恵比寿 | 本を片手に街に出よう

恵比寿

 飲み会で恵比寿の「今井屋茶寮」へ。


 恵比寿は今でこそガーデンプレイスで有名になってしまったが、もともとは「山手線でも下から五指に入ろうかというくらい地味な」街であった。

 ここ最近ではガーデンプレイスやJRの駅ビル「アトレ」に加え、美容室が秋葉原電気街のPCショップ並みに密集して出店し始めていることも含めて、若者の街化に関しては高度成長期を迎えている。


 もう一方でいまいち垢抜けない、庶民的雰囲気も随所に残っていて、それが微妙にバランスを保っている。
 渋谷ほど疲れず、代官山ほどメジャーでもなく、広尾、白金よりは親しみやすく、かつ目黒、大崎よりは洒落ているかも、といった感じである。


 例えば東口にある「こづち」という定食屋さんは地元では知る人ぞ知る庶民派代表店(独断偏見あり)である。

 また、昔は東口前に「ゆきこ」という屋台があって、これまた知る人ぞ知る名物店主ゆきこママがやっていたのだが、もう何年も前に交通事故でお亡くなりになり、店じまいしてしまった。
 だいぶくだをまいたりして迷惑もかけ、世話になったママだったのでお亡くなりになった時は暫く抜け殻になったことを今でもうすら覚えている。
 思えば、恵比寿の庶民率減少速度があがったのがそのあたりだったかな、と記憶している。
#当時は「さよならゆきこ」みたいな感じで全国紙でも報じられた
 誰しも、そういう、ひとつの時代の区切りみたいなものって、ありますよね…


 さて「今井屋茶寮」である。この店はぐるなび等でも有名だし雑誌にも良く載ったりするのだが、それなりに高くて流石に行きつけには出来ない。価格表非表示だし。なかなかドキドキものである。

 鳥系料理がメインで、比内白レバーおよびつくねがおすすめ(独断偏見あり)。
 まよったら、愛想の良い店員のお姉さんがおすすめをいろいろと教えてくれる。
 が、すすめられるままにかぶりついていると1人1万オーバーはあっさりいくので注意。
 特にステーキ串と刺身系は!!!ものの価格である(旨いけど)。


 小洒落た店内にて、若者に囲まれながら銘酒をちびちび飲みつつ、初冬の明け方に飲んだくれてシメに「ゆきこ」で飲んだ熱燗もそれはそれで五臓六腑に沁みる良い酒だったな…と感慨にふける。


 そう感じるのは、やはり自分ももうオヤジである、ということだろう。