「自彊不息」「厚徳載物」

※彊は強

天行健なり。君子は以って自彊してやまず。

地勢坤なり。君子は以って厚徳載物

という言葉が易経の冒頭に出てきます。

これは多くの武術家が大事にしている文言でもあります。


大いなる天は一日も休むことなく動いている。

それと同じように士たるものは一日も休むことなく、努力をし続ける。

この母なる大地はあらゆる生きとしいけるものをはぐくみ育てている。

それと同じように士は大きな度量を持って、全てのものを受け入れる 

という意味を持っています。


我が武術院の春節明けの練習としては毎年これを練習の最後にお話しをすることが定例としています(一応、記録しておきます)


「自強不息」は自ずから強くなれるよう、

できる限りの中で頑張って怠ることなく努めていきましょうということ。


「厚徳載物」は大きな寛容の精神で物事を受け止める心を磨くこと。

更に私の意訳を含めれば、

人は誰でも、「一人の荷車引き」のようなものであり、

その荷車引きの心の在り方に他の人々は想うものであります。

その人のはたらきや真心(徳)に想いを感じれば、その荷台に「何か」を人は載せていくものです。


「その人」の思いやりや厚い心持ちと、その徳に多くの人々は、

その想いにふさわしい物を載せていく・・「厚徳載物」

荷車引きは荷台を見ずにただひたすらいつも歩く道を行く。



今の世は、今の人はどうか。

何の生を行き、何の道を歩くのか。

本当に自分一人のために、他の誰かが自分のための何かを載せてくれるのだろうか・・


我が武術院の皆さんを見ていると人それぞれにそれぞれの車の荷台に、

知らず知らずのうちにでも「物」を載せ 載せられ コツコツと頑張っています。


もう数日間もすれば月と太陽もまただんだんと力強さを取り戻し、

新たな春がこれから大地が大きく動き始めます。


今日も皆様お疲れ様でした!