2006年10月01日

【読み物】粗食のすすめ

テーマ:Book Review


幕内 秀夫
粗食のすすめ

 美しい日本になるまえに、というか、そうなるためには、まず美しい日本人にならなくちゃ。

 やれカロリー計算だとか、30品目だとか、サプリメントだとか、世の中には食生活改善による健康獲得の煽りが電話BOXのピンクチラシのごとく爛漫しているわけですが、それに対して比叡山の高僧が一喝するかのごとく、本書ではそういった一見科学的に聞こえる主張群における根拠が如何に弱いかを指摘し、伝統と先人の知恵による食生活改善を提示します。


 その骨子は極めて単純。

 米(精製された白米よりも玄米や胚芽米を食え!)やその他の雑穀類、および味噌汁、漬物、納豆、季節の野菜、魚介類を食えと。

 そのなかでも米、雑穀類といった主食をたくさん食えと仰います。


 パン、肉その他の油モノ、牛乳、はもともと日本にはなく、寒くて乾燥している土壌のため米が作れないヨーロッパのような外国の食べものである。
 何千年も続いてきた土着の食生活が、その土地における人間の身体を作ってきた。
 日本人の身体は和食が合うように出来ているんですよ。
 だからムリに欧米の食生活を進めると不健康になるんすよ!って非理論的なようでいて、その実極めて理論的。


 その議論の背景として、まずは、最近ずっと騒がれ続けているカロリー信仰やカルシウムやビタミンなどの栄養素がどうだこうだという誤った理解を完膚なきまでに叩き潰してくれます。

 そもそも、カロリーなんてのは老若男女や体調によって吸収量が違う!とか、カルシウムやビタミンが含まれている云々といった話に至っては、どんな食物にも身体に良いものと採りすぎは良くないものが含まれているので、そういった食物の全体像を見ずに、カロリーがどうとか、含まれている栄養素の1つでしかない成分をごちゃごちゃ言ってるのなんて無意味!とのこと。←木を見て森を見ず、と一喝ですわ。


 そうしたうえで、和食党になれ!という主張の決定的な裏づけとして、作中では、膨大な野外観察データから導き出された、ひとつの結論を紹介しています。

 「米、雑穀類、味噌汁、季節の野菜、少々の魚介類。つまり古来の和食をずっと食べている人達が長生きだった」

 よく考えてみれば、玄米だとかヒエ、アワといった雑穀と味噌汁、あとはせいぜい漬物だとか山菜みたいなものしか食べない昔の人達のほうが、年取っても元気だったり、変なアレルギーとか成人病みたいなものに侵されていなかったような。

 何でも大国アメリカが、あまりに成人病だとか肥満などによる不健康な国民が多いことにビビって、大金を投じて調査をしたところ、結局、解決策として導き出された結論は「食生活の改善」だったそうです。

 で、同じ結論をもっと前に、一人の日本人が、全国の村をまわり、長生きの人が多い村とそうでない村には何の違いがあるのか?を調べていったところ、同じ結論を導き出したそうな。


 本書では返す刀で、パンと肉、牛乳がいまこれだけ普及して、主食の座から米を引きずり降ろさんばかりの状況であることは、由々しき事態であると警笛を鳴らします。

 なぜそのような事態になったのか?

 1つは戦後日本人の「豊かになりたい」願望の象徴としての「米と味噌汁は貧乏くさくてパンと肉と牛乳が豊かな食生活である」といったコンプレックスからくる崇拝。

 さらに、敗戦という衝撃から、どうやったら欧米人のように大きくて頑丈な身体が手に入るのだろうか?という欲望も、あったのでしょう。

 しかして、その根底には、またもや陰謀国家アメリカの差し金がちらついているんですよね。

 戦後、GHQの指示のもとで学校制度が立て直されて、給食が実施されるときに、パンを主食とし、牛乳を飲ませ、逆にお米は給食に出せなくした。

 当時、アメリカは自国に豊かな小麦を抱えていた。日本は敗戦国と言え、多数の人口を抱える有望な市場だったのです。そこでアメリカは、日本人が米ではなくパンを好きになるように、まず子供の口にその味を覚えさせ、将来パンを買い続けるようにしむけたのです。

 なんというしたたかさ。冷酷なまでの合理的戦略。

 マクドナルドは子供向けにいろんなサービスを打ち出して、子供がマクドナルドを好きになるように徹底して仕向けます。

 当然、国家レベルであれば、当然マスコミなどのメディアや言論界、学界を誘導することによって、とてつもない規模で市場の改造を実践できるのです。

 皮肉なことに、現代のアメリカでは、迫り来る不健康国家危機への対応策として、日本食が得意とする穀類(デンプン)中心の食事などを心がけよう、なんて誘導しているそうです。


 米を一生懸命減反政策で減らして、小麦を外国からしこたま買い込んで、それを家畜に食わせ牛乳や肉を作っている日本。
 しかもその小麦は、飢餓で苦しむ途上国にとっては、なけなしの主食になり得るのです。

 何を実践すべきかは、極めて明白ですね。


 目からウロコとはこのこと。
 まるで、自分の中の誤った常識が、「何でこんなオトコ(オンナ)が好きだったんだろう」的な、長い長い自己暗示から醒めたような、そんな感覚に陥ります。

 日本人なら1度は読むべき本。若干主張がリフレインされていて冗長ですが、かえってそれが刷り込み効果となっていて、読み終わったころにはすっかり信者になってしまいます。

 さあ、皆で今すぐ、お米党になりましょう!

 ビルゲイツ基金には、途上国に先進国大企業の薬をばんばん送りつけるだけじゃなくて、こういった趣の啓蒙活動や食物市場誘導にも目を向けてほしい今日この頃。市場支配は得意でしょう?


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