【読み物】あたらしい教科書2 本
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永江 朗
本
新年一発目の本の紹介は、本をテーマに掲げている本blogなだけに、ずばり、本にまつわるウンチク満載のこれ。
あたらしい教科書ってのはシリーズ化されていて、「ことば」や「音楽」、「住まい」などキーワードごとにいろいろ出ていて、へえー!を連発するような知識が、見開きごとに1つづつトピックとして掲載されている。
1つ1つのトピックが簡潔にまとまっているうえに、注釈や図(写真)もあって、読みやすい。
なんとなく想像はしていたけど、本が出来上がるまでって、雑誌やら漫画やら写真集やら翻訳本やらで、独特の行程があるんだなあ、とか、編集者の仕事の範囲は結構広いんだね、とか、紙の種類や装丁のしかたなど、いろいろあるね、なんてのが「つまみ食い」できるので、本そのものが好きな人には楽しめる内容である。
名編集長や名デザイナーなどの紹介や、結構ベールに包まれている本の流通にまつわる仕組みなんてのもあって、なかなかマニアックなところも。
しかし、「流通と書店」の章を読んで、あらためて感じるのは、Amazonをはじめとするオンライン書店の台頭と、ブックオフの台頭が、出版業界そのものを変えていくんだろうなあということ。
昔の出版社では本の価格を少しでも安く、であったが、最近ではAmazonで送料無料となる金額を意識して設定をすることもある、とか。
また、ブックオフで買って他の高く売れるところで売りさばく「せどり」なんてのを知ってしまうと、現在の再販制度とか委託販売制度ってのはこのままでいいんだろうか?という疑問も沸いてくる。
じっさい、小さな書店はどんどん経営が苦しくなってきているみたいだし。
ただでさえどんどんつぶれていく街の小さな本屋さんが、売れ線の、いわゆるベストセラーや漫画しかおかなくなっていく世の中も、寂しいもんだ。
まあ重要なのは書店の存続ではなくて本の内容や本を書く人自体の充実であるから、それも止む無し。
これからは、オンライン書店がますます台頭していくのでしょう。
あとはAmazonの「なか見!検索」をもっと充実してもらえば、なお良し。
本屋の醍醐味のひとつは、立ち読みですからね。
売る側からすれば「本が汚れるし邪魔だからやめて!」だろうけど。でも本は買う前にホントにその価格に見合う価値があるか分からない商品。中身を読まないと分からないからねえ。
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