閑話休題:古書談義 | mizusumashi-tei みずすまし亭通信
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 昼休み散歩

爆弾低気圧が舌なめずりしつつ忍び寄る週末の昼休み、そよとも風無く穏やかなこと老爺の午睡のごとく、猫の足音も聴こえぬ(嘘)。踏切りを渡るとU古本屋の主人が店外でぼんやり立っている。2~3年前に比べると店売りが半分ほどになっちゃって、皆アマゾン古本買うからね。で、アマゾンでネット販売するしかないの。1円本ってあるでしょ、あれ売れると30円稼げる。そこで僕。横溝正史「八つ墓村(s46初版)角川文庫」2万円もするの知ってる。河野通泰の装幀画、どうってことないんだけどね。重ねて…

今朝のこと。関根恵子のヌードカレンダー(1976)当時もの篠山紀信撮影、なんとヤフオク落札額41,500円。僕も古書店主も理解ができない。関根恵子「おさな妻」は観たいけど。さて、エミリー・ブロンテ「嵐が丘(新潮文庫)」鴻巣友季子の翻訳がすばらしく図書館本を借出したが、愛ゆえ互いに自傷他傷する登場人物の酸鼻についていけない。同じ図書館本、馬場孤蝶訳のトルストイ「戦争と平和(1914年)」4巻本も読了できず。蒲団に入り読みだすものの睡魔に勝てない。

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古本屋では若桑みどり「薔薇のイコノロジー (2003年)青土社」を購い、事務所に戻るとヤフオクで落札した斎藤緑雨「あられ雨(明治32初版-明治41年8版)博文館」が届いている。落札額300円、初版美本だと10,000円ほどもする。確かに古本屋さん、これではね。帰りに図書館に予約本・新関公子20年余の労作「ゴッホ 契約の兄弟―フィンセントとテオ・ファン・ゴッホ」を受け取ろう。新関公子は我らが長岡市の出身(隣市柏崎出身とも)、昨年当本で吉田秀和賞を受賞した。

ああ、我を惑わす美女はたえて顕われず、日々骨がらみ古本に生気を吸い取られていく。やんぬるかな(今となってはもうどうしようもない)。

 ひとり屋に紙擦るる音ひそやかに枯れ木に薔薇の絡まれる夜