「命の使い方」 14 失望からの脱却 | 命の使い方

命の使い方

2009年8月、急性骨髄性白血病にかかり、2回の再発、非寛解での骨髄移植を経た記録をまとめた「60%の向こう側、20%のこっち側」を掲載しています。今は、闘病と闘病中に起業に挑戦した経緯を踏まえて、生かされた命の使い方を綴っています・・・

1か月半以上ご無沙汰してしまいました。

2月に左肺を半分切除する手術をしたのですが、切除部分に膿がたまり3月25日から再入院していました。手術後も歩いたりすると気持ち悪くなったり、吐き気がしたりと変な日が続いていました。


これも手術の影響だろうと思っていたのですが、3月25日に定期検診で血液検査をしたらCRPがなんと30.0(治療を経験した方であればどれだけ異常値かわかると思いますが。ちなみに健常者は0.3だそうです)。即入院でした。


入院した時は原因がわからず、抗生剤を点滴したりしたものの、次の日から40度の高熱が出て下がらず。4日目にCTを見ながら切除部分の体液を吸い出したら膿が200㏄たまっていたそうです。


ようやく熱も下がり、帰れるかなと思ったらその後が大変なことに・・・。


「膿胸」といってこの症状は、生理食塩水で洗い流す治療をしなければならないのです。胸に穴をあけて1センチくらいの管を通し、生理食塩水を流し込み、機械を使って吸入する。これを10日くらいやりました。管は胸に入れたまま。機械はコンセントにつながれ、まるでヱヴァンゲリヲンのよう・・・。


その後、菌が残ってないかどうか培養の検査を行います。これが時間がかかり5日くらいに1度。

2回連続で「陰性」がでないと退院できないとのこと。1回目の検査で「陽性」。ダメ。2回目も「陽性」。またダメ。どんどん時間が過ぎていきます。


その間、新規のプロジェクトも断わざるを得なくなりました。クライアントからも「いつ退院できるのか?」はては「本当に大丈夫なのか?」云々。

それでも検査の結果は良くなる兆しがなし。元はと言えば肺の手術をしたからで。その原因は肺炎になったからで。その原因は白血病になったからで。いつまでこの連鎖は続くのだろうかと考え込んでしまいました。考えてみれば、病気になってから通算6度目の入院・・・。


仕事もやれない、売上も上がらない、経費だけが順調に出ていく・・・。銀行へ病院からと悟られないように電話で融資の交渉をしました。どうしても外出するときは、管を入れたまま携帯用のケースで管のふたをして外出しました。こんなことを繰り返し、先が全く見えない中で、周りの出来事がどんどん前に進んでいく。この焦燥感と失望によからぬことも頭をよぎりました。


それでも3回目の検査でようやく「陰性」が出て、3日前に4回目の検査で再度「陰性」がでました。気が付いてみたら1か月以上入院していたことになります。手術でも入院期間は2週間だったのに・・・。


やはり、どうも人間というのは、現実を受け入れるしかないようです。諦めとは違うレベルの「ダメなものはダメ」。この見極めが重要だと思いました。起こったことを「これは何か意味がある事なんだ」と後付けでポジティブに理屈付けること。これしかありません。


ジタバタしても仕方がない。だからこの3日間はyou tubuで、たくさんのクレヨンしんちゃんの映画版を堪能しました。クレヨンしんちゃん泣けますよ。子供だけに見せておくのはもったいない。結構人生のヒントが隠されています(笑)。

こんな言葉が心に残ました。


「計画通りにいかないから人生なんだ!」 

by しんのすけのお父さん



まだまだくじけることは出来ない・・・

さあ、明日からまた前に進むぞ!