さんに覚えてほしいことがあります。
それは
「口うるさい保護者をオニババアといいます!」
……はい、嘘です。
そんなこと思っていません。
思っていても、絶対に口に出せません。
軽い(?)毒舌はこのくらいにして、
本当に覚えてほしいのは次のことです。
「オニババアは主語を変える!」
「ハア…?(゜_。)?」って感じですか?
実はこれ、古文を読むときの心構えなんです。
古文って、一文が長くて主語が省略されていますよね?
現代で言えば、古文は典型的な悪文なんですよ。
(だから古文が読めないからって落ち込まないでね。君の頭が悪いわけじゃないです!)
そんな古文を読む際のポイントは主語の変わり目を見つけることです。
その目印となるのが「オニババア=を・に・ば」なんです。
古文を読んでいる最中に「を・に・ば」が登場したら、大抵主語が変わります。
この児、定めて驚かさむずらむと待ちゐたるに、
僧の、「もの申しさぶらはん。 驚かせたまへ。」と言ふを、
うれしとは思へども、……
上の文は、かの有名な「児のそら寝」の一節です。
「を」と「に」で行を変えて見やすくしてみました。
まず、「待ちゐたる」の主語は「この児」です。
「に」が出てきたので主語が変わるのかな~と見てみると、
すぐに「僧の」という新しい主語の登場です。(当然、述語は「言ふ」)
で、「を」が出てきたのでまた主語が……ん?主語がない??
慌てなくても大丈夫です。
この場面で登場するのは「児」と「僧」だけです。
「僧」が主語でないなら、「児」が主語だと判断してOKです。
というわけで、「うれしとは思へども」の主語は「児」ですね。
こんな感じで主語と述語を対応させながら読んでいきます。
実際指導する側としては、生徒に音読させながら、
主語に印を付けさせて、
主語の変わり目にスラッシュ(/)を入れさせます。
そして、省略されている主語はきっちりと書き込ませます。
生徒の手元にある古文は、音読後、次のような感じになっているはずです。
この児、定めて驚かさむずらむと待ちゐたるに、/
僧の、「もの申しさぶらはん。 驚かせたまへ。」と言ふを、/
(児)うれしとは思へども、……
この主語を把握する読み方というのは、大学入試の古文でも有効です。
特に「古文わかんね~(>_<)」という古文難民の生徒さんは
印や/をガシガシ書き込みながら読むといいですよ。
ちなみに
「手で主語は変わらない!」
という名言もあります。
つまり「手で=て・で」の前後では主語が同じということです。
彼は歌って踊った。
この一文で「歌った」のも「踊った」のも「彼」ですよね?
「て」の前後で、主語は「彼は」のままですよね?
当たり前のことです。
現代の日本語のルールがそのまま古文に適用できます。
ということで、古文を指導する先生や古文が苦手な生徒さんは
ぜひ主語の変わり目に注目してみてくださいませ。
きっと世界が変わりますよ(笑)