今回の旅は、羽田空港から上海虹橋空港で中国に入りました。

そして そこから亳州に入るのにルートを一生懸命に考えました。


前回は北京から入りました。

北京西駅からは京九線で一本ですが、

日中10時間近く列車の移動時間が必要でした。


先ず候補は、上海虹橋空港から国内線での空路を使い、鄭州まで入るのが一つ。

そして次は、一泊してから上海からの鄭州行きの新幹線で商丘で降りてから、行くのと、

上海に着いてからすぐに発車駅の上海南駅から夜行寝台で安徽省の阜陽に入るコース。

考えに考えて、今回は 阜陽から入るコースにしました。

中国武術・横浜武術院のblog-上海南駅


一つの理由は、移動時間を睡眠時間にあて 移動の退屈を減らすためと、

5月上旬のこの時期は日本にも黄砂が飛んでくるように乱気流が強く

飛行機はかなり揺れるのでそのストレスを避けるため、

それと、関口知宏さんの中国鉄道大紀行で下車した駅で(枕にできるパンの回)

その雰囲気を感じてもらいたいためでした。


今回のツアーは空港で賈平・かへいさんと合流し、10人での移動なので、

列車内の憩いの時間も活かしたく思っていました。


上海に着いてから、早めの食事をとり 駅から列車に乗りました。

車内では賈平・jiaping かへいさんと二人でビールを飲みながら、たくさんの事を語り合いました。

中国武術・横浜武術院のblog-かへいさんと共に

それは日本のこと。中国のこと。両国のこと。

ざっくばらんに自由に語り合いました。これも自分の楽しみの一つでもあります。

朝になると、男性と女性と部屋に分かれていましたが、もう皆がそれぞれ仲間として溶け込んでいて 

いい雰囲気になっていました。

とても嬉しく思いました。

早朝の列車から見える景色はきれいでした。

中国武術・横浜武術院のblog-淮河2

中国武術・横浜武術院のblog-淮河1


淮南子で有名な淮南を過ぎ、

淮河を眺めながら 誰もが広大な大地を感じて大らかな気持ちで既にいられました。
終点の阜陽には、8時過ぎに着きました。

駅前で地元のラーメンを食べて 車に乗り亳州へ向かいました。


中国武術・横浜武術院のblog-阜陽


途中の2時間は、見渡す限りの麦畑と楊樹がずっと続く160kmのバスからの車窓をずっと眺めていました。

途中、荘子の故郷の蒙城の近くを通ってから 老子の故郷の渦陽を行きました。


中国武術・横浜武術院のblog-渦陽1

中国武術・横浜武術院のblog-渦陽2


景色を見ながら、紀元前5~2世紀の思想・哲学家の老子・荘子もこの地に生まれ、

空を見ながら 考えていたのだろう と思いを馳せました。

亳州に入りましたら、

曹操と華侘の描かれた旗が街のあちこちに見られました。

数千年経っても 英雄だということは素晴らしいと感じました。

世界中に人間はたくさんいて、生命の役割が終わっても1800年以上が過ぎても語り継がれている・・

人間冥利に尽きてこそ、

後代に「神」としての称号が自然に与えられるのであるのが正しい評価なのだと思います。

現代は、慌て続け やたらと焦っては人と争い、競い合って 

出世や報酬だけを多く臨むことしか考えぬ現代人の精神力の水準が高いとはいえぬ世界について考えさせられました。

亳州に到着する頃、我々訪問団の全員は清々しい心地でいることができました。


中国武術・横浜武術院のblog-曹操のポスター

中国武術・横浜武術院のblog-華侘のポスター
大らかでのんびりとした天と地であるからこそ、偉人が育つ聖地なのだと実感しました。