管理職日本語教師の、相当深~いつぶやき。

私たちの可能性は、こんなもんじゃない。


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さてさて、ことしもほぼ終わり。

期末テスト、学生との個人面談、冬休みの諸注意、成績提出、教員会議、忘年会、そして大掃除・・・。

休みに入る直前まで、超忙しい日が続きます。

 

大学院、大学志望以外で、年明けに受験を持ち越してしまった専門学校受験の学生は、数名ですが冬休みも指導をしなければなりません。

何とかいい結果が出ればいいのですが。

年明け受験で、もしいい結果が得られなければ、もう行くところがかなり限られてきます。

「どうしても東京の学校を。」と志望して、東京にしがみつこうとしている学生に、地方受験を勧めたり。

いろいろ大変です。

 

ところで・・・。

非漢字圏の学生が、日本へ来日後初級のゼロから勉強をスタートすることを、私たち「ゼロスタート」、略してゼロスタとか呼んでますが、

この非漢字圏のゼロスタが、2年である程度就職が見込める大学に合格したり、日本人と同等に留学生を扱う専門学校、つまり入学後は留学生専門のクラスではなく、日本人と混在のクラスで勉強し、2年間で就職できる専門学校に入るために、日本語能力試験のN2に合格するということが、非常に難しいということが、今やデーターで明らかになっています。

 

何年か前、「非漢字圏のゼロスタが、漢字圏と同様に2年でN2レベルになってそれなりの進学実績を上げるのは、ほぼ無理」とブログにUPしたら、かなり「国籍差別!」「私の学生は非漢字圏だけど、みんないい子です。」とかなんとか非難されましたが。

 

ねっ!私の言うとおりになったでしょ?(笑)

 

国籍差別でなくて、これは現場にいるからこそわかる統計的事実。

情に流され、感情的になるよりも、感情を抜きにしてビジネスライクに現状を正しく分析する目を持ち、そして打開策を考えることが、真のプロの仕事。

そしてそれが、最終的には本当に留学生のためになるのではないでしょうか?

 

で、それはおいといて、昨今。

 

日本語学校は教師不足の影響もあり、教育の質がかなり怪しいことになってきました。

とにかく、数年前だったら学校に雇われてさえいなかったレベルの人が、採用されて、すぐに授業を、しかもかなりのコマ数をいきなり任されたりして。

研修もなし。とにかく人が足りないんで「お好きにやってください。」というお任せ状態。

当然教室は荒れ、学生も荒れ、中には学級崩壊状態も。

そして、まともな神経の新人の先生ほど耐えられなくなって潰れて辞める。

というケースがかなり多くなっている、ということは、以前にもブログに書きました。

 

しかも中には教師以前に、社会人的にどうよ?っていうレベルの先生もかなりの数増加中。

これ、数か月前の研究会の発表で、「~って思いませんか?」って会場の人にマイクを通して聞いたら、聴衆者100人のうなずきで会場が波打って揺れてた(笑)!

壇上で話しながら見てて、ちょえ~って思った。

 

どこもおんなじなんだ。

授業のやり方だけでなくて、社会人教育、プロとして、これを仕事としてやる以上、金もらう以上、最低限はここ、というラインを示す、「心構え」みたいなものの教育が足りない。

 

でも今、それは無理。

教師数が足りないから、教育している暇もない。

だから、とにかく授業を埋めるのがいっぱい。

学生の実力を引き上げるとか、親切に進路指導をするとか、そんな暇ない。

 

そしてそのしわ寄せは、次にどこへ行くかというと、

学生の進路・・・。

 

非漢字圏のゼロスタの学生は、2年間で漢字圏と同等のレベルの進学実績はなかなか出せない。

JLPT、EJUで好成績が非常に出しにくい。

これが現実です。

これ、すごい力のある先生がチームで組んで、丸2年担当して教えれば何とかなるかもしれませんが、

現状としてそんなすごい先生ばかり集められる学校って、私は聞いたことがありません。

 

ということで、次に問題になってくるのが、実力が足りない学生の行先について。

 

こんな日本語学校の力不足の情けない現状を見て、新しく動き出している専門学校さん、大学さんが多く出てきました。

 

