悲劇は突然に | よかっぺいがっぺのブログ

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・・・やってきたのである。



一仕事終えた朝6時。

支店長がディーリングルームのメンバーを全員集めた。



『実は・・・東京市場から撤退することになった。』




利益は十分すぎるほど出ていた。

格付けはAAA。


当時、AAAの格付けは私の銀行を含め、世界に数行しかなかった。

それが突然の・・・撤退。



そして解雇。



私は雇用契約上、実は新卒社員ではなく、総合職でもなく、外為ディーラーとしての専門職としての採用だったことを初めて具体的に理解した。


つまり、この銀行ではディーラーとしての職以外は与えられないのである。

『いやいや、この子は仕事が出来るから他の部門で使おう・・・。』

なんて話には絶対にならない仕組みなのである。

理由は、実務経験がないからである。

実務経験がない人間は絶対に採用されない仕組みなのだ。


何でおれ、採用されたんだろうか・・・?

(後ほど理由が判明します。)



そもそも、この銀行に新卒なんて概念はない。

そして、この銀行のディーラーは全員専門職の一匹狼。


為替ディーラーは、その特殊な業務上、労働基準法の対象外。

(だから給与体系や労働時間が総合職と異なる。)



ゴネても、スネても、どうにもならない。

結局手切れ金を受け取り・・・、失業した。



もちろん、退職金という名の手切れ金は家が買えるほどの大金だった。


しかし、長い人生を考えれば、こんなお金を貰ったところでキャリアへの大きな影響は免れない。




どうしよう・・・。



正直、解雇を通知された瞬間、『開放される!』と嬉しかった。

しかしながら、当然、実際に銀行から放り出されると、どうしてよいか、わからなかった。


季節は冬。

北風が異常に冷たく私に開いた穴を吹き抜けるようであった。



そして、たくさんの時間とお金をもてあました。

海外に留学している彼女の元に飛んだのは言うまでもない。





この後、更に大きな問題が私を待ち受けていたにもかかわらず・・・。



(つづく)