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ポニーキャニオン
CUBE ファイナル・エディション

 密室版"漂流教室"。

 ↑別にぜんぜん似てないですけど何故か連想して思い出しました。荒唐無稽度合いとラスト近辺の展開から誘発されたんだと思われる。

 さて内容は…
 気がつくと、ワケの分からない立方体の部屋が上下左右に並んだ"立体カプセルホテル"みたいなところにまったく見ず知らずの男女6人が放り込まれている。

 各面にドアがあり、隣の立方体に移動できるが、立方体によってはワイヤーだとか硫酸?といったバラエティ豊かな殺人トラップが仕掛けられている。トラップを回避するカギはドアの境目に刻印された3桁×3の数字だ。

 ゲームが始まった。トラップにかかったら死あるのみ。
 出口はどこだ?この部屋トラップ有り?無し?そもそも誰がオレ達をこんな目に…次第に皆平常心を失い始め、お互い疑心暗鬼になり始める…


 この作品のキーポイントは、表情と音。

 登場人物達の恐怖と疑いの表情、極限状態で顕在化する人の醜い本性が強烈に浮かび上がる。
 アップ主体のカメラワークと、ひたすら金属の無機質な室内という背景映像が、否が応でも登場人物の顔の演技に注目させるのだ。

 あと音が秀逸。静まり返った室内で、DTSサラウンドでトラップ作動の音がなり始める。

 …シイーーーン…カチッ!とか言って。これはコワいですよ。
 
 逆に、"音を立てるとトラップ作動"という部屋のシーンなんかがあり、当然ながらほんとに無音状態で映像が進行するのだが、あまりに緊張感たっぷりで観ているこっちも音を立てちゃいけない気になってます。
 いや~脈拍があがるよ。
 そんなシーンで部屋の冷蔵庫がブーン!!っとか、携帯電話がビリリリ!とか言い始めたら心臓止まっちゃうかも。

 最後に助かるのは…
 ああ作者はコレが言いたかったのね…と妙に納得しつつ、せっかくココまで世界観を考えたのだからもうちょっと長い間"シュールな恐怖"の世界に引きずり込んどいてくれよ、と物足りなさも感じる。

 いや怖いもの観たさって怖いですね。終わってみれば「もっといろんなトラップを観たかったぞ」とか舌打ちしてるんだもんな…


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