《その1》 1年制コースの新設

 

 すぐには前述の日本人学生との混在クラスについていけるような日本語力ではない学生のために、1年だけのいわばお試しのコースで、日本語底上げと、ちょっと専門技術の基礎を勉強させてくれるコース。

 ここだと、入る時に正規のコースほど高い日本語力は求められない。それからモラトリアムの、いわゆる「まだ何がやりたいかわからない。自分探し中。」の学生のためのお試しコースとしてちょうどいい。

 価格も2年の専門課程よりもかなりお手頃。

 もちろん、1年たって日本語が底上げされ、プラス「この勉強をもっと続けたい。」というモラトリアムから脱して勉強にもエンジンがかかった学生は、2年コースに再入学させてもらえる。

 ただし一部には、1年経って学生が「やっぱり私のやりたいことはこれじゃない。」と外へ出ようとしたときに、非協力的な(出席証明、成績証明書を出さないなど)態度をとって、外部進学させないといううわさの、悪徳高等教育機関もあるので、ご用心。そして学生はどこが悪徳でどこがそうじゃないかなんてよくわからないので、事前に教師がよ~~く調べておく必要があるんだけど・・・人手不足だから無理か(笑)。

 

《その2》 3年制留学生専門課程の新設

 

 2年の専門課程に入る前に、1年間《その1》のような1年コースをくっつけて留学生専門のクラスにした、3年制のコース。メリットは《その1》とほぼ似たような底上げのほかに、再入学しなくてもそのまま進級していけば、3年後に就職が見込めるということ。

 

《その3》 専門課程以外の外国人専門コース

 

 専門は理系だったり、全く違う技術系の学校なのに、情報ビジネス、国際ビジネス、ITビジネスなど「ビジネス」という名前を入れたコースや専攻と、留学生専用のクラスを作り、留学生の就職に力を入れ始めた専門学校や大学の新設コース。

 だから「うちの日本語学校は理系はいないから」と話を聞かずに素通りしていだけど、実は最近お得なコースを新設していたなんていう例がちらほらある。だからその専門学校、大学の看板に書いてある名前で勉強の中身を判断するのではなく、一応どんなコースがあるのか、非漢字圏のJLPT N2やEJU200点に及ばない学生でも入れるコースがあるのか、情報を集めておくべきです。

 

 ところで・・・。

 我々の仕事は「専門学校や大学に入れてくれればそれでOK。ビザがつながれば私たち日本語学校の責任は果たした。」・・・ということではないですよね。

 ここで考えなければならないのは、その大学や専門学校に進学出来て、ビザがつながっても、学生が数年アルバイトで稼ぐ時期が延びただけで、数年後その進学した学校から就職はできませんでした。ということで、最終的に学生のニーズが満たされるのでしょうか。ということです。

 

 日本へは、日本語の勉強ではなく、週28時間許可されるアルバイトが目的で稼ぎに来た。(たいていこんな学生は違法に週28時間以上アルバイトに走るもんです。)だから、稼ぐ時間が日本語学校の2年間だけでなく、進学してもっと増えればうれしい。だから高等教育機関に進学しても勉強する気はさらさらない。そして高等教育機関でも渡りの進学(1つの専門学校が終わったら、次の専門学校へまた再入学すること。当然勉強目的ではない。)を繰り返し、稼げるだけ稼いで国へ帰る。(下手したらビザが切れたら不法滞在して、さらに稼ぐ。)

 

こんなレベルの低い学生ばかり扱っている、レベルの低い迷惑日本語学校ならともかく・・・。

 

まともな日本語学校なら、学生の募集段階からちゃんと勉強の意思を確認し、希望の進路を聞き、経費支弁能力があるか家の調査もしているはず。

そして、そんなまともな計画性のある学生なら、いずれは日本で就職したい、という学生も少なくないはず。

 

だから、日本語学校の進学指導担当者としては、出来るだけ日本企業への就職が見込める学校に進学させたい。

もちろん高等教育機関が終わったら国へ帰りたいという学生へも、教育の質が保証されている就職率の高い高等教育機関への進学を勧めています。

 

