硫黄島からの手紙 | 本を片手に街に出よう

硫黄島からの手紙

サボテン
 気が早いが、今年の秋頃の映画の話題を1つ。
#サボテン画像は本文とは全く関係ありません。最近このカテゴリでの話題がなく無理やりカテゴライズしました。しかしサボテン達、しばらく断水させてたら萎んできちゃったんですよね…

 アカデミー賞常連の巨匠イーストウッド監督作の「硫黄島からの手紙」(Lamps Before The Wind)のキャストが決まった。

 主役は、いまや、ハリウッドの日本人役は全てオファーがあるのでは?というくらいメジャーになった渡辺謙が、玉砕した司令官、日本陸軍第109師団師団長・栗林忠道中将を演じる。その他は、二宮和也、中村獅童、伊原剛志、加瀬亮といった比較的渋めのキャスティングである。

 この映画は「父親たちの星条旗」(Flags Of Our Fathers)とのセットで、太平洋戦争の硫黄島攻防戦を日米両側からの視点でそれぞれ撮るという奇策である。

 硫黄島と言えば、米軍28,686名の戦死傷者と日本軍20,129名の戦死者を出した、太平洋戦争の最終決戦的な戦いが行われた場所だ。

 この島にある摺鉢山頂上に、米軍の海兵隊所属の兵士たちが星条旗を立てようとしている写真は、米軍の勝利、戦争で疲れ果てた米兵の士気高揚のシンボルとしてあまりにも有名である。
 それだけ米国にとってもとんでもない戦いだったということなのだろう。

 米国サイドでは、このシーンがあるのだろう。果たして、感動と涙を誘うシチュエーションで出てくるか?イヤ、イーストウッドはあなどれん。
 きっと観るものに衝撃を与えるような仕掛けがあるに違いない。

 また日本側司令官の栗林忠道中将は最初から、この戦いは最後には自分達の全滅で終わることを分かっていながら、この島の陥落が本土へもたらすとてつもない影響を考え、1日でも長く島を守り、本土決戦を食い止めるということを考えていたそうだ。結果、米軍が5日くらいで終わるだろうと考えていた上陸制圧作戦は1ヶ月も続いた。
 なんてやつだ…大局をみて自分を犠牲にする。
 確かにラストサムライが相応しい。日本人俳優の中で渡辺謙だけはイーストウッドからの名指しだったこともうなずける。

 しかし、戦争を、両陣営から2本撮る。誰もが思いつくようで、誰も考えもしなかったことだ。そのこと1つとってもこれはきっと、ただの戦争映画ではあるまい。

 そして製作はなんと、スティーブン・スピルバーグ。
 最高のドラマを演出する監督と、最高の撮影技術を持つ製作者。
 そして舞台は太平洋戦争。
 ヤバイよ。ヤバすぎる。またしても映画史に残る予感(でもそういう期待過剰な時は得てして…)

 懸念は、変な日本人観だけだが、ハリウッド作品に多数出演し貫禄もついてきた渡辺謙がきっと何とかしてくれるはず。
 頼むぞ。日本俳優陣。


 手紙というタイトルなんでシメは手紙の紹介。
 「40年前の敵同士が友情の抱擁」米軍上陸のちょうど40年後の昭和60年に、生存していた当時の米軍将兵と硫黄島守備隊の勇士達が、再会し、恩讐を超えて両国の永遠の友好と平和を誓った。そのイベントに、元海兵隊の祖父に連れられて参加した高校生が当時のレーガン大統領に宛てた手紙。ぶっちゃけ、泣きます。

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