フィットネス業界でレッスンの仕事を始めてから今年で19年経ち、関東首都圏での指導現場と移動の間で世間にある実際の現象を朝昼晩とずっと垣間見て来ました。

そして厚生労働省など、行政関連組織から発表される医療関係の報道に常に意識して、その問題意識や注意に従って配慮し行ってきました。

その中で思うことは沢山出てきます。

先ず大事なことは医療関係者は運動について専門知識や経験がなく、フィットネス業界以外でのスポーツ関係者は医学知識についての教養が不足している実態を見てきました。

そのことが適確な運動による効果を挙げられず、漠然とした状態が出来上がっていることを知りました。

そのこと故に私自身は医学知識を様々な角度から研究し、私の実際の指導に役立てています。


私が現場で気付いたことで、年配の方々の起こす関節痛の要因は日常生活が便利になり過ぎて、ソファやベッドでの生活になり、以前のように布団の上げ下げなどの起居動作をしなくなったことが関係している事実です。

つまり1年365日の間、朝晩730回、布団を持ち上げる、下ろすという作業をしなくなったことで上半身での荷物の上げ下ろしでの肩や腕力、腰の筋力が落ち、

そして国民人口の3200万人を占める65歳以上の方々(80歳以上は1000万人)はバスや電車に費用がかからなくなり、そして駅も建物もバリアフリー化で階段の上り降りをしなくなったことで歩く距離が短くなり脚力が落ちてしまったという理由も関係しています。

そして脚力が弱り、体重が増えることで膝は自身の重さに耐えられなくなり痛みを起こすケースが非常に多い事実です。

そこに湿布を貼るとか、マッサージを受けるとか、脚力を着けることが大事なところに医療で痛みがなくなる、だろうと思い違い的な感覚になっていることがあります。

ですから脚力を強化する、稼動域を広げるという以外に方法はないのですが、何かしら施術で治るものと思い込んで(思い込まされて)しまっています。

(※気をつけないと医学・医療界は、患者を「客:顧客」と見なしています)

そのために「万歩計」が開発されて、とにかく一番シンプルで無難な「脚力強化:よく歩くように」と奨励をするようになったのでした。

ですから本当は、こまめにいつも関節周りをよくほぐして稼動域を広げ、よく歩いて坂道や階段の上り下りをすることが脚力を弱めない一歩です。

古えの知恵として神社は階段の上がり降りをさせて空気のきれいな環境で「心を正して」ということを行うことで無意識にも身体を強化させていくことにも繋がっていたと思います。

やはり今の現代日本社会環境を見て感じることは伝統的「和食中心」の食事、布団の上げ下げ、よく歩いて屈伸の力を弱めないように行い、

階段や坂道の上り降り、何でも自分のことは自分でやる、という感覚がれば、自ずから気付かずともしっかりとした身体はできるようになると思います。

私自身での感覚では、先ず日本人向けとして効果ある一番良い体育運動は、

やはり長き歴史ある中国大陸での成立にも関連して、

一番歴史の古い導引術で心身をほぐし全身の関節の動きをよくするための屈伸動作や伸展動作などで血液循環を高められるよう活性化して、

次に1800年の歴史ある五禽戯で運動器の強化、

そして太極拳で記憶力強化、推手で相互の力感覚、距離感覚、複雑な動作をこなすことで、今までに知覚しなかった反射や反応の強化が一番良いと思います。

やはり、関節痛を起こし痛みに悩まされないように日々快適な心身感覚を維持・継続、向上をさせていくためには、日頃の生活習慣で質の良い、効果ある運動習慣を身に着けられることが一番重要に思います。