2006年03月12日

【読み物】ロウアーミドルの衝撃

テーマ:Book Review


大前 研一
ロウアーミドルの衝撃

 下流、下流と世の中騒がしいなか、御大の登場。
 古くは「平成維新(1989)」のころから著者がずっと提唱している持論をリニューアルして、ロウアーミドルとはまた絶妙なネーミングでの2005年版バージョンアップある。

 年収600万以下のクラスを「ロウワー」および「ロウワーミドル」と名付け、いかにこの国が役人や一部の利権団体というシロアリに食い荒らされて傾きかけているかを客観明快に論じつつ、公務員リストラに始まり規制改革、税制改革、道州制といった、日本が生活者大国として再び繁栄に舵を切るための改革アイデアを提示。

 経営コンサルタントの言葉、流石明快で分かりやすく、問題だけあおって終わったり、評論だけして引きこもったりせず、じゃあどうすればいいの?にちゃんと答えを用意しているところは、読んでいて元気になってくる。

 但し!あまりに理路整然としすぎている故か、いざ実行しようとして既得権益の分厚い闇にあたったときは、太刀打ちが難しそうだな、と感じるのも事実。
 何せ、一筋縄じゃいかない連中、「四点セット」や「メール事件」を見ていても実に人を食ったごまかし茶番劇、ならびに、アノ手この手で表裏一体の権力行使全開で、既得権益を守るのだけは超一流なところを如何なく発揮している。
 実行するにはカーブやシュートも必要なんじゃないかな?と思ったりもする。

 しかも、読んだ全ての人々が行動せよ!というエールを送りつつも、ビミョーに「気づかない、あるいは気づいてもぬるま湯から出てこない国民」にプチ失望、世捨て人風な物言いもちらつく。このあたり、一度は政治の世界に踏み込みながら、撤退した過去のことも引っかかっているのかも知れない。
 著者は根本的には学者であり経営者であり教育者なのでしょう。実行するためには、実際に動く人が必要である。

 思うに、この本を一番読まねばならない人間は、公務員そのものであろう。別に自虐的になれというワケではなくて、著者の主張を率先して取り入れ動くべきは公務員であり、もっと言えば、どうすれば良いか、一番知りたがっているのは彼らなんじゃないの?とも思うから。

 多くの著書その他の実績を持ち、ビジネスクールも運営し、国際的にはドラッカーと並び称されるくらいに有名な著者には、是非とも公務員のための意識改革コースや、エリート官僚予備軍達を自分のスクールに入れて経営のイロハを叩き込むなど、してほしいものだ。
 そして、狭い日本で利権を吸い上げ水溜りの水を奪い合っている間に、広大な海がどのような事になっているのか、見せるのだ。
 残念ながら、この国は古今東西、黒船や敗戦という「外圧」でしか改革は生まれなかった。
 前述のように、もう名声もお金も沢山お持ちなのだから、最後は官僚の目を覚まさせる戦略立案と実施に全力を注いでください。

 明治維新後や敗戦後の高度成長は、今まさに諸悪の根源のような呼ばれ方をしている、官僚達が作り上げたものなのだ。もともと頭は良いし、日本人ならこの国をちょっとは愛しているはずだ。しかもいっぱいいるんでしょ?更に日本のために働いてもらわないと。
 彼らには、どうせなら狭い日本での権益よりも、世界中の権益を日本に持ってくるくらいの器の大きな強欲ぶりを発揮してほしいと思う。

 目指せ平成の勝海舟!
 自分も坂本龍馬とまでは言わないが、維新の志士を目指します。

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