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毎回、前提として書きますが
医学的に絶対的な答えではなく
あくまでも私自身の鍼灸、そしてよもぎ蒸しの10年以上に渡る
臨床経験からの1つの答えとして参考にしていただければ、と思います。
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前回、甲状腺の症状を持つ方へのよもぎ蒸しのことを
記事に書きましたが
よもぎ蒸しは、もともと産後に良いと
言われているものでもあるので
甲状腺の病気の中でも
産後に甲状腺の病気になるケースのことを
もう少し詳しく書いておきます。
一般には余り知られていないかもしれませんが
結構な割合で産後に甲状腺機能に問題が出る女性は多いんです。
全女性の5～10%に産後自己免疫性の甲状腺に炎症が起こるとわれていて
そしてその女性の内、2分の1から3分の2が
甲状腺機能の亢進症または低下症
あるいはその両方を経験していると言われています。
私の周りでも、患者さんだけでなく、友人知人で
甲状腺の病気を持っている人は
結構な人数がいます。本当に、普通にいます。
甲状腺の病気は発生頻度が高いわりに
症状が軽いというか
不定愁訴的な感じに近い症状が多いため
見逃されたり、放置されていることが多いんです。
特に産後だと
「産後だから疲れるんだろう」
「産後だからまだ本調子じゃないんだろう」と
本人も思いやすいんですね。
ですが、血液検査をしてみると
しっかりと甲状腺が影響していることが発覚します。
今、産後うつということも注目されていますが
それにさえ、甲状腺の問題が関係していると言われています。
この、産後に甲状腺機能に変化をきたす仕組みですが
妊娠前、妊娠中、そして産後は
女性の体は本当に劇的に変化しています。
一人の体から、あかちゃんを維持する母体としての体
そして出産という長い大仕事を終えて
また一人の体に戻ろうとする
とはいえ、授乳がある場合は、まだまだ本当の意味で一人の体ではない
そんなふうに劇的に変化する中で
一番大きな変化の一つは、ホルモンとも言えます。
ホルモン、そして、免疫。
その産前産後の大きなホルモンの変化が
ベースとしてある上に
育児が始まる。
親になって生活が変ることで、新たなストレスが加わる
そういったことからも
よりホルモンへの影響が大きく関与し
産後の甲状腺機能の変化が出ます。
特に多いのが
産後に一過性に甲状腺機能が更新するケースのようです。
そしてその後、慢性的な甲状腺機能低下に移行していく
私の周囲でもこのケースによく接することが多いです。
甲状腺機能が亢進したような状態は
おおよそ産後2～3ヶ月くらいまでで
その後は次第に低下していき、
数ヶ月すると
自然と正常に落ち着くパターンも多く
産後7～8ヶ月までに甲状腺機能が正常に戻ると言われています。
逆に言うと
この期間、あえて検査をすることもなく、
甲状腺の異常のせいだと思わずに
産後の疲れや鬱のような症状を抱えてしまう女性も多いということですね。
先に機能亢進するパターンとは逆に
一過性の甲状腺機能低下症が2ヶ月から3ヶ月続くパターンもあります。
低下症もやはりその後、機能が正常に回復するか、
永久的な甲状腺機能低下症を起すかのどちらかとなります。
いずれにせよ、やはり長くなると
ほぼ一生付き合う甲状腺低下症に移行するケースは多く
うまく付き合うために、薬（代表例はチラージン）を服用する女性が
多いのが実際です。
甲状腺低下症の症状として多いのは
代謝が低下するので
体温が上がりにくく、寒がったり
皮膚が乾燥してかさかさしたり
無気力でうつ傾向になったりがあります。
通常、機能低下症は太り気味だったり
ムーンフェイスという満月様顔貌になったりするのが特徴と
言われるのですが
産後の亢進からその後低下に移行した人は
必ずしもそうであるとは限らず
むしろ痩せ気味の方も多いように思われます。
長く付き合う、うまく付き合う
そういった症状が甲状腺の病気の特徴とも言えるので
特別これをしたらダメ！これをしたらいい！というものでもありません。
大切なのは付き合い方、です。
よもぎ蒸しも然りです。
長い症状を抱えている方にこそ
よもぎ蒸しに限らず
やはり寄り添いケアする気持ちが大切ですよね。
参献文献『甲状腺ソリューション』 Ridha AREM著
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【発行元】よもぎ庵 平沼公代
【HP】http://yomogi-an.com
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http://www.j-tajiri.or.jp/source/translation/d/13.html