横山小児科医院のブログ

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 昨年の夏以来、診察室はマスク姿の母子が目立ちました。新型インフルエンザの感染予防ですね。マスコミが新型インフルエンザの報道を毎日のように流してま して、ことあるごとにマスクと手洗いとうがいを3点セットで視聴者に訴えていましたからね。1918年のスペイン風邪が流行した時も「マスクをかけぬ命知 らず!」って恐い標語のポスターがあったそうで。
実際、感染の危険性が高い場所のひとつが病院でしょう。また感染とは関係なく春先には花粉症対策としてのマスク使用も多くなりました。なんか最近はマスクが冬から春にかけてのファッションのようです。

 ところがこのマスク、顔の下半分を覆い隠しているのですが、会話のさい困ることがあります。相手の表情が判らないのです。診察の時のやりとりで口の動きが 判らないと納得しているのか、不満なのか、喜んでいるのか、怒っているのか、安心なのか、心配なのか声の調子だけでは十分に把握できかねます。僕はできる だけ相手の目を見て話すようにしていますが、目は口ほどにはものを言いません。

 会話は言葉の抑揚や強弱だけでなく表情(目や口の動き)や頭、手足の動きまで読み取ってこそ十分に理解できるものです。これらをパラ言語情報といいます。ですから電話では心底判ってもらえないかもしれません。ましてやメールでは何をかいわんやです。絵文字を使ってもダメ。

 患者さんのお母さんとの会話中によーく観察してみました。即ち、口を隠した場合と目を隠した場合は、どちらが相手の気持ちを理解しやすいか。
マスクほど多くはありませんが、サングラスをかけたお母さんも時々来られます。その一人にイタリア人の母親がいて、すっごく美人です。ご主人は日本人で日 本語はペラペラなんですが、僕はお調子者で知っているかぎりの外国語を喋ろうとするクセがあります。ボンジョルノ!に始まって、診察が終わって帰り際にア モーレ!(愛そう)、カンターレ!(歌おう)、マンジェーレ!(食べよう)と言うと実に嬉しそうに、「ソノ3ツガアレバ、ダイジョウブネ」と言ってくれま した。大きなサングラスなので目はわかりませんでしたが白い歯がこぼれるような笑顔に本当に喜んでくれたと確信できました
(*^_^*)

 以前にテレビ番組でこんな実験していました。別の発音をしている口の動きを見ながら、ある発音を聞くと違う発音に聞こえるほど口の動きは大切なのです。相手の口の動きで言葉を読み取る読唇術なんてのもあります。できれば会話の時はマスクを外したいものですね。