以下のグラフは、FRBがお金を増やすと、小売売上高も増えることを示したものである。
つまり、FRBがお金を増やすことで、アメリカ全体の個人消費が増えることを意味する。
これは、かなり簡略化すると、以下のようなプロセスで生じると考えられる。
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FRBがお金を増やすと、お金の価値が下がる。
すると、価値の下がったお金を手放し、以下のような流れが出て来る。
・そのお金で株などを買う。それにより株高となり、売却(すれば利)益が得られる。それでモノを買う。
・そのお金で、株などではなく直接モノを買う。
こうしてモノが売れるので、小売売上高は増加する。
さらにこうして小売業は売上が増えるので、雇用や従業員の給料を増やす。
その結果、個人は所得が増えて、さらにモノを買う余裕が出て来る。
こうした好循環が続いていって、小売売上高はさらに増加していく。
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実際、12年1月から14年11月について、マネタリーベースと小売売上高の相関係数を見ると、0.933と極めて高い数値が出ている。
金融緩和が個人消費に強い影響を及ぼしていると言ってよい。
参考までに、以下は小売業の中の各業種ごとのデータである。
小売業は、上記主要業種(赤の網掛け部分)を中心に、好調な業績が続いている。
そして、その小売業には、約15百万人(1割程度)の雇用者がおり、ほか業種よりも比較的多い。
よって、小売業の業績が好調なことは、雇用者の増加と言う点でも極めて重要な意味を持つ。
金融緩和で消費を促し、雇用者を増やしていくことが重要であり、それを着実に実現してきたことがよくわかる。