$横浜武術院・日本華侘五禽戯倶楽部のblog-中国武術段位試験


昨年から正式な国際武術界の競技スタイルは「伝統武術競技」「高難度競技」「対抗性競技」と3本柱になりました。

そして「競技武術」とは別に「武術専門教育」というジャンルで日本でいえば武道体育という概念で「中国武術段位制」が始まりました。

今年の香港大会から正式な「中国武術国際考試・香港考評」が始まりました。

今までにも「中国武術段位制」は「套考」の方法をとって行われていましたが、私を含む「旧教程」での資格取得者は「奨励段位」という位置になっていて、これからが正式段位になっていく、ということを知りました。

つまり今までの段位取得者でこの太極拳6流派を含む、長拳、蟷螂拳、八極拳など規定17拳種の中国武術段位制新教程でなければ、評価対象になれない、ということです。

多くの日本国内の組織では正式な「武術段位制」に応対ができないために、これらの過程になっていくことを知りながら見送りを決めていますが、他の国々の連盟は既に各国のスタイルで「武術段位制」を取り入れて普及活動を進めています。

(今回の大会で上海浦東の日本人学校のチームが来ていました。そして海外も既に普及システムを進めています。よくあることはこうした正式システムを知っている方々が日本に来ると武術界について「あれっ!」と思うことです。これだけの先進国で多くのスポーツがある中でいつも武術だけが遅れすぎていることです)

今大会の準備と大会期間中に組織委員会の方と多くを話しました。

委員「日本は組織的にやっていないけれど、そのままいけば評価システムでの、この世界の中でどんどんと取り残されていくだけだ。専門家なら誰でもできるはずだからね」と指摘されました。

私「日本の国内組織運営は専門家がいなくて雇われ中国人コーチに依存していることになって、選手上がりだから競技項目しか眼がいかず、後々のことは考えずにその場しのぎばかりしかできない」と言いました。

委員「それは各国内の組織の問題であってこちらの武術協会には関係はない」

私は、よくこういう時に複雑な戦後の日本の組織機構について考えることが多くあります。

その中でも私が個人でもできることは先ず自分の組織はしっかりとやっていき、日本国内でのモデル事業として、ただ頑張るしかない、と実感しました。

今回は嬉しいことに成績は上々だったので、またこれからも反省点をふまえて更なる発展を目指したいと思います。

(※日本国内の正しい武術普及を思って善意のアクションなので、かつて私も受けた組織的な妨害工作は絶対に辞めてほしいと思ってもいます)