【小説】行きずりの街
志水 辰夫
行きずりの街
シミタツ節を初体験。「このミス」1992年国内1位だったり、テレビドラマ(主演:水谷豊)になってたりして、結構有名らしい。
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内容(「BOOK」データベースより)
女生徒との恋愛がスキャンダルとなり、都内の名門校を追放された元教師。退職後、郷里で塾講師をしていた彼は、失踪した教え子を捜しに、再び東京へ足を踏み入れた。そこで彼は失踪に自分を追放した学園が関係しているという、意外な事実を知った。十数年前の悪夢が蘇る。過去を清算すべき時が来たことを悟った男は、孤独な闘いに挑んでいった…。日本冒険小説協会大賞受賞作。
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いったりきたりする東京の街中の描写が東京在住でない読者は???という感じでしょうけども、それなりに「行きずり」感というか、場末っぽいリアリティが感じられ、雰囲気はいいです。
が、プロットとキャラについてはちょっと不満。ご都合主義っていうか、漫画チックじゃないすか?
学園ものだからなのか、教師が主人公だからなのか、ビミョーに立ち回りが良くて出来すぎなキャラ達と、これまた綺麗過ぎる展開に、予定調和を感じたりもする。
確かに、ストーリーにはミステリ要素がちりばめられていて「どうなるんだろう?」感をかもし出しておりそれなりに楽しめる。ただ、本格ミステリによくある「どんでん返し」はなくて、予想の範囲内でした。
文体は割と馴染めるほうですがね。
Amazonの書評には「短編がいいよ」と書いてあったりしたので、今度は短編を読んでみます。
ラストは往年の大映ドラマ並のベタな展開!クリック! | 他の記事も読む!