【新書】ハリウッドで勝て!

一瀬 隆重
ハリウッドで勝て!
Jホラーでハリウッド制覇した一瀬"プロデューサー"の自伝、そして日本映画産業への提言。
映画は芸術でありエンターテイメントであるが、同時にビジネスでもある。
ビジネスとして成功しなければ製作者達は嬉しくない。
ひとつの芸術、エンターテイメントとして完成させるのが監督の役割であり、ビジネスとして成功させるのがプロデューサーの役割だ。さらに、映画がヒットしたら、製作関係者、その当事者達が大儲けできなくては、面白い映画が生まれるはずもない。
日本の映画産業界は、テレビ局などの大手企業が牛耳り、企業の商売道具になってしまっている。
そして製作者たちはサラリーマン的に手足を縛られ、発想の自由とより多くの観客を呼ぼうという野心を失い、自閉気味に、無活力状態になってしまっている。
なんだか、ソフトウェア産業界も、似たような問題を抱えているなと思った。
ソフトウェア産業も、ITゼネコンと呼ばれる大手SI企業が牛耳り、技術者達は大手企業の商売道具として過酷で労働集約的な作業を強いられている。
もちろん、近年はインターネットビジネスツールなど、技術者が本来の技術を駆使して商売道具を創造しているケースも多々あるが、大部分の技術者達は先に述べた通りの状況に甘んじているのが実態だ。
ソフトウェアを創造して、それをより多くの人に使ってもらい、儲ける。
そういうビジネスを志向するなら、きっと同じようにプロデューサーが必要なのだろうし、企業のなかに閉じ込められているよりは、自分で企画開発販売をするほうが自然である。
昔はとてもそんなことは実践できなかったけど、インターネット&Webなら、作ったソフトウェア(サービス)の流通コストはゼロだし、なんか行けそうな気がする。
でも多くの人に使われるようなサービスを企画開発するには、やっぱりプロデューサーが必須なんだよね。
サービス開発の現場で、技術者達が暴走して、テクノロジはスゴイかも知れないがとても売れないものが出来上がる、なんてことが往々にして起こるのは、このプロデューサー的視点が欠如しているからに他ならない。
何を隠そう、ワタシが所属する会社も、そんな失敗多々あるぞ!