話をもとに戻しますが、前述の「日本語学校の力不足」。

 

本来なら日本語学校で教育しなければならなかったのに、教師不足+非漢字圏ということで、最後までやりきれなかった日本語教育。

そして、モラトリアム学生に自分のやりたいことを見つけさせ、それに向けて何をどうしていけばいいのか、というところまで、指導しきれなかったキャリア教育。

このWの中途半端のせいで、日本人が多く進学するいい高等教育機関に留学生を進学させられなかった我々の力を補って、これらの親切な新設の高等教育機関のコースが、それを請け負ってくれるわけです。

我々日本語学校がしなければならないことを、力が及ばないところを、尻ぬぐいさせて申し訳ないです。

本当にありがとうございます。

 

だって、ただでさえ日本語が足りない学生の日本語を底上げするだけでも大変だと思います。

ましてや日本企業に就職させられるレベルにまでもっていくなんて、並大抵ではないと思います。

 

ある程度日本語が仕上がった学生を指導するのは、日本語教師でなくても、専門課程の先生が日本人と同じように指導してくださればOK。

その専門においては知識豊富な先生がご指導くださるのですから、高等教育機関の本領発揮です。

 

でも、日本語力そのものが弱い学生は、どんなに優秀な先生が、どんないい情報を与えても、無理なんです。

だって、情報を獲得する能力がないわけですから。

 

そんな5年前なら進学さえ危うかった学生を入学させてくださり、日本語力UPだけでなく、就職まで面倒みてくださる。

本当に力のある先生をそろえて、教員チーム一丸となって、熱心に留学生一人一人と向き合って、就職まで指導しなければ無理というものです。

 

でも、それをやってくださる。

さすがです。

 

ところがここで、一つの疑問が・・・。

 

専門学校の日本語の先生って、人手不足にはならないんですか?

まあ、日本語学校とは資本が違うので、給料も違うのかも。

だから多分日本語学校よりは人材も豊富で大丈夫・・・なんですか?

 

でも、学校の種類は違いますが、一応同じ業界なので、このままいくといずれは高等教育機関の力のある先生も不足してくるようなことになるかも、と心配です。

私たちの尻ぬぐいをしてくれる方が、いなくなりますから(笑)。

 

でも、ケチな日本語学校とは違い、ここでガンガン金使って、引き抜き合戦とか、ヘッドハンティングとか始まって、実力のある日本語教師は支度金とか積まれて、どんどん資本力のある学校に引き抜かれるようになったらいいですね。

日本語学校の中の実力のある先生も、どんどん高等教育機関に引き抜かれる。

そして、そういった実力のある先生を安~く搾取して使っていた、残業代も出さないブラックでアホな日本語学校から人材不足で淘汰されて潰れていく!

今や、人手不足で会社が倒産する時代ですから。

可能性は十分ありますよね。

 

いや~楽しみです。

やっとこの業界も塾業界並みになれるのかも。

我々の社会的地位も上がるのかも。

 

外国人を人材として欲しがっている企業は、たくさんあります。

前述の「人手不足で会社が倒産する」、これはもちろん我々の業界だけではありません。

そして、頭のいい会社のトップほど、早く手を打つ。

つまり今や外国人は「雇ってあげる」という立場の人ではないんです。

日本の企業を救うために、ぜひいらして頂きたい、力を貸してほしい人材になってきたんです。

 

そしてそのために我々日本語教師の使命も重要になってきています。

日本語が出来るか否か、これで彼らの人生も変わる。

我々の社会も変わる。

でもそれは、日本語のテストの点数が高いというだけではだめ。

日本社会で優秀な人材として企業に使ってもらえる人に育てられるかどうか、これも我々の教育の使命です。

 

さてさて、そこまでわかっていて、それを教育現場で実行に移せる人が、果たしてこの業界に何人いるのか。

ましてや、そんな優秀な教師を育てることができる教育機関が、いくつあるのか。

 

いや、夢はあきらめちゃだめです!(今、陸王の最終回見ててそう思いました(笑)。)

 

ところであなたは、この仕事に何か使命を感じていますか?

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